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怪物と十字軍と心臓の無い騎士  作者: カラサワ
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第78話「ジン」⑮

 ご主人様とシャルロット様、2人の剣による互角の戦いが続く中、明らかに怒りを募らせるルイ。仲が良いとはとてもではありませんが言えないお二人ですが、付き合いの長さはなかなかのもの。その間には、異能を持ってしてでも入り込むのは容易な事では無いようです。


 ガキーン!


 そんな事を考えながら眺めていると、シャルロット様の強力な一撃により、ご主人様の剣が跳ね飛ばされてしまいました!宙を舞い、地に突き刺さる剣。無防備なご主人様に猛然と斬りかかるシャルロット様でしたが、ご主人様は逃げるどころか、逆にシャルロット様にタックル、押し倒してしまいました。


「……!!」


「おっと、させるか!」


 倒れた拍子に剣を落としてしまったシャルロット様は、咄嗟に短剣を抜き、ご主人様に突き立てようとしますが、泥まみれな組み打ちは得意中の得意なご主人様、簡単にはさせません。そうして2人して、ゴロゴロと転がり上になって下になっての繰り返し。遂にはシャルロット様が上になり、そのまま馬乗り状態で両手に持った短剣を振り下ろしますが、そうはさせまいとご主人様、その手を掴んで止めます。


「ぐっ!なんて馬鹿力だっ……さすがシャルロット、奇跡に頼るだけじゃあ無いみたいだなっ」


 戦場ではそこかしこで繰り広げられる珍しくもない殺し合い。しかしそれがまさかこのお二人の間で行われるとは……しかし、無表情に、淡々とそれをこなすシャルロット様がなんとも見てて恐ろしいです。


 そして遂に、切っ先がご主人様に触れた時、あろうことかご主人様の顔には微笑が浮かんだのです。


「ふっ、女伊達らに、と思った事は無かったが本当に大した奴だな、アンジュー家のお嬢様はっ!」


 それを聞いた瞬間、短剣を持つ手が止まるシャルロット様。


「何をしてる!早くそいつを殺せ、シャル!」


 それを見て激昂するルイ。しかしシャルロット様の手に再び力が込められるどころか、震え出しています。


「……私……私は、認められたかった……」


「どうしたシャル!早く殺すんだ!」


 ルイの怒声も他所に、無表情のまま、ポツリポツリとシャルロット様の口から言葉が出てきました。


「……世間に……お父様に……そして……」


 遂には持っていた短剣を落としてしまうシャルロット様。そのまま両手で顔を覆い、泣き出してしまいました。


「バカ言うな。お前ほどの人物、認めない奴がいるわけ無いだろ」


 それを見て、そっと肩に手を乗せるご主人様。どうやらシャルロット様の精神構造が変化、自力で精神支配を乗り越えたようです!


「ここまでの負けん気の強さとは思わなかったが」


 ボソッと呟くご主人様。そしてキッとルイに刺さるような目線を送りました。


「これで分かったかルイ。所詮お前は人の精神の根底も測れない、他人の能力でしか人と繋がれない中身空っぽ人間なんだよ。毎日がつまらない?つまらないのはお前自身だ」


「何が精神だ!何が繋がりだ!所詮は金や物、肉体で繋がった物だろ!他人の能力?この能力は与えられた物だけど今や完全に使いこなしている、僕の能力だ」


「いいや、それはジンという精霊の能力だ。所詮お前こそジンの支配下に置かれてるに過ぎない」


「僕は誰の支配下にも置かれない!僕がジンを支配し、利用しているんだ!」


 ルイがジンを罵倒する言葉を吐いた瞬間、その身体から雷を纏った霊気のような物が飛び出るのが分かりました。

 騎士の間では実戦に役立つレスリングを習う事は重要な事でした。

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