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怪物と十字軍と心臓の無い騎士  作者: カラサワ
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第77話「ジン」⑭

 再び精神支配をされ、一切の表情も感情も消えたシャルロット様。今はただ剣を握り、ルイの命令通り、ご主人様を殺すことしか頭に無いようです。


「さて、ここからが正念場だな。シャルロット、俺は信じてるからな」


 同じく剣を抜き、シャルロット様と向かい合うご主人様。まさか本当に殺し合いを演じるおつもりなのでしょうか。これがルイからジンを引き剥がす方法なのでしょうか。


 と考えている中、先に動いたのはシャルロット様でした。剣を振るうと同時に、いくつもの火球を飛ばして来たのです!


「あっぶねぇ!」


 それをなんとか避けるご主人様。しかし気のせいかもしれませんが、なんだかシャルロット様の使う火の奇跡、いつもより威力が低い気が……


「どうしたシャル!本気を出せ!さっさと殺せ!」


 そう叫ぶルイをよそに、その後の火の奇跡もどれも弱々しい攻撃ばかり。怪物を一撃で屠ってきた今までの攻撃とはまるで違います。


「奇跡の発動には、何よりも信仰心が必要なんだ。今の感情も心もない状況じゃ、大した奇跡も出やしないって訳さ」


 なるほど、奇跡を使うのにいつも聖書の一節を唱えていたのも、信仰心を呼び起こすためにしていたんですね。


「くっ……ならば剣だ!剣で奴を斬り殺すんだシャル!」


 ルイの言葉を聞き、表情は無いながらも、一瞬動きが止まるシャルロット様。その姿は戸惑っているようにも見えます。


「そうだシャルロット、剣で来い。久し振りに稽古を付けてやる。もうハンデも無しだ、俺から1本取ってみろ!」


 それを聞き、剣でご主人様に斬りかかるシャルロット様。その動きにもう迷いは見られません。素早く、力強いながらも直線的なシャルロット様の剣に対し、上段に構えていると思いきや、突然下段から斬りつけ、わざと直線的な動きの連続攻撃を繰り出して最後にフェイントを織り交ぜるなど、変則的な剣のご主人様。2人とも1本も譲らず、勝負は一向に付きません。


 それを見て、明らかにイライラしているルイ。


「何をしているシャル!奇跡も織り交ぜて早く殺せ!」


「……それでは、意味がない」


「な、なんだと!?」


 精神支配下にあるはずなのに、ルイの言葉に逆らうシャルロット様。


「私は、一度も剣ではレードに勝てなかった……今度こそ、勝ちたい……」


 精神支配で心は支配できても、どうやらシャルロットの負けん気の強さまでは支配できなかったようです。ご主人様もそれが狙いだったのでしょうか。


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