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怪物と十字軍と心臓の無い騎士  作者: カラサワ
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第54話「グーラー」③

 騎士とは君主から封地を与えられ、その見返りとして軍事力を提供する軍事的エリートですが、十字軍国家では与える封地が不足していたため、代わりに現金を与えることが多々ありました。そのため、自らの領地ではなく、都市部に住む騎士はよくいたそうです。

 半ばシャルロット様に引きずられるように、"人食い事件"が起きた事件現場に案内させられたご主人様。事件解決の手掛かりを見つける事ができるのでしょうか。


「この小さな館が事件現場なのね」


「小さいって、シャルロットが昔住んでいた館に比べたら小さいかもしれないが、これでもエルサレムではそこそこの大きさだぞ。なんと言っても2週間前まで住んでいた被害者は王国の騎士だったんだからな」


「ふぅ〜ん……まぁいいわ、早速中に入りましょう」


 シャルロット様に急かされ、本部から借りて来た鍵で扉を解錠するご主人様。2人は二階へと足を進め、寝室の扉を開けると、それはもう血の跡があちこちに残る、凄惨な事件現場であったのが一目で分かる有様でした。


「これは発見直後はさぞ酷かったんでしょうね……」


「あぁ酷かったらしい。第1発見者は被害者である騎士の若い小姓だったんだが、ショックでしばらく口がきけなかったほどだと言うからな」


「血は病院で見慣れてるけど、想像したくないわね……でも、それにしては血の跡以外はキレイな部屋ね。事件後に誰かが片付けたのかしら」


「いや、遺体を埋葬した以外は発見時のままだ」


「そう……なら変ね」


「争った形跡が無い、からだろ」


「その通りよ。騎士ともあろう人が、小姓や召使いがいる自宅で、それも無抵抗でやられたりするかしら?それに小姓が見つけた頃には、既に食われた後だったなんて、襲われて声1つ物音1つ上げないなんて変ね」


「となると、やはり犯人は……」


「自宅で2人きりになる機会があり、騎士と言えども油断する相手。やっぱり行方不明になってると言う新婦が怪しいわ。女の素性は割れているの?」


「それが、元々この地に住んでいた現地キリスト教徒で髪は長く栗色、背は普通、胸と尻は大きいが腰は締まってる、そして会話は機知に富んでいて美人……との事だ。似顔絵もある」


「あら、そこまで分かってるのなら話は早いわ!早速その女を探しましょう」


「と、俺も思ってあちこち探したんだが全く見つからない。と言うかここ聖地エルサレムの市街地に住んでいたはずなんだが、知っている者どころか見た者すらいないんだ」


「それってつまり、どう言う事?」


「分からん。もしかしたら……」


 そんな話をしていると、テンプル騎士団の黒いマントを付けた従士が慌てた様子で階段を駆け上がって来ました。


「レード様!良かったまだここにいらっしゃいましたか!すぐに来て下さい!」


「一体どうした、そんなに慌てて。また総長か被服長官のお呼び出しか?」


「また"人食い事件"が発生したのです!すぐに現場に行くようにとの、総長の指示です!」


 ただの人食い事件ではなく、連続人食い事件となった今回の事件。果たしてご主人様とシャルロット様は無事にこの事件を解決できるのでしょうか。


 

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