第四十七話 ※下ネタ注意
4月19日改稿 改稿後は縦書きビューワー推奨ですが、横書きで見たところで問題は無いはず。スマホは相変わらず見づらいかもしれません。
鬼に誘拐されたちみっ子さんを救出するべく旅に出た俺たち一行。地下に広がる薄暗いトンネル、ゾンビの村、底なし沼、灼熱の砂漠地帯、狼の群れる森林を抜け、ようやく目的地である鬼の家を訪問することとなった。やたらとフレンドリーな門番鬼に案内されてたどり着いた屋敷の玄関。そこで何故か、男の子(3歳児?)にステゴロ勝負を挑まれ、一方的に攻撃を受けてしまう。そしてその男の子により、俺に対する『トドメを刺す』宣言がなされ、相次ぐ攻撃のさなか、自らの絶体絶命を意識した俺。その途端、唐突に流れてきた例の《脳内アナウンス》。つまりは、ついにその全貌をあらわす《オリジナルスキル》。いったいそのスキルの名前は《くさなぎのつるぎ》なのか、それともちみっ子さんが予言した《くさなぎのつよ○》なのか、はたまた、それ以外なのか……そして、その名前が示すスキル能力の実態とは、いったいそれは、どのようなものなのか……
などと煽ってみたところで、スキルを確認するためにはギルドカードを見る以外に方法が無く、っていうか他の方法を知らず、知らない以上はどうしようもない。まさにお手上げ状態である。仮にスキル名称やそのスキルが有する能力について、いまここで、確認できたとしても、発動要件とかがわからないとこれを発動できるわけでもなく、つまるところは、結局、俺の置かれた状況はスキル解放以前と比べて何一つ変わっていないといえる。
拳を握りしめ、その拳に向けて息を吐きかけながら気合いを入れている目の前に立つ男の子(見た目は3歳児)。あれって何か意味あるの?
両足の向う脛を3歳児然としたその姿からはありえないとしか言えない、くそ重たい蹴りをくらわされ、その向う脛を抱えしゃがみこむ俺。男の子に背後へと回り込まれると、またヤツの三年殺しがやってくる。だから、俺は、男の子の視線を意識せざるを得ない。ヤツが狙っているのは俺の正面なのだろう。時折、ヤツの視線と導線を俺の背後へ送ろうとするフェイクな動きを混ぜて来るが、ヤツは俺に立ち上がられるとその攻撃が届かないことを既に自白してしまっている。所詮は3歳児、あさはかなのだよ。ならばヤツがこれから繰り出そうと計画している必殺技の攻撃対象は、俺の上半身にあると考えて構わないだろう。ここは向う脛の痛さを我慢してでも、立ち上がっての防御姿勢を取るのが正解だ。
そして、いま俺には、ひとつだけなんだが、使えそうなアイデアがあるんだ。これこそが今回、俺に残された『たったひとつの冴えたやり方』ってヤツだろう。
俺は瞳を閉じて、深く静かに深呼吸を繰り返す。
丹田に力を意識し、そしてゆっくりと呼吸を整えていく。
いいぜっ、俺は俺のやり方でヤツ(3歳児)を迎え撃つ。
「あぁ、悪いんだけど。ちょっとタイムな。
ちぃーっす、スパモンせんぱーい。オリジナルスキルの発動って、これ、どうやればいいんすかぁ?」
『ん? スキルの名前を大声で叫ぶといいよ。』(脳内補完)
「それがわかりません。まだ、確認できてなくて。」
『それなら、オート発動モードにすればいいよっ。』(脳内補完)
「オート発動モードっすか? それ、やり方がわかりません。」
『こっちで、適当にやっとこうか?』(脳内補完)
「できるんですか? なら、おなしゃす。」
『(触手延ばしてごにょごにょごにょごにょ、ごにょごにょごにょごにょ……ごにょごにょごにょ……)できたよー。』(脳内補完)
「せんぱぁいっ、ありがとうございまっす。」
ふふふっ、キサマは俺を怒らせてしまった。ここまでキサマの卑怯な攻撃をいくつも食らってしまったよ。
だがな、この土壇場で俺は覚醒してしまったのだよ。この俺のオリジナルスキルの前で沈むがよいわ。
「さぁ、準備はできた。もうタイム終了でいいよっ。うん。終わったから。うん。ほれ、いつでもかかってくるがいいわ。どこからでもかかって来るがいいのだ。」
「おぅ、もういいのか。――――そうか、ならいくぞ。
覚悟するがいい。俺の必殺技、超ギャラクティック・マグナム・スーパー・ウルトラ正拳地獄突きぃ。 つぶれろっ、ゴールデンボール。」
《♪ピロリロリ~ン ♪ピロリロリ~ン 危険レベル5の攻撃を感知しました。オリジナルスキル『くさなぎのつ○ぽん』オート発動モードにより発動開始されます。》
俺はコンマ1秒で全裸脱衣し、ヤツの拳は俺の股間に突き刺さ……りませんでした。
股間に漂う白い靄。その靄がクッションの役割を果たしてくれているようです。やんわりとした靄にやさしくふんわり包まれる俺の股間。俺の服はどこ? 服は消えてるだけ? じゃ、俺いま服ちゃんと着たままなの? そうなんだ。ねぇ、これ警察捕まらない? 裸に見えるでしょ、でもね、ホントはちゃんと服着てるんですよって言って、これ信じてもらえる? やっぱ、ムリ? そうゆうスキル? 股間防御に特化? この靄を出すために服は消えちゃうの? そうゆうお約束? そうなの? アニメの常識?
スパモンさんが教えてくれました。そうゆうスキルなんだってさ。いまもまだ、スキルの効果が消えてないのは……
「なんで、これで立っていられるんだ。どうして倒れないんだ。くそぅ、もう一発、せいやぁっ、ちぇすとぉ、せいやぁっ、せいやぁっ……」
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