第二話 ビルへの潜入
4月16日改稿 改稿後は縦書きビューワー推奨ですが、横書きで見たところで問題は無いはず。スマホは相変わらず見づらいかもしれません。
『あんた、何か困り事かい?』
渋い声が頭の中に響いてきたような気がしますん。
ん? まさかね。でもひょっとして、ひょっとするんでしょうか?
さっきから色々とおかしなことがこう連続しているわけだし、あってもいいのかなぁ。
あり? なし? まぁいいや。とにかく聞いてみましょう。
「このビルへの入り方なんですけど、ひょっとしてご存じ……だったりしますかね?」
『ふむ、やっぱり困っていたようだな。こっちだ。ついて来な。』
そんな声がやっぱり聞こえてきたような気がしますん。
ダンディな猫? さまは、2足歩行のままこの俺を先導してくれるようです。
途中蝶を追いかけたり、突然走り出したかと思えば立ち止まり、見えない何かに向かって威嚇してみたり、ふり返ってドヤ顔で俺を見てきたり?
えっ、ここですか? わりと近かったですね。その割に少し時間かかったようですけど。はい、時間的に、いまちょっとピンチですよ。
はぁ、ここ? どれですか? あれ? ……ここから入れる?
でもそれって、猫ちゃん用のドアですよ。 俺そこから入れませんよ。
ほら入れって? いやいやいや、ですから、ほら。
「えっとですね、あぁ……、ご案内いただきまして真にありがとうございます。せっかくここへと連れてきていただいたわけなんですけれども……、えー、実のところですね、んー、そこからは、あーちょーっとですね、あのサイズ的に、んー、まぁ、その、んーですね、なんといいましょうかですね、かなり無理、っぽいんじゃないかなぁなんてですね、思う次第であったりとまぁ、するわけなんですよ。」
片腕ならなんとかなるかな。足はどうだろう無理かもしれないよ。
そもそも頭入らないしね。
『まじで?』(脳内補完)
「まじです。」
さっきまでの猫さまのドヤ顔が萎れてしまいました。
猫さまは腕組み? をして長考に入られるご様子。
実の所もうあまり時間無いんですけどね。ほぼほぼあきらめかけてますですよ。蝶を追いかけたのが痛かったなぁ。やっぱり途中で威嚇してたのは霊的な何かなのでしょうか。この辺いるんですかね?
……………………………
…(猫さま考え中)…
……(考え中)……
…(考え中)…
…(考)…
…………
……
《ピコーン!ヒラメイタ!》
猫さまの顔のドヤ顔復活のご様子。どこかの国の元総理大臣みたいな感じです。
トラストミーですか? 猫さまはタイヤ会社と関係ないので信じてあげますよ。
関係ないですよね? 銀行とも関係ないですよね?
無いようです。宇宙人でもないよね?
猫さま、足元を指さしてますね。あれ? 指? 猫って指させたっけ?
マンホールですか?
そのマンホールから入れる? ふむふむ、本当に? ほんとう?
さっき、信じるって決めちゃいましたから、やってみますけどね。
意外と重たいマンホールの蓋。日ごろの運動不足がこうゆうところで響いてきますね。帰ったら南米熱帯雨林でダンベル買いましょう。あとプロテインも買いましょう。そうしましょう。
マンホールの下は暗くてよくわかりません。
猫さまが先に入って下さるようです。
蓋は危ないから閉めとけですか。
わかりました。そうですね、了解です。
では、後に続いてみましょう。
猫さまはそのまま飛び降りてしまいましたが、俺は、はしご段を降りていくので時間がかかります。
ようやく足が地に着いたと思ったら、突然照明がつきました。
「ンギャー」
ゴメンナサイ。猫さまのシッポを踏んじゃいました。アイムソーリーです。総理じゃないですけど。
猫さまが涙目でしっぽをフーフーやってます。
「ゴメンナサイ。暗かったからね。良く見ずに足降ろしちゃった。」
猫さま、涙目ですが、許してくれました。
通路がビルの地下へとつながっています。
良かった。これでどうにか間に合いそうです。
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