第一話【邂逅】
どうもはじめまして。しのしろのしろと言います。普段はゲーム実況投稿とかもしているものです。今回グランクレストRPGのリプレイを執筆してみました。
詳しいルールを書き綴っていませんし、スキルの効果や世界観の説明もしていません。なんて不親切なリプレイなのでしょう。
ただその分、読みやすさを意識して書いたつもりです。まだグランクレストの世界を知らないけれど興味をもっていただいたりルールブックを買って一緒にセッションできたりなんかしたらうれしい限りです。
まえもって知識を得たい方は「TRPGとは?」「リプレイとは?」「グランクレストRPGとは?」なんかで検索して頂けるといいと思います。
では長くなりましたが、しのしろのしろのグランクレストの世界へようこそ(笑)
行くてには希望が満ちているようにローゼ・フィンの目には写った。太陽がてっぺんにぐんぐんと近づいているそんな時間のメインストリートは活気づいていた。
「安いよー、安いよー!」
アカデミアを卒業して直後の着任の指令だ。心は放っておいても踊る。呼び掛けをしている八百屋のおじさんも物珍しく見えてしまうくらいだ。
アローリバーと呼ばれる国の王子であるクレブスに仕えるのがローゼの使命だ。
一方で活気のある市場とは通りを挟んで反対側は厳かな空気が流れていた。おそらくは聖印協会だろう。中を覗いてみるとシスター達が祈りを捧げているのが見える。
しばらく歩くとメインストリートが終わり十字路に立たされた。真っ正面には大きな城がある。この国の君主アロウの居城だ。左手の通りの先は居住区があり、昼前ということもあり人影は少ない。反対は商業区だ。武器や防具が売られているのが窺える。ローゼは近い将来をここで過ごすことにときめいていた。
その商業区をドライ・エールは歩く。肉付きがよく傷の多さから歴戦を潜り抜けてきたことがうかがえる。ドライは傭兵だ。使い込まれた獲物である弓を背負った彼はこの国の出身である。そのため歩いていれば懐かしい顔にも出会う。
「お前ドライかっ!?」
そんな驚きと共に懐かしむ声があちこちから聞こえてきた。
ドライはしばらくこのまま居座るつもりだった。近くまで仕事できていたのと、仕事も途切れて休養にはちょうど良いと立ち寄ったまでだ。25歳の時以来20年ぶりの故郷はひたすら懐かしかった。
「老けたなお前!」
「お前もだろ!」
自然とそんな会話が飛び交う。
そんな和やかな会話の後ろをひとつの影が何気なく通る。シチリア・ツィトローネは辺りに気づかれることなくアローリヴァーのメインストリートを歩く。強きものを探す。それがシチリアの目的だった。アローリヴァーに来たのは君主の息子であるクレブスの勇猛な噂を聞きつけてのことだ。城を見上げてこれからの計画を練り始める。
そんな3人の邂逅を引き寄せるかのように「きゃぁぁぁぁ」と悲鳴が聞こえた。
「混沌が収束したぞ!?」
「王は!?王子は!?こんなときにどこにいるんだ!!」
街の住民たちは悲鳴の様な声をあげならがら逃げまどう。
ローゼ、ドライ、シチリアの3人は力を持つ者として駆け付けないわけにはいかなった。
居住区の中心には広場があり、そこにひとりの女性がなにかに襲われていた。
「デーモンナイト?」
だれともなくそんな呟きが聞こえる。ディアボロス界に属する上級悪魔である。とてもじゃないが普通の人間には対抗できない。あたりには人気はなくみな避難したようだ。
「そこの人たち!助けてください!!」
女性は3人に気がつくと助けを求める。
ローゼ:とりあえずなんか召喚!
火の玉状の精霊がデーモンナイトの頭のまわりを飛び回り注意を引いた。ローゼの召喚魔法でエーテル界から呼び出されたウィル・オー・ウィプスだ。デーモンナイトの視線がローゼをみる。あまりの迫力にローゼは少しだけ怯む。
GM:そしてその隙に女性はデーモンナイトから離れる。さっささささっ。ひぃい。
ローゼ:どういうこと?ひぃいって(笑)
GM:転んだ。ドジっ子だから(笑)
ドライ:弱い者は放っておけないので助けに入る。「お助けし申す」
シチリア:強くなりたいので倒します。助けるためじゃなく強くなるために。
GM:はい。では3人とも戦闘態勢に入ったのでバトルに入りましょう。ではセットアップです。
ドライ:《真紅の魔弓》を使ってMP4消費。
歴戦の戦士であるドライは自らの腕を矢で刺し血を弓へ垂らす。混沌を含んだ血は弓矢を体の一部とするのだ。それを見たデーモンナイトはドライに接敵する。
GM:ではデーモンナイトの行動から。対象はダイスで決めます。えーとドライに接敵。あっ、射撃キャラに接敵してしまった(笑)
ローゼ:くっつかれると射撃は大変。
GM:では命中判定。クリティカルです(笑)
ドライ:まあ、無理でしょうね。よけられない「ぐぇぇ」(笑)
GM:これは死んだかなぁ。<武器>の24!
ローゼ:軽減します。《サモン:オルトロス》で12軽減。
ドライ:防具修正が7。5点ダメージです。
GM:次はローゼ。
ローゼ:距離大丈夫。《ジャック・オー・ランタン》。《異界の瞳》と天運ひとつ使って(ダイスを振る)発動成功。
GM:あたりです。
ローゼ:ダメージは<炎熱>の34点!
GM:防御修正があるので20点。
ドライ:先は長い……
GM:ではシチリアですね。
シチリア:《瞬間影化》で《影から影へ》デーモンナイトに近づいて、偉業特技《無音の刃》!17。
GM:では回避判定。18で避け!
ローゼ:《サモン:インプ》!その達成値を2下げます。
シチリアの攻撃は音もなくデーモンナイトの死角から攻撃したはすだったが、デーモンナイトはその気配を察知し大きな両刃の剣でガードしようとする。それに一番早く反応したのはローゼだ。ディアボロス界から悪魔を召喚してデーモンナイトの顔のまわりを飛び回らせる。そこに生じた隙を狙ってシチリアの刃がデーモンナイトを切り裂いた。
シチリア:ダメージは45点!
ローゼ:おぉ。すげぇ。
GM:防御修正で29点ダメージです。では行動最後はドライ。
ドライ:マイナーでデーモンナイトから離れて天運ひとつ使って弓で攻撃(ダイスを振る)クリティカル!
GM:無理!あたり。
ドライ:ダメージは36の〈武器〉ダメージです。
GM:通ったダメージは17です。これでだいたい半分くらい。
これで全員の行動が終わりクリンナッププロセス、セットアッププロセスと続く。
ローゼ:《混沌操作》しますー。発動成功で混沌レベルをプラス1します。
GM:これで混沌レベルは4になります。ではデーモンナイトの攻撃。対象はダイスで(ダイスを振る)えっとまたドライ(笑)
ドライ:完全に狙われてる(笑)
ローゼ:シューターなのに(笑)
GM:だからじゃないかな(笑)……(ダイスを振る)命中は27
ドライ:(ダイスを振る)クリティカルでよけ!
GM:まじかぁ。
ローゼ:あんな攻撃よけた!?
シチリア:感動してます(笑)
ドライ:一度うけた攻撃は当たらぬ!
ローゼはこのイニシアティブタイミングで《魔素集積》ですっからかんになったMPを回復する。その後、《ジャック・オー・ランタン》で29点のダメージをデーモンナイトに与える。続いてシチリアの攻撃も天運をつぎ込んだ結果、命中するが硬い鎧に阻まれて大きなダメージが与えられない。しかし、《急所攻撃》により出血のBSを与える。
GM:バッドステータスは《状態復帰》でダメージを受けて回復するよ。さて残りはまだ結構ある。ドライの番だね。
ドライ:火矢を使いたいんだけど移動しないと攻撃できないから使えないんだよなぁ。
GM:すみません(笑)ダイス目が悪いんです。
ドライ:まずは当てないと話にならない(ダイスを振る)21。
GM:(ダイスを振る)あたりです。
しかしこの攻撃は鎧に阻まれてダメージが全く通らない。これで全員の行動が終了。
ローゼ:強い魔法はもう使えないけど魔素集積使います。
GM(突然襲われてた女性):がんばってねー。
ドライ:うっざ。
GM(引き続き襲われていた女性):おじさまかぁ。あんまり好みじゃないんだよなぁ(一同笑)
ドライ:小娘はだまっとれ!
GM:デーモンナイトの攻撃(ダイスを振る)
ローゼ:えっ?
GM:(ポーンをローゼの所へ)
ローゼ:きたかぁ
GM:では攻撃(ダイスを振る)おっ?低め。
ドライ:《妨げの一矢》を使います。達成値にさらにマイナス3。
ローゼ:《サモン:インプ》でさらにマイナス2。
ここまで使った結果。攻撃は……
GM:あたったね。
ローゼ:死んだぁ。防御修正を引いてちょうど0。瀕死状態です。
ドライ:チュートリアルで死にそうなんだけど!?
GM:まぁ。なんとかするよ。行動できないローゼを飛ばしてシチリア。
シチリア:移動して攻撃(ダイスを振る)
GM:避け。
避けてしまったことで一同に絶望ムードが漂う。
GM:次はドライ。これで決めないと厳しい。
ドライ:マイナーで火矢使って《神速照準》(ダイスを振る)。6が出たけど《混沌の運命》には天運が足りない!
GM(突然襲われていた女性):はあ。好みじゃないけど死なれるのもやだしねぇ。彼女はそう言って不思議な力で天運をドライに渡す。
彼女の謎に関してはPLたちと事前に決めてあるのだが、みなさまには後々公開されていくだろう。
ドライ:これでクリティカル!達成値は37!
GM:(ダイスを振る)あれ?クリティカルした?
一同:うそ!?
ドライ:でも大丈夫さすがに届いてない。あぶねっぇ
GM:35までいったね(笑)
ドライ:(ダイスを振る)27!
GM:それだとまだ死なない。
ドライ:やばい!
ドライは攻撃と同時に死を覚悟した。手ごたえが薄い。ともに闘う仲間はひとり倒れた。決死の攻撃も致命傷には至らない。そしたら待っているのは死だ。デーモンナイトがドライに向かって剣を振り上げる。ドライは覚悟を決めた。
しかし、ドライにそのときは訪れなかった。ドライの首のすぐ横を何かが通り過ぎデーモンナイトの脚に突き刺さる。それが致命傷だった。デーモンナイトは混沌核となる。
馬の軽快な足音が近づいてくる。ドライはその馬上にいる人物が誰なのか理解し同時に助かったことを実感した。アローリヴァー君主であるアロウ王その人に他ならなかった。
「ゴホッゴホッ」
アロウは病弱だと聞く。その影響か声はかすれていた。
「主らはこの国の危機から救ってくれたのか?」
64歳と聞いていたが体は衰えているように見えるがその眼光は鋭く君主としてまだまだ衰えぬ力を感じる。
「おや?おまえはドライだったか?」
20年も前のことなのに覚えてもらっていたことにただただ、感服する。
「はっ、覚えていただき光栄であります」
「ふむ。そこに倒れている小娘の治療が先だな」
ローゼは兵によって城の中へ連れて行かれる。
「ククリよ。出歩くなとあれほど言ったのにどうしてここにいるんだ?」
アロウは襲われていた女性に声をかける。
「えっ、だって出会いがぁ……城にいい男いないし」
言い訳がましいククリと呼ばれた女性の返答に内心穏やかではないが王の手前態度には出せない。
「まったく。オマエはあれほど外に出てはいけないと……おっとその前に君はだれかね?」
シチリアに向かって王は問う。シチリアは己の覚悟を率直に伝えた。
「私は強くなるために旅をしております。この国の王子であるクレブス殿が強き者と聞いてやってまいりました」
「はっ、はっ、はっ、はっ。そんなことをわしに直接言うとはお主なかなか骨があるようじゃのう。よかろう王子に取り次いでやろう。さて主らは客じゃ。わしがいない間に迷惑をかけたようだし城で歓迎するぞい」
これが3人とアローリヴァーとの邂逅の始まりだった。ドライ、ローゼ、シチリア。かれらの物語は動き出したのだ……
本家の戦記が祝アニメ化決定ですよ!
好きな世界なのでこれから盛り上がっていくことを期待してます。
いろいろと設定を残しているので今後明らかになっていけばいいなと思います。
チュートリアルなセッションをリプレイにしたので??な部分もあったかもしれませんが最後まで?読んで頂いてありがとうございました!