4.
車に乗って、いつもの車窓を見ながら、坂を上がっていくと、本当に会えた!
「ママ、停めて!」
「えっ?」
ママは路肩に車を停めた。
「ママ、ちょっと待ってて?」
私は窓を開け、
「拓海!」
と、叫んだ。
自転車に乗っていた拓海は声に気付くと、停まって振り返った。
「あ……。」
なんだか気まずそうに返事をされた。
「拓海、ライン、間違えて来てたよ!」
「あ、ごめん……。」
いつもと様子の違う拓海に、少し寂しさを感じた。
いつもなら、ちょっと俺様な感じだけど、もう少し明るい拓海だ。
学校じゃないから?
私達の後ろから、直矢が自転車で向かってきた。
「何、夏帆も呼んだの?」
「違うよっ! 行こうぜ?」
拓海はチラリと私を見ただけで、直矢を連れて走り去って行った。
「クラスの子?」
「うん。」
「今時は、下の名前で呼び捨てなの? お姉ちゃんの時は違かったなー。」
「皆、そう。お姉ちゃんの時とは、違うの。ジェネレーションギャップ。」
「あははー、3つしか違わないのにねー。」
ママは車を発進させながら、それ以上は聞かないでいた。
ラジオの流れる車内で、私だけ気まずい。
拓海と直矢のことはすぐ追い越し、エース電気へ着いた。
……拓海はさっき会ったところの近くに住んでるのかな?
もう、スマホケース選びに気が向かなくなっていた。
ママはシンプルなスマホケースを選んで、私は適当にキャラクターものを選んでママに渡した。
まだケースを変えていないスマホが震えた。
拓海からのラインだった。
『さっき、ごめん。今日、時間ある?』
と、あった。
私はもう今朝のようには浮かれてなかった。
また宿題のことかも、と思い、
『うん、暇してる』
と返信した。
それはすぐに既読になったけど、そのあとの返信は無かった。




