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24.
拓海もロープを掴むと、歯を食いしばったような表情で、地面に降りてきた。
私はそこで、ポロポロと涙をこぼしてしまった。
「拓海、もう帰りたいよ……。」
「そうだよな……ん? 泣いてるのか?」
拓海は困ったような顔になった。
私は涙が止まらず、そのまま下にしゃがんでしまった。
どうしてこんな目に遭うの?
今日……今って、拓海との初めてのデートのようなものじゃん。なのに、なんで……? 直矢は直矢で敵としてあらわれてくるし……。私達、帰れるの?
「なあ、夏帆。」
拓海もしゃがみ込んで、優しく言った。
「泣くなよ。泣きたいのは俺だって一緒だ。直矢がなんであんなになっちまったのか……。」
拓海の喉がコクリと鳴った。
私は手で涙を拭う。
「3人で必ず戻ろう、元の世界に。直矢、何か知ってるかもしれねーじゃん。隣の国からこっちの国へ来たくらいなんだからさ。」
ポンポンと頭を撫でられた。
「うん……泣いて、ごめん。」
「いいよ。夏帆の泣いてるの、初めて見た。」
「やだ。恥ずかしいな。」
私達は立ち上がると、顔を見合わせて、お城の中へ戻って行った。




