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20.
「そうだよな、なんでだろ……。」
拓海の視線は、直矢のいる部屋のほうへ向かった。
「直矢、ずっと変だよな……?」
「うん……。」
「直矢の様子、見に行こうぜ?」
私と拓海は頷き合うと、足音を忍ばせながら部屋を出た。
お城の中も暗かった。
月明かりを頼りに、私達は一歩一歩、歩いた。
拓海のお腹がグーッと鳴った。
「腹減ったなー。」
「私もー。」
思えば、何時間、何も食べてないだろう。不思議と喉は渇かない。なんでだろう……?
そんなことをヒソヒソ言い合いながら、直矢のいる部屋の前に着いた。
拓海は私を一瞥すると、思い切ったように扉を軽くノックした。
返事が無い。
もう一度、ノックした。
それでも返事は無かった。
「どうするかな……?」
その時、部屋の奥からドサリとした音が聞こえた。音はかなり大きかった。
「直矢!」
拓海は扉を開けた。
部屋の中には、誰もいなかった。
ベッドの横の大きな窓は、観音開きに開いていた。古いカーテンは風で揺れている。
私達は窓辺に向かった。
並んで、下を見下ろす。
「あっ!」
「あっ!」
私と拓海は同時に叫んだ。
誰かに後ろから突き落とされたのだった。




