表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/27

18.

薄れいく景色の中で、遠くに見えたもの、あれは……。



目が覚めた時、私は寝そべってるようだった。



体が痛い。



古びたベッドとテーブル、椅子、いくつかの調度品が見えた。



窓の外は夜のようで、月がスーパームーンのように大きかった。



蝋燭の燭台が見えて、ゆらゆら光ってる。



拓海と目が合った。



「大丈夫か?」



拓海の心配そうな眼差しに、胸がドキンと鳴った。



「う、うん……。私、どうしたの?」



どうやら、拓海が通路から飛び降りた時、気を失ったようだった。



拓海はあのあと、ドラゴンの胸に剣を刺すと、ドラゴンは息絶え、倒れたドラゴンの体の上に落下したようだった。



「3階から落ちたって、骨折るくらいだよ、大丈夫。」



「折ったの!?」



「折ってない。全然、どこも何ともない。」



拓海は、もうその話はいいから、といった顔つきになって目を逸らした。



拓海ってこんなに大人びていたかな……。



「それより、体、本当に大丈夫なのか?」



私に視線を戻した拓海は、熱い眼差しで聞いてきた。



胸のドキドキが止まらない。



「う、うん、私も大丈夫みたい……。」



「痛いところとか、ないの?」



「うん、大丈夫……。」



拓海はホッと息を吐き出した。



「やっぱり女の子なんだな……。」



そっと呟く拓海の黒い眼差しは、とても煌めいていて、それでいて温かく優しいものだった。



「直矢は?」



「あいつは隣の部屋で休んでる。一人にしておいてほしい、て。何かあったら呼べよ、とは言っておいたけど……。」



「うん……。」



月が向かって右に少しずつ動き始めた。それにつられて、拓海の顔も今までより明るく見えた。



「ごめんな、こんなことになって……。」



「拓海が謝ることじゃないよ。」



「うん、でも……。」



そこで私達は言葉が途切れた。



二人だけで一つ屋根の下に、いつまでもいたかった。



でも恥ずかしい。



拓海はどうするつもりなのだろう。



拓海が何を考えてるか知りたくて、拓海の目を覗き込んだ。



「何だよ、可愛い顔で見るなよ。」



照れたように、明るく笑いながら拓海は言った。



……ああ、いつもの感じの拓海だ。



私はホッとした。



さっき、急に大人びたような顔を見せた拓海を見てドキッとした。



今は、いつもの拓海の笑顔を見て、ドキッとして……ん? 



……可愛い顔……。



そ、そ、そんな私、自分の顔に自信なんてない。



「……可愛くないよ。」



「可愛いよ。」



「……可愛くない。」



「だから、可愛いって!」



私達はちょっとじゃれ合うように言葉をかわした。



このあと、どうしよう……。



「あのさ……。」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ