三月
満開でも枝の見える余地があるところ
梅の花のピンク色が桜よりもしんみりとして見えるのは
この隙間が理由だろうか
桜は儚いものだが、同時に華やかで。
新しいもの…入学式とか、そういうものを表すことが多いから
なんとなくめでたい
梅は…?
綺麗だし花見だってする
でも、去り行く季節に咲くから
少し寂しい気がする
梅の花の隙間には、哀しみと不安と、
そして春への期待もつめこまれて
花の入る余地はない
頬を流れる涙は、
決して悲しさではなく
思い出に浸り、これまで培ってきたものを思うと
自然にこみあげてくる、感激の涙だ
泣きながら溢す笑みは
涙を流せるほどの出来事や仲間と出会えたこと、
新たな春への高揚感から生まれるものだ
別れと始まりの季節は毎年巡り
旅立ちを祝う声はいつまでも木霊する
泣いても良い。
最後は笑おう。
見送る人は笑顔を見たいと思うのだから。
いってらっしゃい。