プロローグ
ある日愽憐神社に双子の姉妹が生まれた。
姉を愽憐 凛々夢、妹を愽憐 想夢といった。
想夢は母親や周りの人達に可愛がられよりすくすくと育っていった。
しかし凛々夢はそうではなっかた。
霊力もうまく使えず、妖怪以前に小さな生き物すら退治出来ない凛々夢は妹と比較されて育った。
凛々夢は何としてでも皆を見返してやろうと毎日死ぬほど努力をして、ある日一枚の霊符が出来た。
その霊符はあまりに強力でこの村すらも崩壊する恐れがあった。
その結果母親の反対も無視して凛々夢は洞窟に封印された。
しかし、姉妹が十五歳のとき問題がおきた。
「お姉ちゃん、もう大丈夫だよ。」
想夢が封印を解いたのだ。
「もうこんな暗い所にいる必要はないよ。」
その時急に凛々夢は想夢の首を掴み締め付けた。
「え、お姉ちゃんどうしたの。」
「あなたさえ…」
「え?」
「あなたがさえ居なければ私はこんなことにはならなかった。全部あなたのせいよ想夢。」
「ごめんなさい。」
すると凛々夢は想夢の首から手を離した。
「どこ行くのお姉ちゃん。」
「この村から出ていく。」
「そんな嫌だよ。私が皆を説得するからさ、一緒いよ。」
「この村に私は必要ない。違う。私にこの村も母親も妹もみんな必要ない。」
その後姉妹の間にできた亀裂が治ることはなかった。
村の出口に続く小道
小道を歩く凛々夢を一人の少年呼び止めた。
「待ちなよ。本当にこの村を出ていくつもり。」
凛々夢は立ち止まり少年を睨んだ。
「なによ。貴方には関係ないでしょ双葉。それとも止めに来たの。」
すると双葉と呼ばれた少年は少し困った顔した。
「別に止めに来たわけではないよ。ただこれだけは忠告しておくよ。僕が教えたその力は無闇に使わない方が良いよ。悪い虫が依ってくるからね。」
「余計なお世話よ。」
そう言うと凛々夢はまた歩き出した。
その後凛々夢が見えなくなってから双葉は一人微笑んだ。
「そろそろだ。それまで待っててね捺。」
その後凛々夢がこの村を破壊するのではと、多くの人が考えたが、凛々夢を見たものは誰もおらず、村に凛々夢が現れることは二度となかった。
二十年後
羅刹高校
「今日この学校に転校してきた戌亥 匠です。よろしくお願いします。」
「君の席はあの子の隣だ。」
匠が席は着くと早速隣の女子が話しかけてきた。
「匠君これからよろしくね。あ、そういえば自己紹介まだだったね。
わたし愽憐 零夢。よろしくね。」
匠はまだこの時零夢の正体など知らなかった。
注意 この小説は更新速度が著しくおそいです。