六匹眼▼「火曜日は始まりの終わり」
六匹眼▼ 「火曜日は始まりの終わり」
3 魔訪は存在する。まるで、お伽噺を嘲笑うかのように。君の隣でひっそりと息を潜めている。
4 魔女は、ウィッチテラーにて虎視眈々と君の到着を待ち構えている。
▼ Ω ▼ Ω ▼ Ω ▼ Ω ▼ Ω ▼
白い部屋。
白い壁。
白い机。
白い椅子。
統一された、純白の空間。
画一された、虚無の空間。
支配された、魔女の空間。
▼「おっとっとっと? これはこれは、また珍しいお客さんだぁ。招かれざる珍客ってやつかな」
「……… うぅ、にゃ」
▼「いっヒヒヒヒ。駄目だよぉ? 絶対駄目さ。こればっかりはね」
「……… ぅ」
▼「そうそう。番外である君、ジョーカーである君の出番はまだまだ先さ。幾ら君でも順番は守ってもらわないとね?」
「……… ぁ、う」
▼「さてさて。あんまりここに長居させていてもよろしくないし。意識も無いし。まだここに来る資格も無い。名残惜しいけど、君には強制退去してもらおうかな」
「………」
▼「やれやれ、これは幸せになるための手段。何度謝ったって、もう止められない。誰にもね。それに、遅かれ早かれ君の出番も必ず廻って来るんだ。焦る事は無いよ」
「……… にゃ、ぁ」
▼「特等席は確保してあるんだ。それまでは、好きなだけ《魔眼》探しでも果てなき自問自答でも、こっ恥ずかしい自分探しでも何でもやっていればいい。気が済むまでね。ふふっ。それじゃ、また会いましょう? 可愛い可愛い子猫ちゃん」
END