五匹眼▼「猫も歩けば亡に当たる」
五匹眼▼ 「猫も歩けば亡に当たる」
「うぅううううーーーにゃあああああ」
超良い天気。
ってかね、太陽さん。こっちは久しぶりな外出なわけですよ? そこはもう少し、空気とか、空気とか空気とか。あと、空気とか。そーゆーの読んだほうがいいんじゃねーのかにゃ? 常考。
「あー、にゃんかさぁ。槍とか飴玉とかカエルとか魚とか隕石とか、降ればいいのに」
あたしみたいな可憐で華麗な可愛い少女が、ただ単にお外を歩いている。そりゃーね、そんなの何かが起こるに決まってるヨ。コーラを飲んだらゲップよりむしろ鼻からコーラが逆噴射するくらい確実なわけですヨ。常考。ファフロツキーズ現象の一つや二つ、降ってきたって可笑しくはないわけですヨ。
閑話休題。
で、だ。
うん。
その、さ。うん。にゃんて言うか…… ぶっちゃけ、《魔女》ってどこにいんの?
妹ちゃんの手前、ちょっち『』つけてあんなセリフ吐いちまったけど。正直検討もつかないぜぃ。てへ♪
「まぁ、いっか。ぶらぶら適当に歩いてれば成る様になるよねー。《猫も歩けば望に当たる》って言うし」
そんなこんなで、あたしと妹ちゃんとの愛の巣から徒歩30分。
大きな交差点に差し掛かった頃。
相も変わらず、どーして街中ってこんにゃに人がいっぱいいるんだろう。見渡す限り人人人。しかもみーんな、三つ目で三色の機械様の顔色をご機嫌伺いなんかしちまってさぁ。何だか笑っちまうよね。まー、無視したら無視したでそれこそ笑えない事になっちゃうんだけさー。
なんてのたまううちに、恥ずかしがり屋の赤面症がイメチェン完了。ふいんき(←何故か変換ry イケメンの爽やかグリーンに。
長いものには巻かれましょう。そうしましょう。ということで、行雲流水。
うん。
正にその瞬間の話。
『どぐちゃびぇちゃべぐちょば★』
あたしの目の前。丁度1メートルくらい先。何かね、落ちて来た。空から。人形かな? うん。何だろう、紅い。あたしに、飛び散った。なんか。うーん、ギャラリーが五月蝿くて思考が良くまわらにゃい。 … 血? 人? 上、ってか空から?
… やべーよ、コレ。
やばい。何がやばいって。何がやばいのか分からない位にはやばいし、実際何がやばいのか分からないからやばい。もうやばいという言葉じゃ言い表せないレベルでやばいし、やばいって言葉の意味がわからないくらいにはやばい。紅いし赤いし、朱くてやばい。辺り一面お花畑でやばい。いやいやいや、むしろあたしの頭ン中がお花畑でやばい。随分とアレでアレなお花が咲きまくっちゃってやばい。やばいやばい言いすぎてゲシュタルト崩壊してるし、ビルト・イン・スタビライザーって言葉の響きが素敵にやばいし、そもそも何が一番やばいかって、最初の一言がやばいじゃなくて、やべーよコレってのがまずやばい。やばいやばい言っておきながら何がやばいのかを煙に巻くくらいやばい。むしろやばいというよりYABAI。矢が倍。1本でも折れないのに2本で折れるはずが無い。つまり、まず1本すら折れないのが既にやばい。むしろ3本なんてやばすぎる。つまるところ、プラグマティズムとは現実可能な手段を用いてどこまでも真理を追究する作法思想の一つであり、人間記号論とも密接な関係にあるというのがやばい。真理と信念、真実の境目を見誤るくらいにはやばい。視得ているようでいて、その実何も視ていないに等しいくらいにはやばい。ああやばいやばい。言いようがなくやばい。訳も無くやばい。ご冗談でしょう、ファインマンさん。量子力学を使える≠量子力学を理解しているってくらいやばい。やんだばだばやんだばだば。なんてこった。やばいの群れがきたぞー。やんだばだばやんだばだば。やばい。このまま順調にやばいが増え続けたら、この世界はやばいで満ちてしまう。溢れてしまう。侵食されてしまう。しかし成る程、こうやって冷静になって考えてみると確かにやばい。やばいが増えるに比例してその分世界は這うような速度で無間に変異しつつあるのがやばい。虚構も虚空も虚言もやばい。つまり、世界がやばい。やばいのせいで世界がやばい。宇宙もやばい。ってか宇宙ヤバイ。
キープアウト ベイルアウト ブラックアウト はい、スリーアウト。
おやすみなさい。あたしの意識ちゃん。
END