表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

三匹眼▼「月曜日はこの世の終わり sideA」

三匹眼▼「月曜日はこの世の終わり sideA」



1 魔女▼は魔訪を遣う。戯れに人間の女を魅了し、その力《魔訪》を与える。

2 魔訪は、魔法じゃない。万能とは程遠いし、便利でもない。勿論、夢も希望も詰まっていない。

3 魔訪遣いは、魔法使いじゃない。それはきっと、使うというより遣われているからだ。




           ▼ Ω ▼ Ω ▼ Ω ▼ Ω ▼ Ω ▼



 白い部屋。

 白い壁。

 白い机。

 白い椅子。


 統一された、純白の空間。

 画一された、虚無の空間。

 支配された、魔女の空間。




▼「やぁやぁ、ようこそようこそ。さぁ、そんなことろにつっ立ってないで座ってよ。こっちこっち」

「… あの、私」


▼「大丈夫大丈夫、分かってるって。ほら、座ってよ。こっちは君が来るのをずっと待ってたんだからさ。ね?」

「でも、その」


▼「ん? んん? 不安? 大丈夫だって、そんなに緊張しないでよ。うん。それでさ、早速だけどね、今からね、君を面接するからさ。こっちの質問に正直に答えてね?」

「めん、せつ?」


▼「そうそう、面接。極々簡単な面接だよぉ。んじゃ、時間も勿体無いし、早速最初の質問ね。まずは、そうだね、君の名前を教えてよ」

「名前。私の、名前は… 風見鶏緑」


▼「おっ。いい名前じゃん。もっと自信持とうよ。ちなみにお幾つかな? 女性に年齢を尋ねるってのも無粋だけどさぁ、そこは勘弁してね」

「17歳。高校生、です」


▼「若いなぁ。羨ましいよぉ、わりとマジで。やっぱさー、歳は取りたくないよねぇ。歳なんてさ、重ねていったところで何一つ良いことなんてないもん、わりとマジで。っと、話しが逸れちった。それで、ミドリちゃん」

「はい」


▼「君さ、どうしてここに来ちゃったか、分かるよね?」

「…」


▼「ごめんごめん。今のはちょっと語弊があったねぇ。別にさ、ここは天国でも地獄でもないし、君が実は既に死んでる、なーんてことも勿論無い。ここはただの白い空間。白い部屋さ。この意味、分かるよね?」

「あの、は、はい」


▼「オッケーオッケー。こっちとしてもさ、面接なんて偉そうに言ってるけど、要するに重要なのはそこだからね。ま、君は久しぶりのお客さんだし。あんまり堅苦しい話はしたくないんだよねぇ。こっちとしてもさ。だから、一先ずはこんなところかなぁ。で、どう? 少しは緊張解れた?」

「その、はい。少しは」


▼「良かった良かった。それじゃ、最後の質問ね? 君は 《魔訪遣い》 になったら何をしたいのかな?」

「私は…… 空を、飛びたい。つばさが、翼が欲しい」


▼「ブフッ、ぃヒヒヒひひひhihihihHIHIHIッヒヒヒっ。いいねー、空を飛ぶ? 飛んじゃうの? それ、最高だよ。純粋にして究極だもん。人類の夢だもん、空を飛ぶってのはね。わりとマジでさ」

「…」


▼「よーし、よし。オッケー。合格だ。ミドリちゃん、合格。ぱちぱちぱちぱち」

「本当、ですか?」


▼「本当本当。マジだよ。飛んじゃおっか。大空って奴をさ。次、目を醒ましたら、君は正真正銘の魔訪遣いになってる。これは、もう決定事項さ」

「私が、魔訪遣い…」


▼「さぁ、魔訪遣い風見鶏緑。君の本当の姿ってやつを魅せてちょーだいな」



sideBへ



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ