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竜の翼

またもや体調不良。よって少なめ。

 魔法陣は魔力を使って魔術以上に様々な事を行うために利用される。自身の魔力を空中や地面等にチョークの様にして決められた魔法陣を描くと、それこそ紋章の能力みたいな事ができるのだ。それを魔法と呼ぶ。

 例えば契約の魔法陣を魔力を持つ動物、魔獣に描くとその魔獣と契約を結ぶ事ができ、召喚の魔法陣を使えば契約を結んだ魔獣を呼び出す事ができる。その他にも結界魔法や封印魔法など様々あるが、ほとんどが騎士向けの魔法しか存在していない。

また、太古に研究された魔法陣をそのまま流用しており、その魔法陣の原理が不明なままなため新たに魔法陣を開発する事は難攻している。当然新たに魔法の種類も増えていない。


 魔術具はあらかじめ魔方陣が描かれ、魔力を籠める事で瞬時に魔法を使う事の出来る道具である。

 本来、魔方陣は魔力で描く物なのだが、魔術具には魔力の通りやすい植物から採取した色素を使って魔方陣が描かれているため、厳密に言えば生粋の魔方陣は使われていない。

 現在、古い文献の消失により、魔方陣の習得が困難になってきたため魔法を使う者は減少しており、ほとんどの騎士は魔術具を買う用にしている。


ーーーーーー


 封印魔法は絶対ではない。永遠に封印することは不可能だし、封印する生物は魔力を持っていないと封印できない。しかも、生物を封印した場合、少しだけ魔力などが漏れだしてしまうのだ。


 ホワイトは、自身を封印の器としてドラゴンを封印している。アムルとアクアは以前そうホワイトが語っていた事を思い出した。


 人間が魔獣を自身の身体に封印した場合、完全に封印することはできない。約百年で封印は解けてしまうし、常に少量の魔獣の魔力が漏れだしてしまうのだ。

 だが、騎士の中にはごく稀に、敢えて封印する者もいる。ホワイトもその一人だ。


 その者達は封印した魔獣の身体的特徴を再現することができ、魔力も利用できる。ホワイトの翼もそれだ。


 ならアクアは何だろう。自称神様は死んだと言っていたし、アムルの意思ではアクアの力を利用できない。あくまでもアクアの意思により力を貸してくれているのだ。よく分からない。


「なあアクア、ホワイトさんの中にいる魔獣ってさ、意思があると思うか?」

「急にどしたの? うーん難しいけどな……。わたしは魔力と魂は別物だと考えてるし、魂ごと封印されてたらないと思うよ。第一、封印してるって事は身体にいるのは契約を結んだ魔獣なんだし、例え意思があったとしてもそれが悪い方には行かないだろうからそんなに深く考えなくていいんじゃないかな」

「……契約結んでないと封印できないのか。知らなかった」

「そりゃそうだよ! だって、そうじゃなきゃ封印なんてできないじゃん。君はやったことないかもしれないけど、封印って時間すっっごい掛かるんだよ! 魔獣がおとなしくしてないって」

「アクアは何か封印したことあるのか?」

「いや、ないよ」

「……そっか」

「なにか?」

「いや、別に。それより、そろそろ一時間後だろ?」

「はい今露骨に話題そらしたー。何です? やったことないのによく話すなーって事ですか? いいでしょ、博識なんだから」

「いや、なにもそこまで思ってないです……」

「ふーん、なるほどねぇー? あ、ホワイトさんだ」


 アクアは空を見上げてそう言うと、翼を広げながらホワイトが降りてきた。なんというか、少し疲れた感じがしている。


「待たせたね……。それじゃあ修行を再開しようか。ここからは延々と私と試合をしてもらうから覚悟してね」

「はい! ……あのホワイトさん、何か疲れてませんか? その、大丈夫ですか?」

「うん、まぁ……色々ね。対したことじゃないから気にせず始めようか」

「わ、かりました……」


 少し釈然としないアムルをよそに、ホワイトは斬りかかってきた。それを躱し、剣を抜くと今度はこちらから攻めていった。


ーーーーーー


 そんなこんなで修行ばかりしていると、気付けば出発の日がやってきた。

 この三日間、アムルはほとんど誰とも話さなかった。話し相手はアクアのホワイトだけ。村人もアムルに話しかけようとしなかった。それだけ部外者を嫌う環境と人々なのだ。何故かは知らない。


「さて、用意はできた?」

「今終わりました。こんな朝早くから出発なんて、前もって教えといてくださいよ」

「ごめんごめん、もう当日の朝に連絡はしないよ。次からは前日に伝えるから」

「そういう問題じゃないです。……まぁいいですけど」

「あれあれアムルくんや。次からって言葉が嬉しかったのかなー? そうだよね、うんうん。試験が始まったらほとんど会えなくなっちゃうもんね。でも安心して! 君の相棒ならいつでも横にいるから!」

「……早く出発しましょう。このままここにいたら力尽きそうです」

「ふふっ。そうだね。じゃあ村長に挨拶してから出ようか」


 アクアを引っ込めて二つの影が村を歩いていると、村長宅前に村長がいた。


「お早いですね、村長。今から出発するのでご挨拶に向かいました」

「そうか……。本当に行くんだな?」

「ええ、申し訳ないですが決めた事ですので」

「ならもう帰ってくるな。それからアムル」


 急に話を振られてアムルは驚きながらも口を開いた。


「なんでしょう」

「お前、記憶は戻ったのか?」

半分くらい解説ってま?

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