彼が料理人を目指すまで。
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アルファ&アルファという新作VRMMOがあった
そんな話題の新作ゲームに、僕はあまり興味がなかった。
引っ越しで忙しかったからだ。
まあ結局友人に誘われてやる事になるのだが。
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《スキルを10種類選択して下さい》
(選択中)
数分後。
スキルを選択し終えたので、ログインボタンを押す
選択内容は、
【短剣の心得】【料理】【初級付与魔法】
【素早さ微上昇】【調薬】【筋力微上昇】
【回避】【隠密】【採掘】【投擲】
さて、ここでアルファ&アルファについて話そう。
普通のVRゲームと違うところは、1つだけ。
それは、【アーツの昇格】というものだ。
例えば《スラッシュ》という斬撃のアーツを使い続けると、
【スラッシュ】というスキルに昇格する。
スキルに昇格すると、熟練度を上げる事でステータスが上がるが、
スキル枠を使用してしまうのでメリットとデメリットがある。
と、友人から受けた説明を思い出していると、
目の前が眩しくなり、目を閉じた。
目を開けると、始まりの街に立っていた
友人の悠介は、大剣使いで、あと2人ほど悠介の知り合いがパーティーに参加する予定だ。
突然、ポーンという音がなった。
メールだ。
内容は、『噴水の近くの教会前に居るぜ!』
だった。
教会前に向かうと、そこに居たのは。
鉛色の鎧と兜を被った片手斧の盾使い
the魔法使いといった服装の魔法使い
それから、大剣を背負った悠介だった。
『やほ!』
『よろしくです。』
『よろ。』
パーティーチャットに入力される文字を見て、
『やほ!こちらこそよろしくです!』
と入力した。
名前は、
盾使いがゼルド
魔法使いがアール
悠介がアルベルト
だった。
ちなみに僕はアルマ。
狩場に向かうか!と元気いっぱいのゼルド。
ゼルドを先頭に、目的地へと向かう。
向かう先は、初心者の森。
初心者の森にごく稀に出現する
『クリティカルラビット』がごく稀に落とす『会心の包丁』はかなりの高性能武器らしい。
その性能は、
通常ダメージが1固定になるが、クリ率+99%
というもの。
通常ダメージとはクリティカルじゃない
ダメージで、
クリ率とはクリティカル率の事だ。
そして、全プレイヤーの基礎クリ率は、5%だ。
つまり、クリティカル耐性持ちのボス以外は
確定クリティカル。
確かに強武器だ。
森に到着する。
目の前にはクリティカルラビット。
レアモンスターだ!!!
即座に初期装備の短剣を抜き、構える。
その直後。ガキィンという金属音が鳴り響いた
おそろしく速い?
そこまで速くはないか?
いや、やはりおそろしく速い!
否、これは、洗練された動きだ。
急所を的確に狙う、弱者の一撃。
非力な兎だからこそ、
敵に反撃をさせてはいけない。
【回避】スキルが無かったら、
一撃で死に戻っていた!
もう一度、短剣を構える。
クリティカルラビット(通称クリラビ)は、
足に稲妻を纏い、跳躍した。
来る!と思ったが、未だに攻撃は来ない。
…クリラビが居ない??
よく見てみると
木を蹴り、更に近くの木を蹴る。
それを繰り返して、縦横無尽に木々の間を跳び回っていた。
十分に加速したクリラビは、
その速度を利用し、首を狙った一閃を繰り出す
それに対して、僕は自分の首の少し横に短剣を固定する。
僕を狙った一閃を繰り出したクリラビは、
僕の置いた刃に自ら突っ込みその命を散らした
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《戦闘終了!》
ドロップアイテム
会心の包丁…2つ
【稲妻纏い】のスキルブック…1つ
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パーティーメンバーで相談した結果、
僕1人で戦ったからドロップアイテムは
僕が貰って良いことになった。
武器性能の違いは、こう。
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初期装備の短剣 攻撃力3
分類 装備アイテム
品質 並
レア 通常
慣れ 2%
効果 2本装備できる
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これが、こうなる。
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会心の包丁 攻撃力45
分類 装備アイテム、生産道具・料理
品質 最高
レア 伝説
慣れ 0%
効果 2本装備できる
クリ率+99%
通常ダメージ1固定
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強い。ただその一言に尽きる。
この強武器を2本装備出来るのだから、
単純計算で、攻撃力90だ。
これなら初心者の森の敵くらいは軽く倒せるだろう。
ーーーー数分後。
調子に乗っていた僕は、始まりの街に居た。
死に戻りだ。
《慣れ》というパラメータが0%だからなのか
クリティカルが中々発生しない。
そのせいで1ダメージしか与えられない。
結果、最弱モンスターのツノウサギに負けた。
困ったな。
会心の包丁を売って新しい武器を買うか?
そう思い、
相場を知るためにアイテム欄を見た時だった。
会心の包丁の分類に気がついたのは。
そう、そこにはこう書かれていた。
『分類 装備アイテム、生産道具・料理』と。
…料理スキルを僕は持っている。
もしかして、料理で会心の包丁を使えば、
慣れのパラメータが上昇するのでは?
試しに実践してみた。
1時間後。
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【料理】の通常アーツを覚えました!
《着火》《包丁研ぎ》《包丁さばき》
武器の包丁でモンスター料理を作りました!
特殊アーツが発生します!
《解体》
これ以降、【料理】の新規アーツは覚えません
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料理をやり込んだ結果、様々なアーツを覚え、
慣れのパラメータは13%になった。
僕が料理をしている間に、
ゼルド達はログアウトしたので今はソロ状態だ
…アーツの昇格でも目指すか。
更に1時間後。
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スキルへの特殊昇格が発生しました。
《着火》→【火魔法(弱火)】
《包丁研ぎ》→【耐久値回復】
《包丁捌き》→【短剣の扱い】
《解体》 →【食材の心得】
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ん?【火魔法(弱火)】??
魔法スキルは【◯級◯魔法】の様になるはずだ
【火魔法(弱火)】には、級が無い。
まあ、そういう仕様なのかもしれない。
これは後回しだな。
【耐久値回復】は、文字通りだな。
【短剣の扱い】は、筋力の値以外にも
素早さと器用さで短剣装備時の攻撃力が上がるというものだ。
【食材の心得】は、
モンスターの弱点部位に青と赤のマーカーが
表示され、赤、青どちらかのタイミングで攻撃すると、与ダメージが熟練度に依存して上昇。
赤と青が重なるタイミングで攻撃すると、
ダメージが更に上昇する。
そして、【火魔法(弱火)】のスキルを
確認したら、僕にピッタリの魔法だという事が判明した。
効果は2つ。
1、威力が
【魔法力+《(素早さ+器用さ)/2》】
で計算される。
2、詠唱時間は素早さと器用さの値に依存して
短縮される。詠唱短縮スキルの効果と重複する
簡単に言うと、魔法力に、素早さと器用さを足して2で割った数値を足したものに熟練度や
魔法の倍率が計算されてダメージが算出される
ちなみに、【火魔法(弱火)】で
最初から使える魔法は、
【ホット】と【ヒート】だった。
さて、ゼルドたちがログインしてきたので、
そろそろ狩りへ行こうか!
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オマケの解説コーナー
・ヘルプの内容:【ステータスについて】
ステータスは存在するが、
細かい数値は無く、ゲージの色で判断する。
白→赤→青→黄→緑→紫→黒の順番
で変化していく。白が初期値で黒が最高値
黒まで行くと、マスターを意味する《M》のマークが表示され、2本目のゲージが現れる
そして白から再スタートする。
2本目をマスターすると、
それ以降は(+α)で表示される。
このゲージの色は、スキルも共通。
スキルの場合は、黒に到達すると、進化する。
例:筋力特化のプレイヤーの場合)
筋力値:黒《M》(+黒《M》+α)
体力値:緑
素早さ:赤
器用さ:青
魔法力:白
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