トワイライト
なんとか、学校から帰れた。
さてと近所のスーパーで夕飯の買い出しをしよう。夕飯は、俺が作っている。
ほとんどは、カレーだ。
そして今夜もカレーだ。
スーパーには幸いクラスメイトはいなかった。
分からないようにマスクをつけていた。
でも、マスクしているのに、周りの奥さん達の熱い視線が感じる。
美少年は、マスクしても目立つんだなぁと思った。
カレーの材料を買ってスーパーの裏手にママチャリンコを止めていた。
荷物をチャリのバケットに入れたところ後ろから声がした。
「お兄ちゃん」
振り向くとランドセルを背負った男の子がいた。
「お姉ちゃん、連れて行かれた。助けて」
と言われた。
これは一大事だと、お巡りさんだよなぁ。
「悪いけどここ始めてきた場所で、交番は、どこかなぁ。とにかく、警察に通報するから」とそう答えた。
いきなり男の子は、スマホを横取りした。
それから。
「お巡りさんだとお姉ちゃん、助からないよ」となんだか真剣な眼差しだ。
変な話だが直感的にこの子は嘘はついてないことがよく分かる。
「では、お姉ちゃんが拐われた場所まで案内してくれる」
「ありがとう。お兄ちゃん」
拐われた場所は、近くの公園の水飲み場だ。
辺りを見回しても誰もいなかった。
「どんな奴に拐われたの?」
男の子は、「黒ずくめの男。フードみたいなのを被ってマントみたいにヒラヒラして。悪い奴の格好で。」
思わず固まってしまった。
コスプレかなぁ?
「顔は?」
「何も描いてない白いお面被っていて分かんない」
手がかりはゼロだ。
やはり警察しかないかなぁと思った刹那。
女の子の髪飾りが足元にあった。
アレ、こんな所に落ちていたっけ?
すぐさま、拾いあげた。
そうすると、変な光景が見えた。
アスファルトに描かれた赤い魔法陣。
高架下に、河川敷かなぁ、
川が干上がっている。
エコ エコ〜 アザ◯ク〜と低い声がした。
エコ エコー ザメ◯ク〜
エコって省エネじゃないよなぁ。
やはり、ヤバい方のエコだ。
「お兄ちゃん、大丈夫」
男の子は、不思議そうにみた。
しっかりしなければ大切な誰かが失われるのは辛い経験だ。まだ、失われる前に救出あるのみ。
こういう時こそアレだ。
「スマホを返してくれる。調べたいところがあるんだ」
男の子は素直にスマホを返してくれた。
河川敷といえばリアルタイムのカメラ。
ライブカメラがあったよなぁ。
親がゼネコン関係で良かったと思った。