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気づいたら悪の帝国に引っ越していました。  作者: 楽々天馬
引っ越したら一万年前の世界と繋がっていた
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紅葉ヶ丘

紅葉ヶもみじがおか

幸市にある町名だ。

幸市にはいくつかの町がある。

主だった町は

緑町みどりちょう

多磨町たまちょう

白糸台しらいとだい

深町しんまち

天神町てんじんちょう

是政これまさ

紅葉ヶもみじがおか

etc


紅葉ヶ丘は、文字通り、秋になると紅葉が美しく見える場所でもあった。

ここにはオープンエアに喫茶店があった。オープンエアとは、野外や露店のこと。

喫茶店もあれば、イタリアンレストラン、フレンチと。店の外にテーブルと椅子があって、日差し避けのテントみたいな屋根があって、

テーブルや椅子のデザインもヨーロッパで見かけるどっしりとした木製の背もたれと脚は黒のアイアンの椅子。

テーブルは、黒のアイアンにテーブル面は色とりどりのタイルが貼られて綺麗だ。

細長い花壇には季節の植物とライトがあって夜になるとれてロマンチックである。

お洒落なカフェで3人は集まった。

そして、そらが鈴を鳴らし始めた。

そうすると数十人ほどの人間が集まる。

老若男女。

「ソラじゃないか?」

と木原という知り合いらしい大学生ぐらいの男子が現れた。青いチェックのシャツにジーンズ。

筋肉質の肩幅が広くいかにも何か格闘技をやっているような体格だった。

「木原さん、良かった。実は、この鈴の持ち主を探してるんです」とそらは応えた。

「鈴。どれ?」

とみんなで鈴を回して見ていると。

「息子のたかしの物です。コレをどこで見つけたんですか?」

と水野という母親が名乗り出た。

「映画館のトイレ」と薫ちゃんは応えた。

「息子は、どこに?」

なんでも行方不明で4日も経っているのだが警察に連絡しても家出扱いでろくに捜査をしてくれなかったと教えてくれた。

「今の段階ではなんとも言えないの?誰かたかし君と友達は、いない」

と少女声を張り上げた。

「僕です。葉山はやまといいます。大学一年です。水野と映画館でホラー映画を見終わった後、急にいなくなっちゃって、帰ったと思ったんです」

「警察が役に立たないのなら、探偵である私がこの事件を解決するから。みんな、今は大人しくしていて。公安が動いたらたかし君がそれこそどうなるか分かんないから。分かったね」と、凄んでそれこそ話が終わるとその場を立ち去って行く。

歩いている少女の後を少年は、ただ、ぼんやりと着いていくしかなかった。

が。

「誰か、大人に相談しようよ」

彰人あきとはそう言った。

「あなた、誤解してるけど。私、あなたより10000年ほど年上なの!」

えっ、10000年ほど。

「意味分かんないよ」

そうだ。意味が分かんないよ。

「嘘ついてないこと分かるはず。だってあなたも私と同じ麒麟なんだから」

と寂しそうにそう言ってスタスタと早々に歩いて行ってしまった。

なんなんだ。10000年って。

呆然としている俺にそらは、肩を優しく手で触れた。

「ソラ、知ってるんだろう?この街は、いったい。住民もみんな変だよ」

そうだ。

気づいていた。

夜になるといつも満月なんだ。

とても美しい。

美しくって、なんだか悲しくなる。


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