『映画館にて。』
『ちょっと…早苗ぇ~ 悪い冗談やめてよぉ』
「なぁ綾乃ぉ、知ってるかぁ?」
「ん?何を?」
「最後まで生き残るの、こいつだけなんだってよ」
「な!?」
「孝明ぃ、なんで観てる時にネタバレすんのよぉ!」
「ネットでネタバレ記事読んじまってさぁ」
「悔しいから綾乃を道連れにしてみた」
「はぁ…貸し切り状態でよかったよぉ」
「他の人いたら怒られてたよぉ、絶対」
「それ嫌だな…」
「下手なホラーよりそっちの方がちびりそう」
『…早苗? …そこにいるの?』
「なんかこういうシーンも、
死なないって分かってるだけでつまんなくなるんだな」
「『だな』って 苦笑」
「ん?あれ?」
「ん?何?」
「なんかこの女優、綾乃に似てんな」
「『似てる』って…当たり前でしょ?」
「あ?」
「あれ私だもん」
「え」
『あ、綾乃!』
『…あ、あや、の?顔が、血塗れだよ?』
『…早苗、ここにいたんだぁ^^』
『え?』
『その手に持ってるの、何?』
ごくり
『がんっ!!』
「っ!?」
『ふっ、あとは孝明だけか…』
「な!?」
『ねぇ、孝明ぃ』
「っ!?」
「全員死んでも一人は生き残るでしょ?」
「ご愁傷さま^^」
がんっ!!