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4話『裏の畑と不穏な影』

「ま、まぁ、ここまで来ちまったからには仕方ない。今日は泊まっていくといい・・・」

「なんかほんと・・・すみません・・・」

「いや、大方うちのアリアがまた適当なこと言ったんだろう・・・」

「いい子なんだけどねぇ・・・どうも危機感というか、貞操観念が足りないというか・・・」

「多分バカなだけなんだろうけどな・・・」

「ははは・・・」


結局アリアの両親は俺を家に招き入れてくれた。なんやかんや言ってこの人たちもいい人なんだろう。


「とりあえずその格好をなんとかしよう。先に風呂に入るといい」

「いいんですか?」

「その格好で家を歩き回られる方が困る」


確かにその通りだ。ここはご厚意に甘えさせてもらおう。


「じゃあ先にお風呂いただきます。ありがとうございます。お父さん、お母さん」

「黙れ!貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いなぞないわ!!」

「ちょっとあなた!今のはそういう意味じゃないと思うわ!!」


・・・本当に大丈夫かな・・・


***

「っっっだぁぁぁぁぁぁ・・・」


久しぶりに風呂に入ったからか、思わず変な声が出てしまう。


「この世界きてからずっと歩いてたからなぁ・・・」


正直足はすでにパンパンだった。今日アリアに見つかってなかったらぶっ倒れてたかもしれない。

もしかしたらアリアが「お背中流しますね!」とか言って風呂場に乱入してくるんじゃないかとも思ったが、それは杞憂だったようで、俺は何事もなく風呂を出た。


***

「あ、ほらお兄さん出て来ちゃったじゃん!」

「あぁよかった、この子がお兄さんの背中流すとか言って風呂場に行こうとしてて・・・」


やっぱりか。


「あの・・・アリアはいつもこうなんですか?」


俺はついこいつと出会ってから今までずっと気になっていたことを尋ねた。


「まぁ、普段から何かと人の面倒を見たがる子ではあったな・・・」

「そうね・・・ただここまでするのは初めてね。お兄さんのことがよっぽど気になるのかしら・・・」


俺の何をそんなに気に入ったのかはわからないが、このままお世話されっぱなしってのも性に合わない。


「何か俺に手伝えることがあったら言ってください。できる限りお力になりますので」

俺がそういうと、以外にもアリアの父親はすぐにこう言った。


「ふむ、なら一つお願いしたいことがあるのだが・・・」


***


「最近夜中になると裏の畑がよく荒らされてな。俺が寝ずに番をしていたんだがあいにく今日はこれから用事があって番ができない。君がよければ今日1日俺の代わりに番をしてくれないか?」


そういえばこの家に来たときに見たこともない野菜が植えられていたのが見えたな。とても広いわけじゃないし、そこまで苦痛でもないだろう。それにこの世界に来てから一度ももらった力を使ってないし、丁度いい。


「わかりました。任せてください」

「俺が出かけるまであと三時間くらいある。それまで君は少しでも眠るといい」


そう言われて俺は敷いてもらった布団で仮眠することにした。久しぶりの布団だからか、眠りにつくまではそう時間はかからなかった。


***


しばらくしてアリアの父親に声をかけられて起きた俺は、彼を見送った後、畑の番をするべく外へ出た。

時間は多分深夜1時くらいだろう。騒めく風がそれっぽく不安を演出している。

さて、畑が荒らされると言ったが、どんな獣の仕業なのか。この世界のことだから魔獣とかいるのだろうか?

そんなことを考えていると、視界の端に何か動くものが見えた。

最初は風で何かが飛ばされて来たのかとも思ったがどうやら違うようだ。


「やれやれ、本当に出てくるとは・・・さて、一体どんなモンスターが・・・」


そう言いかけて、止まる。


「嘘・・・だろ・・・」


現れたそいつは、どう見ても獣のシルエットではなく、おとぎ話に出てくるような・・・そう、悪魔のような姿をしていたからだ。

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