第64話 二人の宇宙のデート ……ランデブー。宇宙。
二人の宇宙のデート
……ランデブー。宇宙。
「私たちって、惹かれ合う重力っていうのかな? それとも引力? そういう力をさ、お互いに持っているのかもしれないね」
移動中の電車の中で、嬉しそうな顔で制服姿の林檎は言った。
「惹かれ合う力? 重力? 引力?」
同じく制服姿の輪廻は言う。
「そう。似た者同士は引き合うってやつ。そういう力のこと」
電車が目的の駅に到着したので、二人は電車を降りて、ホームの出口に向かった。
目的地は動物園だった。
「いこ」
嬉しそうに林檎が輪廻を手を引っ張った。「うん」輪廻はそう言って林檎のあとについて移動した。
朝からずっと林檎はすごく機嫌がよかった。
それはきっと、林檎が輪廻とお揃いの制服を着ている(そして、その姿で外を歩ける)ということが一番大きな理由だった。
輪廻は自分の思いつきを(ただ林檎とのお別れの時間を引き延ばすためだけに)林檎に提案したのだけど、その提案(あるいはお願い)は、林檎をこんなにも喜ばせて、そして笑顔にすることができた。
そのことが輪廻はすっごく嬉しかった。
二人は手をつないだまま移動をして、動物園の中に入っていった。動物園に行きたいと言い出したのは林檎だった。輪廻はその林檎の提案を受け入れた。そして、今日の制服デートのすべての日程は、林檎に任せることにした。(資金のほうは輪廻持ちだ。なにせ林檎は財布を持っていないのだから)
二人は動物園でいろんな動物を見たあとで、動物園を出て、それから近くの美術館で絵画を少しの時間、鑑賞した。
それから今度は電車でまた移動して、そこで果物がたくさん入ったクレープを食べて、甘いミルクティーを飲んだりした。(どちらも流行りのお店で、結構並んだ)
それからアニメの映画を見て、今度は歩いて移動をした。
コーヒーショップにより、甘いクリームの入ったホットコーヒーを飲んで、それからまたまた電車で移動をして、大きなビルがたくさんあるところを少しだけぶらぶらと散歩した。
大きな公園に行って、緑色の森の中を散歩していると、ぽつぽつと空から、雨が降ってきた。
今朝、輪廻のマンションを出かけるときは、空は青色に晴れ渡っていた。でも、大きなビルのたくさんあるところに着たあたりから、急に空模様が変わった。
空は灰色の雲に覆われるようになって、ついに今、小降りだったけど、雨が降ってきてしまったのだった。(とっても残念だった)
「林檎。このあと、どうする?」
大きな公園の中にある木製の休憩所小屋中で輪廻は言った。
すると、「水族館に行きたい」と林檎は降ってきた雨を見ながら輪廻に言った。




