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勇者様、リアル世界に降臨したってさ  作者: 如空
ブランクープにて
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反攻

今回は視点が目まぐるしく変わります。

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ハマナカは、もう一息で勇者を倒せるところまで迫り、悦に入っていた。


勇者さえ倒せれば、この世界は私のものだ。


後は、じっくりこの世界を煮るなり焼くなりして、私の世界を築く。

新生ブランクープ王国で、自らが生み出した怪物を駆逐し、自作自演の英雄となり、権力も金力も、女も恣にできる…。


勝利は、目前だった。


ところが、突如として、通信が切れたのだ。


ミネルヴァのみならず、元々自らが操っているはずの怪物たちとの通信も切れてしまった。


それどころか、先ほどまでわかっていた勇者の居場所も、全くつかめない。


「どういうことなんだ?」


ハマナカは動揺した。しかし、元々勇者がいる場所は王都。王都に出れば、勇者は間もなく捕まえられるだろう。


そう思って、自らが操縦する鋼鉄のドラゴンを飛ばそうとした。


すると、今度は、機械的な音声が流れた。


「重量オーバーです。飛行することができません」


…は?


それは、ありえないことであった。

今まで問題なく飛行できていたドラゴン。


この世界に入った直後、問題なくブランクープの北の果ての森林地帯に飛ぶことのできた自らのドラゴンが、突如として飛べなくなったのだ。


この世界が私に対して牙をむきだした。


ハマナカは、そう感じた。


だが、それはやはりあり得ないことだと思った。


恐らく、こうなったのは何者かがこの世界に対してハッキングを仕掛けたからだろう。

だが、サカモトにハッキングのスキルがあるなどとは聞いたことがない。


それに、仮にサカモトにハッキングのスキルがあったとしても、オンラインプレイに対応しているデビクエ23には、最新鋭の対策が複雑に施されているから、そう簡単には突破できないはずだ。


それを、わずか10分で突破しただと?


ハマナカは、それがやはりあり得ないことだ、と確信しなおした。

であれば、恐らくラップトップが高負荷に耐えられなくなって、処理が遅れているだけのことだろう。


間もなく通信は回復し、そこには倒れた勇者が映し出されるはずだ…。


ハマナカは、そう自分自身に言い聞かせて、落ち着きを取り戻そうと考えた。


----


魔術が使えるようになり、「鋼鉄の怪物集団」側の鉛の弾が使えなくなってしまったら、怪物たちはあっけないものであった。


さすがにミネルヴァほど華やかに、美しく戦うことはできなかったが、それでも私は、さっきまで追いつめられていたのが嘘のように、あっさりと怪物たちを倒せることに気付いた。


怪物たちは確かに混乱していた。中には、同士討ちを始めているものもいた。


「レーダー」のお陰で、ハマナカが北の果ての森林にいることを感じることができた。


そして、攻めに特化していたためか、森林地帯には、ハマナカ自身が操っているドラゴン以外には、一切怪物はいないことも。


私を倒すことに専念したためであろう、北方では、殆どの怪物は王都に集中しており、道中の一部の都市に、わずかに駐屯用の怪物が残っているだけのようであった。


放っておいてもそれらの怪物たちは、他の勇者達の誰かに倒されるだろうが、腕慣らしとして、私は、彼らを適宜倒しながら北上した。


そして、いよいよ私は、北の果ての森林にたどり着いた。

馬車よりも、殆どのドラゴンよりも早く移動できるようにしてくれるマーキュリーの羽靴は、こういう時に誠に役に立つ。


ハマナカは、何やらドラゴンに乗って飛ぼうとしていて、結局飛べないでいるようだった。


----


ミネルヴァは、王都に残っていた。


混乱した怪物たちの中には、鉛玉の重さに耐えきれず自壊したり、同士討ちを始めたりした者もいたので、怪物たちは、もはやミネルヴァの敵ではなかった。


そして、ミネルヴァは、最後の一体を倒した。


「おお、邪神ハマナカよ。汝は誠に恐るべき戦力を生み出したものである。

ハッカーとやらがいなければ、汝に操られたまま、私は勇者を殺していたであろう。


だが、それだけではない。

ハッカーの妖術により、指揮が乱れ、弱っていても、最も強い者はなお魔王幾体か分の戦力を温存していた。


とはいえ、それでもなお、神をも超える力を以てこの世界に救いの手を差し伸べたハッカーの敵ではなかったようであるな。

さて、私はそのハッカーの情報を探るべく、神域に戻るとしよう…」


そして、ミネルヴァは神域への扉を開け、戻っていった。


----


二代目勇者は、ポンゴンにたどり着いて、ポンゴンが文字通り消滅して、跡地が大きな穴になっていることに気付いた。


「我が故郷を跡形もなく消し飛ばすとはな。おのれ、ハマナカ、許せないぞ」


周囲には怪物も人もいなかったので、二代目勇者は、しばらく怒りの涙に身を任せ、天を仰いで吠え続けた。


そして、そのまま、一大怪物集団の気配が感じられる、西の果てへと進んでいった。


----


十三代目勇者は、東の国にたどり着いていた。


怪物たちの一部も東へと向かっていたようだったが、東の国にたどり着くために乗り越えなければならない砂漠で、揃いも揃って力尽きているようであった。


「こちらは、無事のようだな。だが、ことが終わるまでは、様子を見るとしよう」


東の国出身の十三代目勇者は、空高くから、東の国を見守ることとした。


----


私は、森林地帯に入った。敵のドラゴンは、私をトーキョーに飛ばした、あのドラゴンで間違いないと分かった。


またトーキョーに飛ばされるのはごめんだったので、慎重に策を考える必要があった。


そこで、ひとまず休憩をとることにした。

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