プロローグ
はじめまして。しっけたポテチと申します。これが初小説になります。少しでも気に入ってもらえると嬉しいです。
激しい雨の中を走っていた。
強すぎる雨は悲鳴さえもかき消して、少女にただ逃げることを強制する。
走りはじめてからどのくらい経っただろうか?五分かもしれないし、一時間以上逃げているかもしれない。
ただひたすら何かに追われていた。
姿は見えない。だが、おびただしい恐怖感が背中を押し続ける。
ここはそれなりに広い道路だ。
普段は人通りも多いだろう。
なのに、なぜ一人として見かけないのか。
もちろん、その疑問に答えるものもいない。
街は、嵐が過ぎ去るのを息を潜めて待っているようだった。
「………ッ!!」
激しい雨で濡れた地面に足を取られてしまう。しかも、足をくじいてしまったらしい。
もう走れなくなった足を必死に引きずりながら、物陰に身を隠す。
見つからないように、見つからないように。
そう思えば思うほどに足は震え、歯は噛み合わずガチガチと音を立てる。
―――それが
突然、雨が止んだ。
―――私達の
ふと顔を上げてみると、そこにいたのは
―――始まりでした。
赤い傘を持った人間でした。