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主人公は君だ!

作者: 麦酒

酔った勢いで投稿した、今では後悔している

かなり悪乗り悪ふざけな作品なので、合わないと思ったらタブを閉じてくれたら幸いです。

「お主の職業は重騎士じゃ」


「モブじゃん!!」



思わず叫んでしまって周りの友達から「よっモブ元気出せよw」と冗談混じりに励まされる、

くそーなんだよ重騎士って、そんな上級職たけどサブキャラにしかいないよーな職業でどーしろって言うんだよ!

誰だ今「太ってるから重騎士なの?」と言った奴!身長170で80キロだからポッチャリやっちゅーねん!誰だ今「顔が不細工だから重騎士なの?」と言った奴!顔は関係ねーだろ、顔は!熱いベーゼをかませてやるからこっち来い、あっ逃げるな


友達を追い掛けながら俺は落ち込んでいた、せっかくクラスごと異世界転移されたのに、なんだよこの中途半端な職業、もっとピーキーで尖った職くれよ!


底辺職や武器が装備出来ないとか使えないスキル1個とかのロマン溢れるのを期待してたのに、これじゃたまに帰って来る主人公の楽しそうな冒険譚を聞いて「いやいやそれ普通じゃねーから」とツッコミを入れながら驚く人生を送るしかないじゃねーか……


「いや、待てよ……俺が主人公じゃないなら、主人公を見つけて付いて行けば楽しい冒険を送れるんじゃね?」


そうだよ、幸い主人公には仲間にタンクが入ってない事が多いし、主人公がタンクの可能性もあるけどその時は攻撃系スキル上げて貢献すればいいんじゃね?よく考えたら重騎士だから、攻撃と防御どっちでもやれるじゃん


「この職業なら主人公パーティーに入れる可能性高い?やべー、俄然やる気が出てきた!?そうと決まればあいつ誘って主人公探すか」


そう呟いてから熱いベーゼ……は無理だから抱き付いてた友達から離れて目当ての人物を探すと、ちょうど神官の爺さんからステータスカードを貰おうとしてる所だった


長くボサボサの黒髪、野暮ったい眼鏡、貧…スレンダーで小柄な同年代なのに中学生かそれ以下にしか見えない彼女は、今日も沈んだ顔をしていた。

(いきなり異世界に来たから不安なのかな?)当初の予定を忘れて元気付ける為に声を掛けようとした所で、爺さんは作り終えたばかりのステータスカードを見て声を出した


「お主の職業はコンサルタントじゃ……え???なんじゃこの職業は、聞いたことないし、スキルもコンサルティングというの1つじゃし」


「あの……「主人公キターーー(・∀・)ーーー!」」


彼女の言葉を遮るように俺は歓喜の叫びを上げた、そのまま彼女に駆け寄ると両手を握ってその目を見詰める、澄んだ黒い瞳が此方を見返してくる、吸い込まれそうな気になりながらも俺は意を決して想いのままに言葉を紡ぐ


「ずっと好きでした……あっやべっ間違えた……コホン、俺とパーティーを組んでくれ女主人公、俺が絶対守るから!」


え?あの?その?と彼女は顔を赤くして小さく狼狽えた後、コクンと頷いて「よろしくお願いします。」とうれしそうに恥ずかしそうに呟いた



              ☆



その後何故かクラスの連中どころか周りに居た騎士や爺さんからも祝福された俺達は、流石に実質1人で戦闘するのは危険だと思って、それぞれの職業の武具や装備を受け取ってから仲間を募集したのだが(俺は兜無しの甲冑と大盾と大剣、彼女は女性用のスーツだった……何故ある中世風ファンタジー)誰1人俺達のパーティーに入ってくれる人はいなかった……


「クソッ、これが不遇職の最初のテンプレ「ボッチスタート」ってやつか……あれ?俺がいるから2人でボッチじゃ……いやいやいや、俺達はもう2人で1人といっても過言じゃないから、ボッチであってるな」


俺がウンウンと頷いてると、女主人公が「あう~」と恥ずかしそうに呻いているのが目に入った、きっとさっき勧誘を断った奴らの言葉に心を痛めてるのだろう

酷い罵声を浴びせられたからな、俺だって怒りで顔が火照って熱いくらいなのだ


なにが「馬に蹴られたくない」「ふたりの邪魔はしたくない」「俺は空気が読めるからな」だ!みんなそろって好き放題言いやがって、後で菓子折持って行くから覚えてろよ


「こうなったら仕方ない、仲間はモンスターか奴隷を買って補充しよう」

「モンスターや奴隷って大丈夫なの?どうやって仲間にするか知ってるの?」


女主人公に向けて、現代人が聞いたらドン引きするか気を疑われるような事を言ったのに、彼女は普通に返答した……無償の信頼にちょっと顔が熱くなる、断じて告白もといパーティー勧誘してから初めて彼女と見つめ合ったからではない


「大丈夫だ、諸々知ってそうな奴に心当たりがある」


俺はニッコリ笑って彼女の手を引きながら(はぐれない為だ他意は無い)

目的の人物が居るであろう部屋の前までやって来た、


コンコンと軽くノックをしすると、中から「入れ」と偉そうな声が聞こえた、俺達は扉を開けて中に入った


部屋の中には偉そうに椅子に座る黒髪の美形がいた、これが俺が捜してた人物で、この国の王子様でもある

彼は俺を確認すると人懐っこそうな笑顔を浮かべて語り掛けてきた


「誰かと思ったら神聖な儀式の最中にプロポーズした勇者か」


「グッ……」

「あう~」


「何か用があって来たのたろ?蜜月用の蜂蜜酒でも欲しいのか?それとも新居か?まさかもう子供が……」


人畜無害な笑顔で此方をいたぶり続ける王子に俺達は怒りで耳まで真っ赤になっていた、言い返したい、だが相手はあれでも王子だ


いくら異世界に来た時に……



              ☆


荒れ狂うスキルの本流によって壁や天井は破壊されていった……あー空きれー、と現実逃避しながら今の現状を考える

学校の自習時間の時にいきなり空間が割れた、地面も割れた、混乱する俺たちは一瞬の浮遊感の後に見知らぬ広間にいた、周りには杖を持った顔をフードで隠したローブの人達と甲冑で帯剣した騎士っぽい人達

これでパニックになるなと言う方がおかしい、あっさり誰かの悲鳴でパニックに陥った俺たちは見知らぬ力が体から溢れて周囲を破壊しだした、そしてそれは更なる混乱を呼んだ

気付いた時には俺は女主人公を抱き締めて、状況を掴めず呆然としていた

その時


「勝手に召喚してすまない、私はこの国の王子だ、どうか話だけでも聞いてくれ」


と泣きそうなくらい切羽詰まった顔で叫ぶ王子が現れた、と、それを見た女主人公が何かを感じたらしく少し考えた後に俺に言った


「彼に協力を頼んだら事態は収拾するかもしれない……」


今にして思えばそれは彼女のスキルだったのだろう、だが当時の俺はそれを知らなかった……まあ、あっさり信用して彼女の計画を実行したんだが


「おい、落ち着かせるの強力するから我慢してくれ」

「え?」


王子の近くに行くと小声で提案する、了承をとってる時間はないからさっさと済まそう


「ああ~ん、それが人に物を頼む態度か?頭が高いぞ」


大声で言いながら王子の頭を地面にこすり付ける俺

突然の事に一瞬で鎮まる周囲、王子は羞恥と怒りでプルプル震えながらも


「此度のことは私の独断専行だ、それでもどうか話を聞いてくれ、先の魔力嵐でこの国はモンスターとダンジョンが大量に発生する、それを駆逐するにはお主らを召喚するしかなかったのだ、もちろん報酬も払う、元の世界への帰還も約束する、だからどうか……どうか力を貸してくれ」


と騎士達に手で俺への攻撃に待ったをかけながら懇願する王子


「長い三行で言え」


俺は怒鳴りながらなんか楽しくなってきた、すっかり目的を忘れて王子をイジル方法を模索する


そんな俺の行動にあっけにとられたクラスメイトが我に返って「王子様かわいそう」等と言い始めたんだが、俺の王子弄りは止まらなかった

その後切れた王子と殴り合ってた後、崩壊した召喚の間で夕日を見ながら貧乳談義をしたらうっかり意気投合したマブダチになったりもしたが、それは別のお話

なお、貧乳談義の時に俺が誉めまくった女主人公が照れて可愛かった事だけは追記しておく


おっとうっかり回想エピソードを挟んだが、それでもこれは敬うべき尊い王子様なのである


だから俺は心を律して怒りに震える声で懇願した


「なんかくれるのか腹黒王子?蜂蜜酒とか蜜月とか知らないけど、ただなら貰う」


「誰が腹黒王子だ!」


「1ヶ月程休んでゆっくり飲むから、ツマミもくれ」


「スルーするな!あと知ってるだろお前」


「おっ、スルーなんて言葉覚えたのか?偉いでちゅねーおうちちゃまー」


「ぶっころす、お前ら2人を題材にしたラブラブイチャイチャな演劇を開演してやろうか」


「よし、戦争だな!」


貴族の世界では本題に入る前に雑談をするらしいから、俺はそれに習って穏やかな話を振ったのに何故か殴りかかられた、解せん

その後しばし拳で雑談をしていたのだが、その間女主人公は心ここに非ずといった状態で「・・・蜜月って・・・なにを準備すればいいのかな・・・」とトリップしてたので、俺は日本人的エアリーディング能力でスルーした……じゃないと本当に休暇申請しちゃいそうだし、いやするならその前に結婚をって俺はなにを考えてるんだ


顔を腫らした俺たちは苦笑するメイドさんに治療を受けながら入れて貰ったお茶を飲んだ、紅茶ってこんなに美味しんだと感動した


「で、何の用だ?」


改めて腹黒王子は聞いてきた、女主人公はメイドさんにお茶の入れ方を聞いてた


「あー、実は俺達のパーティーに他の人が入ってくれなくてさー、今のままだと戦力的に厳しいからモンスターか奴隷売ってる店紹介してくんね?」


「自業自得だな、モンスター……獣魔なら扱ってる店を紹介できるが、奴隷はこの国じゃ違法だからいないぞ」


「なんちゃって中世ファンタジーなのに奴隷いないんだ」


俺が嬉しそうに聞くと腹黒王子はその経緯を説明しだしたが、長いので聞き流した



              ☆



2週間後俺たちは仲間にできる獣魔を売ってる店へとたどり着いた、いや同じ王都にあって徒歩1時間くらいの距離だったんだけどね、女主人公が潰れかけのレストランを再建しだして遅れたのだ

もちろん俺は「なんというテンプレ」と喜んで手伝った、毒見役には前回俺の勧誘を断ったクラスメイト達を招待してやったわ


おっとまた思考が横道にそれていた、俺は意気揚々と女主人公を連れ立って扉を開けて店に入った


「らっしゃーせー」


やる気のない店員が1人店番してた、店内は意外に狭くてカウンターの近くに大きな扉があるくらいだ、どうやらここには商品はないらしい


「獣魔と奴隷が欲しい、なるべく生まれたてがいいから案内してくれ」


言ってからこの国には奴隷居ないのを思い出して言いなおそうとしたが、それより早く店員が喋り出した


「奴隷なら地下のお客っすね、こっちっすー」


あるんかよ!と驚きつつ、この事は腹黒王子に報告しようと思いながら店員の後を付いて行っら、商談用の部屋へと案内された俺たちはそのまま隠し通路から地下へと降りていった

地下は薄暗く臭く昔の地下牢獄を改修したような作りになっていた、時折見張りらしき人物がいたが俺達は”加護で傷付けられる心配はない”とはいえ、いつでも女主人公を庇えるように付いていく、不安そうな彼女の様子に内心失敗したと思ったのは秘密だ


「奴隷はこの2人だけっす、この国は奴隷禁止だから他国で買ったって事にするの忘れないでくださいっす」


辿り着いた部屋で、っすっす五月蠅い店員が指し示すのは獣人の2人だった、どちらも襤褸を着ておそろいの犬耳を生やしてる、1人は青年でもう1人幼女、青年は幼女を守るように、幼女は何故か両手でスライムを抱えてこちらを怯えるように見ていた……今更ながらこの奴隷商の奴らにムカついてきた

本来ならば幼女とスライムとか、なんというテンプレ!と歓喜の舞を踊っていただろうが、今は一刻も早くこいつらを殴り倒したくてしょうがない。


さっさとこの2人を保護して腹黒王子に頼んでここを包囲壊滅させよう、と物騒な段取りを考えてる時にそれは起こった


ズドドドドドドドドド・・・


まるで生き物みたいに鳴動し始める地下牢、今まで壁だった所が伸びて通路になってゆく……これがダンジョン化か、高濃度の魔力が世界を変貌させ迷宮とする自然現象、内部で魔物を産み放置すれば近隣を襲う厄災

俺はとっさに女主人公を庇おうとするが、それよりも彼女の行動の方が早かった

彼女は身を寄せ合い怯える獣人たちに覆いかぶさるように抱き付くと加護を全開にしてダンジョン化から彼らを守りだした、俺もすぐに近づくとスキルを発動させる


『我は盾、我が世界に害意なすものから全てを守る盾』


スキルは言葉に出さなくても発動できるが、宣言することでその効果は大きく増す、半円状の透明なシールドは俺達をすっぽりと覆いその内部のダンジョン化を阻止したようだ、床の鳴動は収まり女主人公がこっちに安心した顔を向けて来る


「序盤定番の強制ダンジョン攻略が始まったみたいだ、強敵がいる可能性が高いから警戒を強めてくれ」

「定番なんだこれ……」


俺が珍しくシリアスな口調で言った言葉を、何故か彼女は呆れるように返答した、解せん


しばらくして鳴動が収まりダンジョン化が終わったみたいなので俺達4人+1匹は出口を求めて動き出した、店員はダンジョン化が始まった時に逃げ出したみたいでどうなったかは分からない、少しだけ守れなかった事に心が痛んだ、せめて無事である事を祈ろう

さて出口へ向かうにあたって問題が1つある、それは罠の存在だ、魔物はさっき襲って来たがはっきり言って雑魚だったのでスキルで守りながら戦えばなんとかなる、食料や水もアイテムバックの中にこういう事態を想定して大量に入れてるから大丈夫だ、しかし罠はヤバイ、槍衾くらいなら加護が守ってくれるから大丈夫だが、落とし穴やガスは俺達2人は大丈夫だろうが獣人兄妹(2人は兄妹だった)がヤバイ


なので俺は女主人公に相談した、彼女の職業コンサルタントだが実はこれ経営改善だけの能力じゃなかったんだ、訓練でダンジョンに潜った時に発覚したのだが、彼女のスキルは”困難な状況を改善する”能力だった、これを知った時は思わず歓喜の踊りを女主人公の手を取って踊って周囲の護衛で付いてきた騎士さんから生暖かい目で見られたのはいい思い出だ

まさに主人公に相応しいチート!俺は彼女の前に傅くと、敬うように懇願した

彼女はちょっと困った表情をしたがすぐに真剣な表情になってスキルを発現させる


「あっダメならダメで俺が加護全開で先行して罠潰すから気楽にいいぞ」


俺は彼女の負担を軽くする為に言ったのに、彼女はよりいっそう力を込めて宣言した


『私は諦めないあらゆる苦難を、光明よわが身を顧みぬ心優し愚か者を救い出す道を指し示せ』


どこか刺のある宣誓だったが、彼女の指先から放たれた光がスライムと獣人兄妹に当たるとその体に吸収され、幼女の手から離れたスライムが空へ浮かび上がる

瞬間一際眩い光を放ちスライムの体が変質していく……雷を纏った黄金色の……おい待て


「ピカチ「BBBBBBBBBBBBBBBBBBB」」


あぶなーい!俺のBB連打の叫びと共にその姿はスライムへと戻っていった、体は黄色くなったがこれは許容範囲内だろう、危うく時空を越えて最強弁護士軍団がやって来る所だった……

そういや獣人兄妹の方はどうなった?俺はイヤな予感を抱きながらそちらを見やると、ピッチピッチな妙にテカったインナーを着ている2人が鎧を着ようとしていた

なんだちょっと変わった鎧だけど普通の……デジタルなモンスターに進化しようとしてる……ふ ざ け る な

俺は気付いた瞬間、兄妹から鎧を奪い取ると一纏めにしてスキルを乗せた大剣の一撃でゴルフボールのように通路の彼方へ打ち放った!

「ファーーー!」

兄妹が悲鳴を上げたが、残念あれはロストボールだ、もう2度と帰っては来ないだろう

一安心したので、彼女の方を向きニッコリと微笑んで頭を鷲掴みしこっちを向かせる


「申し開きがあるなら聞こう」

「……あれがここから出れる最適解だった」

「ああ、確かに即効でダンジョンから出られるだろうな、ただし行き先は裁判所だろうけどな」


悪戯が見つかったような顔をする女主人公の頭を罰としてワシャワシャの刑にしてやった

一応念の為にスライムと兄妹のスキルを簡易鑑定アイテムで確認しよう、彼女のスキルを受けたならなんらかの才能が開花してるかもしれないし

もともと獣魔用に持ってきたアイテムを発動させる、「よしっ」と思わずガッツポーズを取った、スライムに索敵や罠感知等の探索系スキルが、獣人兄妹には隠密系の戦闘スキルが開花していた、特に兄の方に気配遮断の結界もあったのがうれしい、これと俺の盾の結界を併用すれば野営がとことん楽になる


唐突だが俺達転移者は常人を圧倒する力を持っている、だがこの世界に来てまだ1つもダンジョンを攻略してない、その原因の1つがダンジョンで野営出来ないからだ!

現代人舐めるなよ、野外で寝るのだって難易度高いのにモンスターがウヨウヨ居る所で寝れるか!俺達にとっては雑魚だけど、見張りの騎士さんとかあっさり死にかけないレベルだぞ、寝れるわけねーだろ!


よって野営が楽になると知った俺は上機嫌で女勇者の髪を梳いてた、誰だこんなにボサボサにしたの、俺か!よーしお褒美+贖罪だ、入念に綺麗にしよう

獣人兄妹が早く出発したがってたが、待てもう少し堪能させてくれ



              ☆


・・・3日後

俺達はまだダンジョンの中に居た、あれから30階層くらい登ってるのだが未だ出口には辿り着けてない、おかげでスライムや獣人兄妹や女主人公の料理のレベルが上がり、今では罠や敵の位置の感覚共有ができたり、獣人兄妹に至っては忍者みたいにひゅんひゅん飛び回るようになった


「ご飯できた」


女主人公の声に正座待機する面々、皿を出してwktkする俺達に美味そうな料理が盛り付けられる

城に居る時は料理をする機会が無く気付かなかったのだが、彼女のスキルは料理の腕も向上させたのだ。

その為たった3日で獣人兄妹どころかスライムまで完璧に餌付けされてる……俺?俺はとっくの昔から餌付けされてるから

完食したのち彼女が入れてくれた紅茶を飲んでまったりした所で俺は疑問を口にした


「なあ、もしかして俺達ダンジョンの奥の方へ行ってね?」

「……行ってると思う、でも私のスキルは出口はこっちだと言ってる」


女主人公の言葉に少し考える、ここは地下牢獄が変化したダンジョンだから、そう簡単に脱獄もとい出られないようになってるのか……下手すればボスを倒せなければ出れない可能性もあるか、ダンジョンボスを倒したらダンジョンが消滅して強制的に出れるらしいからな……


「ダンジョンボスを倒すしか出れないのか?」

「倒さなくても出る方法はあると思うけど、その場合ダンジョンのモンスターも出て来るようになる気がするの」


彼女の言葉に戦慄する、この世界では騎士ですらあっさり殺される程モンスターは強いのだ、それが街に出たらどうなるか……

脱走者を追い掛ける牢番みたいな存在がモンスターにもいるのかよ、はぁー覚悟決めるしかないのか


「俺達にダンジョンボス倒せると思うか?」


俺は不安そうに聞いた、だってダンジョンボスは転移者しか倒したことが無いと言われる程強いらしいのだ、俺と女主人公の2人で倒せるのか?獣人兄妹は将来的に頼もしそうだが現時点では戦力に入れられない

そんな俺の不安を他所に彼女は微笑んだ


「大丈夫、あなたが居るから」

「俺はそこまで自分の評価高くないんだが……」

「ううん、あなたなら簡単よ……だってあなたが救ってくれたあの時から、あなたは私だけのヒーローなのだから」


なんだ俺は主人公でもモブでもなくヒーローだったのか……俺は彼女の両手を握って決意する

そうだよな、まだ主人公との物語は始まったばかりだ、さっさと帰ってクラスメイト達に「いやいやそれ普通じゃねーから」とツッコんでもらわなきゃいけないしな

そうと決まったらこの3日ですっかり打ち解けたニマニマしてる獣人兄妹とスライム連れてさっさとダンジョンボス撃破するとしますかね


「それと私のスキルがこのパーティーでも戦力過多だと言ってる」


最後の言葉は聞こえなかった事にして俺は立ち上がった、さあ楽しい楽しい主人公との旅はこれからだ!


打ち切りエンド

ここまで読んでくださった皆さんに感謝を

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― 新着の感想 ―
[良い点] こういうノリ好き あとピカチw [一言] ギャグっていうかコメディ? あとローファンタジーじゃなくてハイファンタジーかとw(向こうの世界に行ってるので
[一言] これめっちゃ好みで気に入ったのでよければ連載してください!!
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