冒険者ギルド
3話目です。我ながら酷い作品で恥ずかしいです。
「やっぱし木造建築が多いのかー。まぁ見た感じ中世ヨーロッパかな?」
そういいつつ先ほど案内された冒険者ギルドへと向かう。瞬が歩いているのはこの街の大通りで雑貨屋、飯屋、酒場、武器屋、鍛冶屋などなど色々な店が並んでおり、ほかにも露天がたくさんあり、とても賑わっていた。だがそこにいる人々は瞬を見て少し驚いているようだった。
「俺なんかしたか?」
と自分が血まみれであること、珍しい服を着ていること、それが穴だらけなことに対しての反応だとは気がつかずに冒険者ギルドへ向かった。
「ここが冒険者ギルドか。入ったら絡まれたりするのか?」
瞬はそんなことを言いつつ、扉を開けてギルドへ入った。中には冒険者たちが何人かおり、冒険者たちは皮や鉄で出来た鎧を着ていたり、鎧は着ずにただの服やローブを着ている者もいた。そして彼らは入ってきた瞬に対して見定めるような目線を送った。だがそれは一瞬だった。先ほどの目線から一転、同情だったり恐怖の目線に変わった。それもそのはず、どこに新入りの冒険者がいきなり血まみれで現れたりするのだろう。後にここに居合わせた冒険者は
「とりあえずからかってやろうと思ったら、入ってきたのは血まみれで微笑んでる坊主だぜ?気狂いの類いかと思ったぜ!」
そんなどこかずれたイベントを終えた瞬は受付の女性に話しかけた。
「冒険者になりたいのですが…」
「それでは血をこちらのカードにつけてください」
そう言いながら女性は針とカードを渡してきた。
瞬は言われた通りに針で指先を刺し、出てきた血をカードにつけた。するとカードの表面から文字が出てきた。だが読めない。そうこの世界の言語は日本語ではないのだ。とりあえずこれでいいんだよな?
「シュンさんですね。それではギルドの説明をさせて頂きます。」
どうやらこの文字はシュンになるらしい。
「文字理解Lv1を取得しました」
ん?ポイントを使わずにスキルを取れるのか?しかも今ならカードの文字が読めるようになっている!
無事ギルドでの冒険者登録も終わった。どうやら冒険者ギルドはどこの国にも属さない組織で、人々の依頼を冒険者へと仲介し、その時に仲介料を得ることで利益を得ているらしい。また冒険者はギルドに登録している者たちのことで全員がギルドカードを持っていて、それが身分を証明するらしい。他にも冒険者を
E.D.C.B.A.Sのランクに分けていて、このランクがクエストを受ける時の一種の目安になるらしい。
「しかしさっきのスキルといい、まだまだ分からないこと多いな。」
そう。先ほどポイントを得ずに文字理解のスキルを得たのだ。たぶん冒険者カードに書いている字が自分の文字だと理解したことによるものだと思う。
この時点でスキルについて分かっているのは、何かそれに近い行動をそれなりの回数を行なって、SPを振る事が出来るようになることと、先ほどのような場合にSP無しで得ること出来ること。
「たぶんだけど剣術とかのスキルもあるんだろうけど、今やってもSP無しでは無理なんだろうな。」
SP無しの場合、剣術を自力で使えないといけないが、所詮現代っ子の瞬では到底無理だろう。それこそ道場のようなところにいかなければならない。
「まぁ、格闘術みたいに似たことをすればその内SPで取れるかもしれないしな。まぁ今は格闘術で充分だ。」
というわけでとりあえず瞬は現金を得るため、クエストを受けることにした。クエストはクエストボードに貼ってある。そんな中で瞬は即決した。
Dランク
ゴブリンの大量発生
草原にてゴブリンの集団が現れた。
討伐証明部位 右耳
個体数 無制限
「これでお願いします。」
「こちらはDランクのクエストです。1つ上のランクまでは受けることが出来ますが、お勧めは出来ません。それでも受けますか?」
「はい、大丈夫です。」
ギルドの受付の女性はそれ以降何も言わなかった。
ちなみに瞬はEランクである。
「おいおい、お前みたいなやつがゴブリンの集団を相手に出来んのかー?」
周りにいた冒険者たちが煽ってきたが、特に気にせず
「それより、誰か布袋を貸してくれませんか?討伐証明部位を入れるために使いたいんですが。」
すると、近くにいた男が
「なんならこれをやるよ。なーに気にすんな、餞別だ。」
そんな優しい冒険者から布袋を貰い瞬はギルドを出た。