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貞操観念が逆転した世界で信仰集め  作者: モ=ノクロウ
転生から始まる信仰稼ぎ
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お待たせしました!

保護官の三人と來未姉さん達が先に出ていった後、俺は舞さんの膝の上からお母さんの膝の上に移動していた、移動した方が良いと本能が警告してきたからだ。

そのおかげか、先程に比べてお母さんの機嫌はかなり良くなっていた。

お母さんは俺の頭を撫でながら話を始めた。


「舞姉さんの事は信用してますけど(スゥー)、あの保護官さん達に翔ちゃんを護れるとはとても思えません!!(スーハースーハー)」

「(気のせいだろうか、旋毛の辺りに違和感が…。

いや、お母さんが手を置いているからだろう。)」

「紗季の心配はわかるけど、あの三人の保護官としての能力は私が保証する!!」

「舞姉さんが認める程の保護官なのに何故(スゥー)、急な翔ちゃんの護衛の要請を受けられるの?(ハスハス)

優秀な保護官だったら、他のイージスクラスやガラハドクラスの男性と契約してるはずでしょ?(スーハースーハー)」


舞さんが挙動不審になりはじめた。


「本当に優秀な保護官なんだよ…、ただ…」

「ただ…なんです?」


舞さんが言わずともなんとなく理由は予想出来た。


「三人とも…、保護対象の男性を選り好みするんだよ…」


予想が外れた、あの性格が問題ではないのか。


「(まぁ、弘原海さんは契約するかは自分で判断するとか言ってたな。)」

「自分の好みの男性じゃないと男性に対して失礼な態度を…ね、逆に女性らしくない所が一部の男性から人気なんだけどねぇ。」

「だからと言って、それが翔ちゃんの護衛を任せる理由にはならないでしょ!」


お母さんが声を荒らげる、俺を撫でるのも忘れている程怒っているようだ。


「だからこそ翔ちゃんにお願いしたいんだ!!

翔ちゃんの可愛らしさもイージスクラス…いや世界一だ、翔ちゃんの保護官を断る女性なんてこの世に存在するはずが無い、いや存在する価値がない!!」

「(真顔で何を言っているんだこの人は…)」


しかし、お母さんの心には響いたようで何度も頷いていた。


「そうね、翔ちゃん程の魅力溢れる男性なんて他に存在しないわよね!!」

「だから頼むよ紗季、今回だけでも良いから三人にチャンスを与えてやってくれ!!」

「でも、それとコレは別でしょ!!」


このままではいつ学校に行けるかわからない、おそらくお母さんは認めるつもりはないのだろう。


「お母さん、まだちゃんと知りもしないでダメだと決めつけるのは悪い事だと思うんだけど…。」

「だけど…、翔ちゃんに万が一があったら…。」

「学校に行くだけなんでしょ?

だったらそんな危険な目にはあわないでしょ、俺は大丈夫だから…ね?」

「ずるいわ翔ちゃん…、翔ちゃんからそんな事を言われたらダメなんて言えないわ。」

「じゃあ紗季!!」

「今日だけですからね!!」

「それで充分だ!!

翔ちゃんも、ありがとうね!」

「それより、そろそろ学校に向かった方が良いんじゃないの?」


もう時間は9時半になろうとしていた。


「そうね、車で皆待たせてるから急ぎましょうね。」


お母さんと舞さんを連れて家を出る。

家の前には黒い車が停まっている、保護官の三人は運転席近くに黛さん、後部座席のドア近くに廿楽さん、そして家の門の側に弘原海さんが待機している。


「お待たせ~、それじゃあ三人とも後はお願いね!!」

「えっ、舞さんは一緒に行かないの?」

「本当は一緒に行きたいんだけどねぇ~、ちょっと仕事が入ってて…」

「待って、舞姉さんが一緒に行くの前提で三人の同行を許可したんでしょ!」

「わかってるって!!

ちょっとコッチ来て。」


少し離れた場所で舞さんがお母さんに何か耳打ちしている、お母さんは納得したようで一緒に戻ってきた。


「それじゃ、話もまとまった事だし!!

翔ちゃんも気を付けてね、いくら筆頭保護官が三人一緒に居ると言っても絶対に安全とは思わないでね。」

「舞さん、出発する前に少し良いか。

白羽さんを担いで走る為に重さの確認をしたいんだ。」

「ん~、必要な事だし…良いかな翔ちゃん?」

「俺はかまいませんよ。」

「そんじゃあ失礼して…、よっと!」


弘原海さんに軽々と持ち上げられる、傍からみたらたかいたかいをされている状態だ。

前の体の視界より少し高い位置の視線でお母さん達を見るのは何だか不思議な感覚だ。

なぜか、持ち上げた弘原海さんまで不思議そうに俺を見ていた。


「いつまで持ち上げてるつもりかしら弘原海さん?」


お母さんから黒いオーラが漏れ出す。


「あっ…、あぁ…申し訳ない。」

「どうしたん弘原海さん。」

「いや、予想以上に白羽さんが軽くて驚いてしまったんだ。」

「確かにね~、翔ちゃんは他の男の子に比べてかなり軽いのよね。」

「そうなんですか?」

「翔ちゃんは翔ちゃんだからそんな事を気にしなくても大丈夫よ。」

「そうね、ほらほら早く出発しないとお昼になっちゃうでしょ!」


俺は舞さんに急かされながら車に乗り込む。

その背中を弘原海さんは静かに見つめていた。

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