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貞操観念が逆転した世界で信仰集め  作者: モ=ノクロウ
転生から始まる信仰稼ぎ
20/39

19

「お母さん、ちょっと良いかな。」


リビングに入りテレビの前に置かれたソファーで寛いでいるお母さんに声をかける。


「ん~、翔ちゃんどうした…の…?」

「背中の傷痕って…、どうしたのお母さん。」


お母さんがこちらを見ながら呆然とさしている。


「お母さ~ん?」

「っは!!

翔ちゃんがパンツ1枚でリビングに入ってくる幻覚を見たわ…」


お母さんが目元を押さえながら下を向く。


「いや、幻覚じゃないけど…」


お母さんが手で顔を覆う。


「なんでそんな格好でうろついてるのぉ!!」


悲鳴にも似た声で叫ぶお母さん、そんなに気にする事だろうか。


「お風呂に入ろうとしたら背中の傷痕が目に入ったから…、お母さんに聞こうと思って…」

「そう…だったのね…、お母さん翔ちゃんが裸族になったのかと思って心配しちゃった…」

「裸族って…」

「背中のは傷痕じゃなくて、生まれつきの痣って言うのかしら。

お医者さんに見てもらっても異常は見つからなかったわ。」

「じゃあ、大怪我をしたとかじゃないんだね?」

「そうね、ゴメンね綺麗な身体で産んであげられなくて…。」

「お母さん…」


お母さんは悪くないのにとても悲しそうな声を出す、顔は下を向いてるから表情まではわからない。

そして、俺はふと寒気を感じた。

5月とはいえまだパンツ1枚で過ごすのは寒いか…、決して後ろから聞こえる異音とは関係ないはず…いや異音なんて聞こえない!

意を決して振り返る、そこには虚ろな目をした來未姉さんが立っていた。




※※※※




「夕飯…凄かった…、まさか男性からしかも弟にあ~んをしてもらえるなんて…。

…別人みたいになっちゃったな…翔くん…、確かに無愛想と言うか全然家族らしいふれあいはなかったけど。

記憶喪失になっただけでまさかあんな…あんな…(じゅるり

いやいや、翔くんは私の可愛い弟なんだから…、でも…今の翔くんなら…私の事を受け入れて………、はぁ…禁断の恋…。」


食後、正気に戻った來未はふらふらと自室に戻り、一人悶々としていた。

今までの翔に対する愛情と今の翔に対する愛情、そして翔の姉としての理性と翔に対して女性として惹かれる本能が彼女の中でせめぎ合っていた。


『るのよぉ…』

「ん、お母さん?」


普段からテレビを見ている時に一人で突っ込みしているが、なんだかいつもと少し声の質が違ったような気がした。

だからだろうか、普段なら様子を見に行く事などしないのに。


「(どうしたんだろ?)」


一階に降りるとリビングからお母さんと翔の話し声が聞こえる、なにやらお母さんの声は普段と違って悲しそうな声だ。

そっと中を覗くとパンツしか履いてない、あられもない姿の翔が目に入ってきた。


「(えっ嘘、何で裸なの!?)」


あまりの衝撃に目を背けてしまった、すると洗面所のドアが開いているのに気がつく。


「(まっ、まさか…)」


音をたてないように洗面所に入る、そして見つけてしまった。


「(こっ、これは!翔くんの脱ぎたての服!)」


凄まじい速度で洗濯物入れに近づく、すると服から何とも言えない甘い香りが香ってくる。

いけないとわかっている、こんなところ見られたら翔に嫌われてしまうかもしれない。

だが、目の前の服の匂いを嗅ぐ誘惑に勝てるはずもなく。


「(はぁぁ、なんて良い香りなんだ…甘く芳醇な…これが男の子の香り…)」


シャツに顔を埋めて深呼吸を繰り返す、肺から全身に翔の香りが巡っていく気がする。


「はぁぁぁ…」


気分が高揚していく、そして見つけてしまった。

上着の下に隠れていたズボンを…、震える手を伸ばす。


「はっはっはっはっ…」


震える手でズボンの股の部分を顔に近づける、そして…




※※※※




「ふしゅ~、ふしゅ~。」


まるで理性の無い獣のような呼吸をしながら、虚ろな目と目が合う。


「く…來未…姉さん?」

「ショウクン ナゼ ハダカ。」

「お風呂に入ろうとしたら背中の傷痕に気がついたから…、まぁお母さんから生まれつきの痣だって聞いたから安心したけど。」

「ジャア アタシト イッショ フロ ハイル。」

「えっ、それはちょっと恥ずかしいかな…。」

「ダイジョウブ ヤサシクスル…」


あっ、これはヤバイヤツだ。

理性が完全に崩壊してますね。

助けてくれると思っていたお母さんは後ろで静かに気絶してるし、幸せそうな顔してるのが気になるが。

じわじわと來未姉さんの手が近付いてくる、逃がしてはくれなさそうだ。

ならば、逃げられないならこちらから攻めるまで!!

俺は思いきって來未姉さんの胸に飛び込む、柔らかい感触と香りに若干興奮しながら上目遣いで來未姉さんの目を見つめ。


「初めてだから、優しくしてね…お姉ちゃん。」


その瞬間、來未姉さんの身体が大きく跳ねる。

そして、その場に崩れ落ちた。

床に寝かせるのは心苦しいがこの細腕じゃ自分より大きい來未姉さんを抱えられそうにない、なのでそのまま放置して風呂に向かった。



「來未姉さん!?お母さんどうした大丈夫!?」


その後、降りてきた茉莉姉に発見され二人は目を覚ましたが気絶直前に何があったかは話そうとしなかった。

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