幕間 神と悪魔
翔が保護官達がもめている裏で起きていた頃、神にもとある問題が起きていた。
『だ~か~ら~、困るんだって!!
そうやってこの世界の人間を勝手に連れ去るのはさぁ!!』
『え~、ちゃんとそっちの管理してる神には言ってあるよ。』
『あの柱からしたら人間一体なんて規模が小さすぎて気にしてないだけです!!
いくら人間一体だと言っても、その人間に引っ張られていろんな人間に影響が出るんだから!!
我々みたいに個で完結しているならともかく、人間は個ではなく群で完結する生物だから個が欠けた群は一気に不安定になるんですよ!!』
『だから、その群を安定させる為に僕が居るんじゃないか。』
『どこの世界に"連れ去った"人間と"入れ替わる"神が居るんですか!!』
先ほどからやかましく騒いでいるのは、翔が元々居た世界で人間の魂を管理している悪魔のトップである。
こちらの世界では神を頂点として天使と悪魔がそれぞれの役割を果たしている。
天使が生物の運命を悪魔が生物の魂を管理している。
人間の運命の管理している天使達は常に運命を監視しなければならないので、この悪魔はその天使の分も怒っているのである。
『いやぁごめんごめん、今度埋め合わせするからさ!』
『埋め合わせって、あなたじゃ私達の仕事を変わることは出来ないし悪魔も天使も欲しいものなんて無いですよ!!』
欲しいものが無いと言うのは嘘である、なければ一部の悪魔が人間と取引したりしないのだ。
しかも、その取引にはきちんと神の許可を得てから行われる。
人間には取引を行う悪魔が願いを叶えてくれると思われているが、願いに応じた申請を他の天使や悪魔にして協力してもらっているのだ。
簡単に言うと、役所への申請を代行してもらっているようなモノなのだ。
ただし、通常では申請出来ない事と取引に応じてくれるかは悪魔次第という点を除けばだが。
それほど面倒な事とわかっていながらも取引に応じる悪魔は少なくないのだ。
『そうだなぁ~、例えばだけど。』
『さっきの話、ちゃんと聞いてましたか?私達が欲しいものなんて!』
『僕の世界で人間として生きる生活を体験出来るってのはどうかな、期間は一ヶ月。』
悪魔の表情が変わる。
『それは、あなたの独断で行うのですか…』
『まさか、君達の神にちゃんと許可をもらってからだよ。』
悪魔は考える、取引に応じる悪魔以外も人間に憧れている悪魔は多いのだ。
魂を管理する時に人間の記憶を読み取る機会が多いため、自分達には無い感情を感じるのは悪魔には快感なのだ。
それを神に許可をもらい、直接感じる事が出来る。
『………、わかりました…今回の件に関係している天使と悪魔にその条件を話しておきます。』
『関係ない悪魔や天使に知られないようにしてね、反乱が起きたら大変だから♪』
『わかっています、ただしこの条件以外の埋め合わせを求める可能性がありますが。』
『まぁ、無茶な事じゃなければ何とかするよ。』
悪魔が去っていく、神に創られた分際で偉そうに。
後日、今回の件に関わっている天使と悪魔全員が条件を飲んだとの連絡が入る。
本当に愚かで可愛そうな神の玩具逹。
そんな玩具逹を思いながら神は笑う、これから起きる事自分の信仰が増える事。
全ては神の思い通り。
神は世界毎に居ます!
もちろん、貞操観念逆転世界の神は奴ですが。
奴が創り出した天使と悪魔もあの世界には居ます、子は親に似ると言いますよね。
追記:話の流れ的に逆転世界には天使と悪魔は居ない事になりました!!
天使と悪魔は元の世界にのみ存在してます。
本当は元の世界も日本なら天使と悪魔の管轄外だと思いますが…、そこは八百万の神と言いますから…外国の神が管理してても不思議ではない…はず…。
国内に教会とか結構ありますし!