14
電子音が鳴りおわり舞さんがスパイキューブを外す、そしてスーツケースを開くと中身はノートパソコンのようになっていた。
ただし、キーボードがあるべき部分にはスマホが置いてある。
「まぁ、やっぱりイージスクラスになるよねぇ…」
舞さんがモニターを見ながら呟く。
確かに、モニターには[セキュリティクラス:イージス]と表示されていた。
「あの、セキュリティクラスって何ですか?」
「んっとね、特別保護にも色々あってね、優秀な男の子にもやっぱり優劣があるでしょ?
スパイキューブはそれを判定する役目も持ってるから、どちらにしろ一回はやってもらう必要はあったんだよね。」
「つまり、特別保護もこのセキュリティクラスによって受けられる保護が違うって事ですか。」
「まぁ、男の子からしたら品定めされてるみたいで気分悪いよね、やっぱり政府が関係しちゃうとどうしても…ね?」
舞さんが申し訳なさそうに笑う。
「でもイージスクラスかぁ…、ん~困ったなぁ。」
「どうします、無崎さん?」
「どうしますって言われてもねぇ…、判定が出た時点で本部と国には結果が送られてるから。」
「何か問題があるんですか?」
「あぁいや、翔ちゃんが悪いわけじゃないんだけどね~。」
しびれを切らしたのか七御さんが話始めた。
「白羽様が優秀過ぎる事が問題なのです。」
「七御さん言い方を考えなさい。」
「ですが事実です、他のイージスクラスの方に比べ白羽様はあまりにも優秀過ぎるのです。」
「まさか、優秀過ぎて困るなんて考えもみなかったな~。
それに他のイージスクラスの子と可愛い翔ちゃんが一緒にされるのはなぁ…、貴女達が勝手なことをするから。」
梅井さんは早い段階で開き直っており、七御さんも先ほどので開き直ってた様だ。
植野さんだけは未だに青い顔のままだ、というか先ほどから一言も喋っていない。
「あの、植野さん俺は気にしてませんから。」
「もう、翔ちゃんは優しすぎるんだよ。」
「お願い舞さん、僕は気にしてないから許してあげて?」
あざとく僕っ子で舞さんへのお願いは周りを巻き込みながらも絶大な効果を発揮した、顔が赤くなり息も荒くなりながら今回の事はこれ以上おとがめなしと舞さんは三人に言った。
「それじゃあ、翔ちゃんのイージスを渡しておくね、翔ちゃんのイージスはNo.4で登録されるから。」
「No.4って事は俺の他に三人イージスクラスの人が居るって事ですか。」
「ん~、そうなんだけどねぇ…基本的には接触しないはずだから気にしなくて良いよ。
というか、気にしちゃダメだからね!」
舞さんから念押しされたが、嫌な予感がしていた。