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「つまり、翔ちゃんがスパイキューブを一瞬で解いてしまったから正常に動作するかの確認をしていたと?」
「そうなんですよ、や…七御さんを止められなった責任はありますけど、ウチもコレを一瞬で解けるなんて聞いたこともないですよ。」
「あり得なくはないけど…、確か天文学的な確率のハズよ。
それを二回連続だなんて…」
舞さんも不思議そうにこちらを見てくる。
ちなみに、俺はお母さんと舞さんの間に座っている。
正面に保護官の三人が座っていて、姉妹はテレビ前のソファーからこちらの様子を見ている。
「ちょっとやってみてもらって良い?」
「良いですよ。」
ジャキンッ
ジャコンッ
起動したのを受け取ろうとしただけで解けてしまった。
その場に居る全員が苦笑いをする。
「(感じる…感じるぞ!遠くからこっち見て、ほくそ笑んでる奴は誰だぁ!!)」
『僕だよ☆』
やっぱり神の仕業か…
「(さっきまでのはお前の仕業か?)」
『僕の仕業と言うか、神の器の力だね~。
神は全知全能なんだから、その程度の玩具で試そうとするのが間違ってるんだよ。
神が解けない事なんて人間の心位じゃないかな。』
「(わかってりゃ信仰が失われるわけないもんな。)」
『そゆこと~♪』
「翔ちゃん大丈夫?」
「えっあ、うん大丈夫だよ?」
「本当に?」
『君、はたから見たら苦笑いからいきなり無表情になってたからね。
僕と話す時は回りに気を付けた方がいいよ。』
「(そういうのは先に言っとけよ!)
大丈夫だよ、ちょっと考え事してただけだから。」
お母さんだけじゃなく舞さんや保護官の三人まで心配そうな視線を向けてくる、次からは気を付けよう…
「とっとにかく合格は合格なんだから、アレは持ってきてる?」
「持ってきてます!!」
植野さんがテーブルの上にスーツケースを置く。
「翔ちゃん、この窪みにスパイキューブをハメてもらっても良い?」
なんだか言い方が…、気のせいだろうか…
「こうですか?」
窪みにスパイキューブを置くとスーツケースから電子音がし始めた。