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新キャラ登場です!
お母さんと共にスーツ姿の女性三人が入ってくる。
最初に入ってきた女性は俺をジッと見つめてきた、見つめられているより睨まれている感じがする。
次に入ってきた女性はそわそわと落ち着かない様子で、俺と目が合っても顔を赤くしてすぐにそらせていた。
最後に入ってきた女性はそんな二人の様子を見て呆れている様子だった。
「白羽様、ご無沙汰しております。
今回の事故は本部からの報告で聞きました、白羽様の"お身体"に怪我がなく良かったです。」
目付きだけじゃなく口調までキツいお姉さんだ…
「ちょっと弥恵ちゃん、そんな言い方はマズイでしょ!」
二番に入ってきたお姉さんが小声で注意したが丸聞こえである。
「この人達がさっき話した翔をこっそり監視してたけど、翔に見つかって追い返された人達だよ…」
「だからさっきから睨まれてるのか…」
「そうかなぁ…?」
茉莉姉がこっそり耳打ちしてくれた。
確かに、いくら保護対象とはいえほぼ無能扱いをしてきた相手に良い顔をする人は少ないだろう。
それが手のひら返しでやっぱり保護してくれと言ってきたら尚更だ。
「白羽様、たいへん申し訳ないのですが記憶喪失になられたとのお話でしたが…それにあたって特別保護指定の対象となるかの簡単なテストを行わせていただいてよろしいでしょうか。」
「ちょっと、なに「良いですよ。」ですか!」
「「えっ?」」
來未姉さんの言葉を遮ってしまったが、普通に考えればあまりにも都合の良い話なのだから対象になるかのテスト位はやるべきだろう。
ただ、一緒に来ている保護官がそんな話聞いてないみたいな顔をしていた様な気がしたのだが気のせいだろうか…。
「翔くん、そんなテストなんて聞いたことも無いのにわざわざ受ける必要なんてないでしょ。」
「いや、単純に今まで例が無かっただけかもしれないし…。」
「そっ、それではテストの説明をさせていただいてよろしいでしょうか。」
「お願いします。」
若干強引だったか、來未姉さんと茉莉姉は何か言いたげにこちらを見てくるし、桜ちゃんは目付きの悪い保護官を睨んでしまっている…、お母さんは…またリビングから居なくなっていた。
保護官達は目付きの悪い人はこちらを睨んでいるが、二番目の人はどう見ても知らされてなかった様子だし三番目の人は何やらスマホらしき物を操作している。
「テストは至って簡単です、こちらのスパイキューブを解いていただくだけです。」
「ちょっと弥恵ちゃん。」
「何ですか梅井さん、白羽様には"簡単"なテストだと思いますが。」
「だからって…」
何やら沈黙を貫いていた三番目の人、梅井さんだったかが声を荒らげる事ではあるようだ…。
黙って見ていたが、大丈夫なのか…?
登場人物が増えてくとどうしても誰がしゃべってるかわからなくなったり、居るはずなのに喋らなかったりするから大変ですね。