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貞操観念が逆転した世界で信仰集め  作者: モ=ノクロウ
転生から始まる信仰稼ぎ
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1.プロローグ

貞操観念逆転世界に転生!したかと思えば、転生した身体は神の器。

自分への信仰を集めるのが面倒になった神から代わりに信仰を集めて来いと言われ。

愛や憧れ、俺に向けられる好意的な感情は全て信仰にカウントするそうだ。

神の祝福(チート)されたり、神の試練(ひまつぶし)を乗り越えたり。

そんな異世界転生が始まった。



※更新は不定期です。


 「だぁぁぁ、不味いマズイまずぃぃ遅刻するぅ!」


 「はぁはぁはぁ!(まさか久々に寝坊するなんて!)」


 必死に始業時間に間に合うよう祈りながら愛車のマウンテンバイクを漕ぐ。


 「はぁはぁはぁ、くっそぉ!!

(昨日、気に入ってるネット小説が連続更新されたからって寝る間も惜しんで読んだのが不味かった…!)」


 今までも何度か寝坊ぎりぎりな事はあったが、それでも仕事に遅刻する事はなかった。

 しかし、今日に限って遅刻ギリギリの時間に起きてしまったのだ。


 「はぁはぁはぁ~。(大丈夫…、このペースで行ければおそらく…多分…きっと間に合うはず!!)」


 奇跡的に一度も信号にも引っ掛からずに職場近くの大通りまで来れた事で気持ちに余裕が生まれ気が緩んだ次の瞬間、後ろからクラクションが聞こえたと思った所で俺の意識は闇につつまれた。






 しばらくすると眩い光が点滅する中で何かが聞こえてきた。


 「…し……らは……しら…………さん……白羽(しらは)…さ…ん!」


 「き……ま…か…!」


 「…聞こえま…か…は (しょう)さん!」


 「(誰だろう…誰かが呼んで…。)」


 誰かが自分を呼んでいる…、だけれど声が出なければ目も閉じているのか開いているのかわからない状態だ。


 そもそも自分は今どうなっているのか…、そこまで考えられたが再び意識は闇の中に沈んでいった。




 「うぅ…ん…?(なんだ…、頭が凄く痛い…それにここは…?)」


 再び意識を取り戻した俺は見覚えのない部屋で見慣れたベッドに寝かされていた。


 「(ここは…何処かの病院か…?)」


 まだ混乱しているのか意識がハッキリせず今の自分が置かれた状況が理解できないの為、とりあえずナースコールを押し看護師に今の状況から病院に運ばれてきた理由などを質問した。


 看護師の話によると…俺は後ろから走ってきたトラックにクラクションを鳴らされ、自転車のバランスを崩し街路樹に突っ込み自転車から放り出されて盛大に転倒したらしい…。


 俺にクラクションを鳴らしたトラックは俺が盛大に転倒したのを見て焦ったのか、そのまま逃げてしまったそうだ…こちらも車道を全速力で走っていて注意散漫になっていたとはいえ…まさかトラックのクラクションに驚いてバランスを崩すとは…。


 だが、どうも記憶が曖昧になっているのか…トラックにクラクションを鳴らされたのは覚えているが、それに驚いたかと言われたらバランスを崩すほどではなかったと思う。


 そもそも、トラックにクラクションを鳴らされるなど車道を走っていれば日常茶飯事だ…。


 さすがに、日常茶飯事とはいえクラクションの後にあの巨大な車体が横を走っていくのはかなり心臓には悪いのだが…。


 と…先ほどから現実逃避を行っているが…。


 どれほど気を失っていたのかはわからないが、一つわかるとしたら。


 職場に連絡が行ってなかったら確実に無断欠勤になっているのでは…、いや…病院に運ばれたのだ…保険証やら何やらで家族と職場には連絡が行っているハズだ…行ってるよね?


 とりあえず職場から連絡が来ているかもしれないからスマホを確認……おや、俺のスマホどころか荷物が見当たらないぞ?


 ベッド近くのかごの中には何も入ってない…棚の中も空っぽだ…、もしかして病院で預かっているのかもしれないと思い看護師に確認すると、俺が運ばれてきた時点で何も持っていなかったそうだ…。


 目眩がする…、ポケットに入れていたハズのスマホや鍵だけでなく財布とかも入っていたリュックまでもが無くなっているなんて…。


 看護師が警察に連絡してみると言ってくれたので多少は気が楽になったが…、それでも周りと連絡がつかないのは不安でしょうがない。


 一旦冷静になろう…。


 冷静になって気が付いたが…、なんだか身体の感覚がおかしい。


 盛大に転んだのなら頭痛だけでなくぶつけた所がかなり痛むハズだが、頭痛以外に痛みが無いどころか今まで悩みの種だった膝や腰の痛みすらなくなっている。


 あまりの痛みのせいで感覚が麻痺しているのかと思ったが、それにしては身体か軽い。


 むしろ若返った様な感じだ…、いや…そこまで老けてはいなかったが。


 身体の調子を確かめている内に大分落ち着いてきたのか、先ほど看護師が話していた事を思いだした。


 「そういえば、病院が保護者に連絡してあるって言ってたような…。

まだ混乱していたからハッキリと聞いていた訳じゃないけど、子供じゃあるまいし保護者じゃなくて家族と言った方が正しいだろ…聞き間違えか?」



 その後、病室で休んでいると家族が来るまでに簡単な検査を受けてほしいとやけに低姿勢で頼まれた。


 自分としても何とも言えない身体の違和感が心配だったので正直助かる、なぜか看護師の方がほっとしている様だったのが気になったが…。


 看護師に連れられて本当に簡単な検査を受けた、検査と言うか診察と言った方がしっくりくるほど簡単なものだったが…精密検査は家族が来てから行うそうだ。


 検査後、母さんが来るまで病室で待っているのも暇だったのでテレビが置いてある談話室で過ごす事にした。


 談話室には誰も居なかったので一番見やすい場所に座ってテレビを見始めたが、テレビで流れているニュースに違和感を感じた。


 「ん…、なんだコレ?」


 ニュース番組のお天気お姉さんがお天気お兄さんになっていたり、事件のニュースでは20代の女性が30代の男性の下着を盗んだなどという意味不明な事件、番組の特集ではいま一番男性に大人気のスイーツ特集など誰特な特集…


 「は…?

女性向けのニュースが全く無いじゃないか…。」


 他のチャンネルに変えても大抵が男性向けの少しおかしいニュースだったり、見慣れた昼ドラの刑事物は主人公が女性になっていたり…ちょうど放送していた洋画も上半身裸の筋肉ムキムキマッチョのアマゾネスの様な女性が聞き覚えのある効果音と共にロケットランチャーを背負うシーンが流れていた。


 「(なん…だこれ、これじゃあ…まるで俺の…俺の好きな小説の…)」


 ドッキリか何かではないかと回りを見回しながら(洋画のシーンも合わさった)あまりのショックに再び混乱に陥ってしまいそうになった瞬間。


 『そうだねぇ~、君の憧れてやまなかった貞操観念逆転世界だねぇ。』


 突然、誰も居なかったハズの背後から声をかけられた。


 声をかけられた事に驚き振り返るとそこには、血まみれになって気味が悪いへらへらとした笑顔を浮かべた(じぶん)が立っていた…

2017/12/7

タイトルとストーリーを大幅に変更しました。

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