第3話
…。
え、怖い、どうしよぅ。助けて、神様ヘールプミィー!!………とりあえず、落ち着こう。焦ってもパニックになってもどーせそんなに変わらないんだし。相変わらず犬は吠えまくってるしさぁ。
「助けてよ…神様…」
パキっと木の折れる音が背後から聞こえる。人?それとも魔物的な何か?どっちにしても、背後からは怖いって、マジで。
「だ、大丈夫か?」
「初対面でこう言うのもなんですが、大丈夫に見えますかね?」
私、今結構焦ってるし、怒ってるんだよね。神様にたいして。だからさぁ、八つ当たりっぽくなっても少し位見逃して?
「すまない。それもそうだな。
俺は、アルト・ハルレルト。宮廷魔術師だ。」
どうしよ。名前ってそのまま名のっていいものなのかな。じゃ、ちょこっとだけ変えて…。
「私は、リュート。リュート・アルベルト。こちらこそ、すみませんでした。」
「ほぅ…。珍しい名前だな。」
「気にしないで下さい。それより、宮廷魔術師なんですね。」
「あぁ。だがみたところ、お前も魔法が使えるだろう?悪いが、城にきてもらってもいいか?」
「よくないです。なぜ魔法が使えると、城に連れていかれるのですか?」
「敬語はやめろ。
この国の王、レン様のワガママだ。」
うっわ、なんかめんどくさいのに巻き込まれた気がするんですけど。気のせいですかねぇ。
”きてもらってもいいか?″って、聞いてるけど、私に拒否権があるとは思えない話し方だ。
「ちなみに拒否できるの?」
「拒否した場合、強制的に連れていく。」
…鬼だ。この人、鬼だよ!
「行ってもいいけど、私、何も出来ないよ?」
「…安心しろ。俺が教える。
じゃあ、これに乗るぞ。」
といって、アルトさんが連れてきたのは、ドラゴンだった。…え、ここなんでもアリなんですね。
「ちょっとだけ待って?これに乗るの?本気?冗談だよね?」
「本気だ。じゃぁ、行くぞ!」
「キャァァァア!」
あ、私、死んだかも。