第2話
えっと?
…ここは魔法が使えるみたいだね…。しかも、無言で。
どーうしーましょ。あ、私ここに来てから”どうしよう″しか言ってないかも。
んまぁ、魔法が使えるってわかった事だし、ちょっとだけウロウロしてみるかなぁ。暇だし。
『ギャギャギャギャギャ』
なんか、聞きたくないものが聞こえた気がする。やっぱり、止めとこう。一回死んじゃってるけど、一応死にたくないし。
「どれもこれも、こんなとこに連れてきた神様のせいだ…」
誰か居ないのかなぁ。心細い、心細くってもう、それだけで死にそう。
「誰か…」
私が呟いたのと同時位に、茂みがガサガサっと動いた。え、ちょ、やっぱり無しの方向でおねがいしますー!いや、人が居てくれた方がいいけどさ、なんか怖い人とか、人間じゃないのが出てきたら困るじゃん?ワガママと言われても怖いものは怖い!って事でサササっと後ずさり。ビビりとか、ヘタレとか、なんとでも言ってください。背に腹はかえられませんからね!
「クゥン」
あれ、犬?
私、犬に怯えてたのかぁ…。
「ガルルルルゥ」
「えぇ!?ちょ、ホントに待ってぇ!」
神様の、大バカ者ぉぉ!
この状況、おかしいでしょうが!
「だ、誰か、本当に助けて下さいぃぃ!」