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想いは水のように

作者: MKT

「邪悪なる竜が近隣の村を荒らしており、非常に困っているのです。すでに何人もの村人が犠牲に」

「それは知っている。騎士団の人間もまるで歯が立たなかったとも」

「さようです。して……」

「用件はわかっているつもりだ。こうして僕の前に現れたということは、僕自らが赴かなければならないということだろう」

「……はい。王子自ら危地へ向かうなどと、本来あってはならないのですが……」

「他に誰もいないのだ。仕方あるまい」

「申し訳ございません。なにとぞご容赦下さい」

「かまわん」

 

 ファミール王国の王城の、とある一室での会話。

 

 第一王位継承者であるセインズ王子の元に、一人の老人が面会に訪れた。

 老人は辺境の村の村長であり、最近になって出没し始めた竜の存在に脅かされているという。

 それ自体は次期国王のセインズが知らないはずがなかったし、騎士団が派遣されていることも知っていた。

 しかし、それでも事態は収束しなかったのである。

 

 セインズは王子でありながらも、剣士として最高の資質を兼ね備えていた。

 騎士団で討伐できないのならば、それよりも強い者が向かうのは自然な流れであって、それは歴戦の勇士として有名な国王か、その血を濃く引き継ぐセインズしかいなかったのである。

 現国王か、第二第三……と、他にも候補がいる跡継ぎか。どちらに依頼すべきかは明瞭であった。

 

 

「どうかお気をつけて」

「心配するな。君をおいてくたばるものか」

 

 セインズの傍らには、その妻であるユイナが佇んでいた。

 政務などで許されない場合以外は常に寄り添っていて、誰が見ても深く心を通わせているのだろうと思わせる光景だった。本当に仲睦まじく、決して仮面夫婦などではないと。

 

 事実、ユイナはセインズを深く想っていたし、セインズもまた然りであった。

 だから、セインズが危険な場所に赴くとなれば、神経が削られる思いのユイナだったが、国を守るのが王族の努め。それを支えるのもまた王族の妻の努め。それを理解してこその婚姻であったから、引き留めるようなことはできなかった。

 

 そして数日後、精鋭を数人引き連れてセインズは旅立った。

 その背中を見届けながら、ユイナは今までのことを思い返していた。

 

 自分がこの国に来て、セインズと出会ってからのことを――。

 

 

 □

 

 

 元々平凡な女子高校生であったユイナ――正確には中丸なかまる結菜ゆいな――は、ある日突然なんの前触れもなくして異世界へやってきてしまった。

 

 風景、文化、服装、文字や言葉すらもまるで違う異なる世界。西洋ファンタジーさながらのその世界は、まるでゲームや小説の中であるかのように剣と魔法、モンスターの存在があった。

 現代日本と比べればあまりに危険。ユイナは異世界に降り立ってすぐにそれを痛感することになる。

 

 草原に立たされていたユイナの前に現れた、ほんの小さな猫型のモンスター。現地人であればさほど警戒するでもないが、そんなものを初めて目の当たりにしたユイナには、虎よりも恐ろしく映った。

 

 ゆえに、恐怖した。だるま落としのように下半身を持っていかれた感覚。

 膝の力が抜けて、立っていること叶わずにその場にぺたんと尻餅をつく。

 

 ここかどこであるのかを推測するよりも前に、生命の危機を痛烈に感じてユイナの視界は滲んでいく。

 緩く電流を流し込まれたかのように鈍く体が震えている。

 カチカチカチカチと、どこかすぐ近くで、何かがやたらにうるさく鳴っている。

 その音が、自分の奥歯から鳴っていることすらも認識できないほどに、ユイナの頭は恐怖で塗り尽くされて混乱していた。

 

 この世界の人々が常識的に常備しているナイフの一つでもちらつかせれば、簡単に尻尾を巻いて逃げ出すような下等モンスターであるのだが、この時点でユイナがそれを知るすべはなかった。

 そして、猫のようなモンスターはユイナに襲いかかった。反射的に目を閉じるユイナ。

 

 ――その時。

 

 暗闇の中、聞いたこともないような音が響いた。

 絹を裂くような、それでいて湿り気を帯びたような、記憶にない音だった。

 その一瞬あとに、短い悲鳴が聞こえた。通学時、信号待ちをしているときに、かわいそうに車に跳ねられてしまった猫が発した声に似ていた。

 

 そして、人の声がした。自分に何か語りかけているのだと、なんとなくは感じたのだが、しかし聞いたこともないような言語だった。

 だから、何を言っているのかまるでわからなかったのだが、襲われたはずの自分が現時点で痛みがないということは、声の主に助けられたのだと思い至ってユイナは目を開ける。

 そのくらいの状況整理ができるくらいには、ユイナは混乱から回復していた。

 

 

 白く、きらびやかな服装をした青年が立っていた。

 どこかで見た、西洋の貴族のような格好ではあったが、それとは確かに何かが違っている。

 青年の後ろに何人か、金属の鎧を纏った人間が立っていて、青年の付き人なのだと判断できた。こちらもどこかで見たことがあるような、それなのに見たことがないような、ファンタジー超大作映画にでも出てきそうな格好だった。鎧を着ている人間など、ユイナは見たことがあるはずもない。

 

 にこやかに笑いながら、未だわからぬ言語で話しかける青年。

 細身でありながらも凛々しい顔つき。淡い緑の髪がサラサラと風に揺れている。瞳の色はといえば濃い紫だ。

 ユイナの常識では奇抜な配色だ。しかし、不自然さはまるでなく、生まれついてのものなのだと一目で判別できた。

 

 ならばここは、心のどこかで僅かながらにも思っていた、異世界なのだろうか。

 現実味がまるで伴わない世界は、だけれどモンスターに襲われかけた時に感じた恐怖は確かに現実だった。

 

 ふと脇を見やれば、さきほどのモンスターは二つに裂かれて地面に転がっている。

 自分はやはり助けられたのだと安心してから数秒後、徐々に勢いを増してこみ上げてきたのは不安だった。

 

 青年も青年の後ろにいる兵士のような連中も、何を言っているのかわからない。

 筆談を試みたのか、何かが書かれた紙を渡されたのだがそれも読めない。

 これからどうすれば生きていけるのか、設計図が欠片も描けない。

 

 ただ、青年の笑顔は自分を怖がらせないよう気遣ってくれているように思えて、それは信じていいような気がした。

 

 だから、立ち上がれた。立ち上がって、歩くことができた。

 言葉は通じなかったが、視線で表情で顔色で、ほんの微量でも掴みとれるものを掴みとろうとした。

 藁にもすがる思いで。

 この青年を信じてもいいのだと、ユイナは直感していた。

 

 そうしてユイナは青年に導かれるまま、城下町にある、とある家に預けられた。その時の青年こそがセインズである。

 ユイナはセインズが第一王子であるなどと、この時まさか知る由もなかった。

 

 

 □

 

 

 ユイナが預けられたのは、とても面倒見が良く優しい老夫婦の元だった。

 一人息子は遠方に働きに出てしまっていて、寂しさを感じていることも把握してこその、セインズの采配であった。

 

 言葉も話せないユイナを面倒とはまるで思わずに、逆に息子が赤ん坊だった頃を思い出して、喜んで世話と教育をした。

 赤ん坊と比べては語弊が生じるかもしれないが、夫婦が老いていたからこそ懐古心がくすぐられていたのかもしれない。

 

 そうして暮らしていくうちに、自然と言葉もわかるようになってきて、文字も理解できるようになっていった。

 人間の順応力は高いのだなとユイナは思って、同時に、それなのにどうして自分の英語の成績はあんなにも悪かったのだろうと思い返して苦笑した。

 

 

 □

 

 

「ユイナや。今日はセインズ様がお見えになられる日だよ。粗相のないようにね」

「もうお母さんったら。いっつもそればっかり。わかってますよ」

 

 一年も経つ頃には、ユイナはすっかり世界に適応できていた。

 素直に老夫婦を両親だと思えるようになった。

 

 その間、セインズは多忙の合間を縫って何度も面会に訪れていた。

 セインズの心境としては、どうしても時間を無理やり作ってでも、ユイナが元気で暮らしているか馴染めているかが気になって仕方なかったのだが、どうしてそう思っているのか自分でもわからずにいた。

 その心境が何であるのかを自分で気づくのはもう少し後のことだし、ユイナがそれを知るのは更にもう少し後のこと。

 

 途中、セインズが時期国王だと知ってユイナは深々と頭を下げようとしたが、セインズはそれを制した。

 

 元の世界に帰れる様子がないことに、ユイナは寂しさと悲しさを隠せなかったが、慈愛溢れる老夫婦の元で過ごす日々は、それなりに幸せだった。

 帰れないとはいえ、帰れたら帰りたいのかと問われれば、ユイナは返答に困ったことだろう。

 たびたび自分を訪ねてくるセインズが主な要因だということは薄々自分で感づいてはいたものの、相手の立場から考えると、その考えは破棄せざるを得なかった。

 

 そうしてもう一年が過ぎた頃。

 

 ユイナは十八歳となっていた。この世界ではそろそろ結婚を考えなければならない時期だ。

 近隣の住人ともそれなりに打ち解けてきていたユイナだったが、その中の男の誰とも自分と結びつけるイメージが湧かなかった。湧くのは一人だけ。だが恐れ多いことだったので、頭を振ってそれを追い出した。

 

 ユイナの見た目はいい方だ。それはこの世界でも前の世界でも変わらなかった。

 人格も特に致命的な短所など見当たらない。老夫婦からの好意を曲解もしくは邪推せずに受け止められるような素直さがあった。

 だから、適齢期となったユイナの元にはいくつかの話が舞い込んできた。

 老夫婦もこの人はどうかこの人ならどうかと何人か推してきたが、ユイナはどうしても踏み切れなかった。

 

 そんな折、いつものように訪ねてきたセインズが、ユイナの手を取りこう言った。

 

「君を妃に迎えたい。僕の妻となってくれ」

 

 腰を抜かしたのは傍らにいた老夫婦の方だ。ユイナは腰を抜かすことすら忘れてただ呆然と立ち尽くすのみ。

 信じ難かったが、どこに断る理由があろうものか。

 ユイナは頬を染めながら頷き、セインズの妻となった。

 

 

 身元も定かでない街娘と時期国王との婚姻は、大変な困難を伴った。

 もちろん、ようやく異世界に順応できた頃に今度は王宮などという未知の世界に入ったのだから、その点での困難もあったのだが、それすらも些細な問題でしかなかったほどに、周りからの圧力があった。

 周囲の猛反対は嵐の如し。反セインズ派と呼ばれる、他の王子を支持する連中はここぞとばかりにセインズを罵った。

 

 それにセインズは、一国の第一王子であって年齢はユイナの一つ上だ。当然、すでに婚約者がいた。にも関わらず、それを破棄したのだから、例に漏れずプライドの高い貴族の元婚約者からの、妬みや嫉妬は妨害や嫌がらせに発展する。

 

「苦労をかけてすまない」

「とんでもございません」

 

 セインズはユイナを労う言葉をかけ続け、セインズもまた苦労があったはずなのに、それをお首にもださずにいたことをユイナは察して、気を強く持った。

 だから、進めた。

 

 困難をはねのけて突き通せたのは、ひとえに二人の強い想いからだろう。

 周囲を完全に沈黙させることはできなかったが、それでもあらかた黙らせることには成功したのである。

 

 そして二年の月日が流れて――。

 

 

 未だセインズらに敵対心を向けてくる者はいるが、それもごく少数派になっていた。

 このまま何事もなく平穏無事に過ごせるのだろうと思っていた、そんな折にこたびの竜退治の話が舞い込んできたのである。

 

 危険が伴うのは言うまでもない。

 荷物にしかならないのに付いていくわけにもいかない。

 なので、ユイナはただセインズの無事を願うしかなかった。

 

 ユイナはセインズが帰投するまでの一週間、祈り続けた。

 どうか無事に帰ってきますように。

 五体満足で帰ってきてくれれば何もいらない。いいや、たとえ腕が落ちようとも、生きて帰ってきてくれればいい。

 セインズがセインズであるまま帰ってきてくれれば、それだけでいい。

 

 切なる願いをひたすらに、連日祈り続け一週間後、セインズは帰投した。

 知らせを聞いたユイナは焦る気持ちを抑え、それでも足早に城門へ向かう。

 遠目に見えてくる人影は大怪我を負っているようでもなく、ほっと息を漏らしながら更に足を速めた。

 

 しかし、帰投したセインズを見た瞬間、心臓を鷲掴みにされたような悪寒がした。

 身体こそ無事なようだったが、顔や瞳の色がどこか、確かに以前とは様子が違っていたのである。

 表情を凍らせるユイナに歩み寄るセインズの口から、にわかに信じがたい言葉が出た。

 

「……君は……誰だ?」

 

 

 

 □

 

 

 

 竜退治には成功したのだ。

 

 ただ、死に際の竜から呪詛を受けてしまったのだと、それによって記憶が抜け落ちてしまったようなのだと付き人の兵士から説明を受けた。

 一連の説明も、ユイナの耳にはまともに入ってこない。

 

 セインズは無事に帰ってきた。なのにセインズはいなくなってしまった。

 その事実を受け入れるのは、ユイナにとっては不可能の領域にあった。少なくともこの時点では。

 

 

 各所から医師を招集して、セインズの治療が始まった。

 しかし、名医と謳われたどの医師もさじを投げてしまう。

 症状としては、脳の機能が壊れてしまったという詳細が明らかになった。積み重ねた記憶が大部分吹き飛んで、これからも記憶を蓄えていくのは難しいだろうということだ。

 生きていく最低限の知識は保っている。しかし関わった人間や経験した出来事は、手から水が零れるようになくなってしまうのだ。

 

 ユイナはそんなことは知りたくもなかった。

 

 呆けた表情で虚空を見つめるセインズには以前の凛々しさが微塵もなく、それを見るだけでユイナの心はひどく痛んだ。

 

 魔の森の奥にある薬草があればいかなる病も治せるのです。

 

 そんな御伽話のように都合のいい活路は見いだせずに数日間が過ぎた。

 

 

 □

 

 

「やあ君。いつも手伝ってくれてありがとう。名前を聞いてもいいかな?」

「……はい。ユイナと申します」

「そうか。いい名だね。えっと、僕は…………あれ、なんだっけな……」

「あなたの名前はセインズですよ」

「ああ、そうなのか」

 

 セインズは、自分が何者であるのかもユイナが自分にとってどういった存在であるのかも、その名前すらもいくら何度説明しようと、一晩経てばすっかり忘れてしまっていた。

 だけども経験は、いくぶんか残っているようだった。水が零れ落ちた手のひらに雫が残るように。それだけでも嬉しく思えた。

 

 ユイナはセインズの傍を離れないように努めて過ごした。

 移動するにも道が覚えられずにいるものだから、誰かが常に付き添っている必要があったのだ。

 ユイナは侍女の如く、その役目を買ってでた。

 

 それからしばらくして、セインズの王位は剥奪されることに決まった。継承権は第二王子に移る。国としては当然の決断だ。

 反セインズ派の連中は、こぞって大仰に喜んでみせたが、ユイナにとってはもはやどうでもいいことだった。

 しかしセインズが王家の血を引いていることは確かだし、今までの功績もある。セインズ夫妻は王宮から追放されずに済んだ。

 

 そして王宮の一室でひたすらに、回復の見込みがない闘病生活を送り続ける。

 時には文字すら読めなくなるセインズに、それをまた忘れてしまうとわかっていても教えたりした。

 かつての自分もまるで文字が読めなかったことを思い出すと、立場が逆転していることは、ほんの少し面白く思えた。

 

 一向に回復の兆しは見えないけれど、それでも根気強く看病を続けていればいつの日にか――。

 ユイナが自我を保つには、そう信じるしかなかった。愛の力で――なんて言うつもりもないけれど、どこかに何かに縋っていなければ、瓦解してしまいそうだった。

 

 

 □

 

 

 一年という月日が流れても、セインズの病状は変わらなかった。

 

 毎日同じようなことを続けるユイナを不憫に思って、国王はユイナの元を訪れる。

 

「そなたはまだ若い。息子の看病だけで一生を終えるつもりでもあるまい」

「それは、どういった意味でしょう……」

 

 要はセインズから離れて自由に過ごしなさいということだ。

 器量のいい娘がセインズに縛られたままでは可哀想だという見解。

 

「セインズはもう既に、王子とは言えぬ身だ。付き添ったところでそなたには何も……」

「失礼ですが、国王様――」

 

 善意で呪縛から解き放ってあげようとする国王に対して、ユイナは力強く言い放つ。

 

「私は、セインズ様が王子だからお慕い申し上げているのではありません!」

 

 その言葉に国王は、かえって感心した。自分の発言を遮ってでも、それがどのくらい無礼なことかを承知した上で、それでも声を大にして言いたかったこと。

 

 ――それならば、いいだろう。

 反セインズ派と呼ばれている連中が、なんとかセインズ夫妻を王宮から追い出そうとしていることは感づいていたが……これは是が非でも止めなければならないな、と、国王はそう思った。

 

 

 □

 

 

 岩に染み入る水の如く。

 ユイナの想いは阻まれて、しかし確かに浸透していく。

 

 

 セインズがどの程度それを自覚していたのかはわからない。あるいはそんなことは、さしたる問題ではなかったのかもしれない。

 

 ともかく、それから数日が過ぎたある日。セインズは未だ戻らぬ記憶の中、それでもはっきりとわかったことをただ率直に述べたのだった。

 

「ユイナ、さん。ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど」

「はい。どうしました?」

 

 どことなくそわそわしているセインズを見て、ユイナはどうしたことかと首をかしげた。

 

「……どうやら僕は君に惚れてしまったらしい。こんな僕だけれど、一緒になってくれないか」

 

 ユイナはそれを聞いて、心の奥底にある堤防が決壊あるいは崩壊していくのを感じた。溢れ出たのは暖かい水で、涙となって溢れ出る。

 

 ああ、そうか。とユイナは思った。

 きっとこの出来事も、いつか忘れられるのだろう。

 そしてまたいつか、同じように想いを告げてくれるのだろう。

 その度に自分は嬉しくなって、頷くのだろう。

 きっとそういう運命なのだ、と。ユイナはそれでいいと思った。

 

 だから、泣いている自分を見て狼狽えるセインズに、こう返す。

 

「はい。何度でも、あなたの妻になりましょう」

 

 

 

 

 ――了――

 

 

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