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浮遊図書館の魔王様  作者: るーるー
魔王なります 編
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第二十二話 やりすぎました

「……やりすぎた」


 撤退していくファンガルム皇国軍を見ながらわたしは一人つぶやいた。

 当初の予定では軽くあしらう程度にとどめて城に突入してもらって四姉妹の(主にレキの)フラストレーションを吐き出させようと考えていたのに。


「まさかあそこまで強い魔法とは……」


 自分の右手に付けた漆黒の籠手を見る。

 魔力束の籠手のもう一つの能力。

 それはイメージしたものを魔力で作り出すという能力だ。

 だが、なんでも作れるというわけではない。あくまで自身の体の延長のみだ。

 さっきは魔力で自分の右腕を巨大化したイメージを作り上げ攻撃に使っただけなんだよね。

 確か、授業で聞いたことある話だとレベルの高い魔法使いならこんな魔導具を使わなくてもできるらしいけど。


「そんのめんどうだし」


 そもそもが細かい魔力の制御が向いてないんだからしかたない。

 だから本収集ブックメディリィを使った時も細かい設定ができず余計なものも集まったんだしね。

 再び視線を戻すと目の前にはクレーター状の大穴。黒腕を振り下ろしたらできた。地下水脈を叩いたのか水が湧き出てきている。

 横を見ると深い崖ができていた。黒腕を横薙ぎに払った時にできたやつだ。


「地図の作り直しが必要だよね。ま、未確認の水脈を見つけたからチャラということにしとこう」


 地形が変わったのを瞳に入れないように後ろを向く。

 過去は振り返ったら後悔しか残らないからね。決して責任問題が怖いわけじゃないよ? アトラに押し付けるし。


「でも、保険かけててよかったよ」


 もし保険かけてなかったら死者が恐ろしいことになってただろうし。

 最後に黒腕にかけた魔法。あれは強制転移魔法だ。

 発動条件は、


「黒腕の攻撃に触れた者を転移さす」


 黒腕の攻撃はどうも後から弾けた黒い光もカウントされてたらしく死体がなくてほっとしたよ。

 まぁ、衝撃波はカウントに入らなかったみたいだけど、攻めてきたんだから多少は痛い目にあってもわらわないとね。死んではいないと思うし。

 骨折くらいなら許容範囲内だし。


「敵も撤退したみたいだし戻って本読もう」


 転移魔法を使いながらふとわたしは思い出した。


「あ、飛ばした人達の転移先、指定するの忘れてた」

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