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浮遊図書館の魔王様  作者: るーるー
女神編
124/135

第115話 トラウマを無視しました

「ひぐぅ、グスン……」

「うう、尖ったの怖い」


 リングの端っこで女神タルメアとマーテが二人膝を抱えていて泣いていた。


「これがニニンバオリ! 恐ろしいゲームでした」


 レキが神妙な顔でそんなことを言ってくる。

 ……違うわたしの本で読んだニニンバオリとは違う。こんな終わった後に泣くようなゲームではなかったはずなんだけど。終わった後は甘酸っぱいような気恥ずかしいような空気が漂ってるはずなのに実際にあるのはすすり泣きの声だけだ。


「一体どこで間違えたんだ!」

「人選じゃろ」


 そうか、人選が悪かったか。確かにアルは容赦なかったし。女神むこう側の武蔵丸もかなりのスパルタだ。

 そう、人選が悪かったんだ。マーテには悪いことをした。


『では結果はっぴょ~ といっても発表するまでもありませんが』


 結局、女神タルメアも二杯目から全く進まず、ひたすらに顔をフォークで刺され続けるという罰ゲームに変わっていた。マーテはというと一杯も食べきることなく女神タルメア同様、顔串刺しゲームに変わっていた。

 まぁ、結界で無傷なんだけどね。


『タルメア二杯、マーテ一杯、よってタルメアの勝利です!』

「うぅぅ」

「タルメア様! これで女神の一番星になったぴょん」


 凄い、勝ったはずなのに全く喜んでない。というか周りも全く喜べてない。

 とりあえず、二人揃ってトラウマは作ったみたいだ。

 タルメアは武蔵丸が抱えて、マーテはアルが首根っこを摑んでひきづりながら各陣営の方に戻る。


「マーテ、大丈夫?」


 カタカタ震えるマーテが流石にかわいそうになり声をかけた。


「尖った物怖い尖った物怖い尖った物怖い」


 虚ろな目をしながら呟き続けるマーテ。

 ここまで追い込まれるとは……


『さぁ! 気を取り直して二回戦に進みましょう!』


 そんなトラウマを作ったこと全く意にかいさずウサギは楽しげに実況を続ける。

 こいつ、楽しんでるな〜


『二回戦に出る方はリングにどうぞー』

「さて、誰が行く?」


 後ろを振り返るとみんなが一斉に視線を逸らした。何で逸らすの。


「ゲーム内容しだいじゃないかのぅ」


 確かに、殴り合いにベアトリスを出したら瞬殺だろうし。

 うん、確かめとくかな。


「うさぎ、今度のゲームはどんなやつ?」

『走って飛んで的を割るゲームです!』


 あば〜うと。全く内容がわからない。

 でも、とりあえず頭を使いタイプのゲームじゃなさそうだし。


「……私が行きます」

「おお、やる気だね。ビリアラ」


 手を上げたビリアラは何故かやる気満々だ。


「的割りなら体力なくても大丈夫そうだし、マーテの仇をうつ!」


 おお! ビリアラが燃えている!いつになく燃えている!

 いつにない闘志を燃やしながらビリアラがリングに向かう。


『浮遊図書館側はメイドのビリアラだぁぁぁ! そして対する女神側は……』

「ライトアップ!」


 ピカピカと光り輝きながら 金とエメラルドグリーンの輝かんばかりの衣装を来た少女がリングに現れた。衣装の後ろにはいろいろと付いている羽根が揺れていた。


「このハピるんが相手よ!」


 いや、明らかにお前、ハピナスだろ。


「ついに隠さなくなったわね」

「魅せる快感ってやつかしら」


 女神サイドでも何か言ってるし。


『あのハピナス様? 女神はあくまでサポート役ですよ? 戦うのは勇者じゃないとだめですよ?』

「わかってる。私は戦わないわよ。勇者が戦うわ」

『では勇者を呼んでいただいても?』

「戦いが始まったら呼ぶわ」


 ふむ、勇者の正体を戦いが始まるまでは隠すつもりか。なかなかの策士かもしれない。


『では二回戦のゲームを発表します』

「……勝つ」

「まけないよ〜!」


 テンションの全く違う二人がリング中央にて対峙する。


『二回戦のゲーム、それは……都市間的当てだぁぁぁ!』


 全く想像のつかない種目が言い渡されました。

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