食事と女の子と
段々、タイトルがシンプルに
お腹が空きすぎてもう作法とか気にしない。腹が減っては戦ができぬだよね!
段々と遠巻きに見る人も慣れてきたよ。
「レオ殿、スノウ殿、アヤナ殿!」
「ユキムネ…」
ユキムネが帰ってきた。さっきのチンピラ、どうしたんだろう。
ユキムネが申し訳なさそうにしている。
「これから領地の方に帰らなくてはならなくなってしまった」
「そうか」
「気をつけて帰れよー」
えー、友人にその態度!?いや、友人なのか?よくわかんない。
「アヤナ殿、機会がござったら我が領地に遊びに来てくだされ。歓迎いたしますぞ」
「ありがとう」
機会が合ったら行くねー。
ユキムネはレオに何かの書類を渡し、消えた。あれが有名な転移ってかな?
「あ、あの…っ!」
先程、チンピラに怪我させられそうだった女の子が目の前にいる。
身体が震えて、顔も蒼白く酷く怯えた様子だ。この子、大丈夫?
「さっきは助けてくれてありがとうございます!」
「気にしなくていいのに。怪我してない?」
「は、はい!大丈夫です!」
何か緊張してる?
「そ、それだけですので。じゃあ!」
「待って」
そう言うと女の子は震えていた。別にとって食べるわけじゃないのに。
「この辺に休めるところない? 」
「え…?」
困惑している。無理もないか。でも、泊まる予定の宿が宿側のミスで泊まれなくなっちゃって、最悪野宿しなちゃいけないんだもん。
事情を説明すると、納得したようで女の子はこう口にした。
「よかったら、私の所はどうですか?」
「いいの…?」
「はい。うち、お母さんに聞いてみないとわかりませんが良かったら…」
あー、うーん。どうしようかな?
思い悩んでいるとスノウが了承していた。ちょっと、スノウ!?
「っ…分かりました!すぐ知らせてきます!」
嬉しくて仕方ないとでもいうかのごとく満面の笑顔で去っていった。可愛い!…じゃないよ!
「なんで…」
「だって、野宿したくないだろう」
それもそうだけどさー。
暫く待っていたら、女の子が帰ってきた。満面の笑顔で。
…宿が決定しました。