食事とユキムネと
最近、題名が思い付かない。
今回はちょっと長いです。
あー、美味しい!
目の前にあるご馳走の数々に食らい付いている私とそれをうっとりと見ているレオとスノウ、微笑ましそうに見ているユキムネがいます。
遠巻きに見ている方々もいまして食べにくいですが、目の前の料理を見ていたらそんなのはぶっ飛びました。
「おーお!トニー様のお通りだぜ!」
声のする方を明らかに小物臭のするチンピラと取り巻きが現れました!
周りの人を蹴散らしながら此方に向かって歩いています。
「お前ら!そこは俺の席だ!退きやがれ!」
うわあ!言うなあ。ってあ。
「餓鬼が!俺の前を歩くんじゃねぇ!」
子供がチンピラたちの前に料理をもった子供が通ったら、チンピラたちが!
慌てて子供のところに駆け寄る。
うん、大丈夫。怪我してない。
「子供を蹴るなんて最低」
子供は人類の宝なんだよ!小動物の次に可愛くて、思わず、頬をすりすりしたくなるぐらい可愛いんだから!
「うるせぇ!お前だって餓鬼だろうが!」
蹴られる!子供を庇いながら、当たるのに備えた。
あれ?痛みがないのでゆっくりと目を開けると、そこにはチンピラを足蹴にするスノウと頭を鷲掴みにするレオの姿があった。なんか、2人が怖い!
「アヤナに手を出すな」
「そうそう、駄目だぜ」
ほぼ同時に発しられたその言葉とともにバキボキという嫌な音をたてた。
「ーーーーっ」
チンピラの声にならない声が聞こえた。
うわっ、痛そう。骨、折れてないかな。
でも、どうやって2人を止めよう。
「スノウ殿、レオ殿、そこまでにしてくだされ」
あっ、ユキムネ。
「ユキムネ、黙れ。こいつはアヤナを…!」
「アヤナ殿が楽しく食事が出来ないでござるよ」
「……」
レオが押し黙った。
「こやつらの事は拙者にお任せ下され」
「…わかった」
レオがそう言うと、スノウはチンピラを引きずっていった。
チンピラたちがいなくなり、先程の事が何事も無かったように過ごした。
◇◇◇
「お主らも運が悪いでござるな」
目の前で縛られている男たちを見下しながら言う。
「俺を誰だと思ってるんだ!俺は…」
「スノウ殿とレオ殿を怒らせたアホどもでござろう」
何を当たり前の事を聞いてるのでござろう。この男たちは。
「本来なら拙者がお主らをやるはずだったはずなのだが、やりたいという希望者がでてな。お主らは魔界の奴らに引き渡すことになった」
“魔界”という言葉に男たちは余裕そうだったが段々と理解しだしたのか蒼白になっていく。
何かを喋ろうとしたので手下の蛇たちを召喚して、男たちを締め付ける。
「…っ……!…」
男たちは悶え苦しんでいたがどうでもいい。でも、まあ、手土産に一言だけ言おう。
「お主らが行ったことは許されることではない。精々、生きてることを祈ろう」
男たちを魔界に転移させた。
レオ殿の部下には拷問好きの輩がおるから其奴がやるだろう。
それにしても…、あのアヤナという小娘は不思議でござるな。スノウ殿とレオ殿を骨抜きにするとは。
冷酷無比で特に人間嫌いなお二方をあのような顔にするとはなど、世の中、何が起こるか分からんな。
さて、今度アヤナ殿に会ったら我が領地の特産品でもあげるとするか。
ここにはもう用はないのでその場を離れた。