侍?武士?
ラグナロクは活気に満ちた町だった。
店の呼び込みや住民たちの会話、食料のいい匂いに涎が垂れてきそうで困る。
じっと串刺しの肉を見ているとレオが買ってくれた。おいし〜。
ん?スノウが誰かと話してる。
「アヤナ」
あっ、スノウ!
「何?スノウ」
「紹介するわ、こいつはユキムネ」
「お初にお目にかかりますぞ、アヤナ殿。拙者はユキムネ。ヨルムンガンドでござる」
へー、ヨルムンガンドねぇ。
あれ?ヨルムンガンドって確か悪神ロキを親に持ち、フェンリルと冥界の女王ヘルを兄弟に持つ大蛇じゃなかったっけ?
…うん、考えるの止めよう。決してイメージと違うなんて思わないでおこう。
「…よろしく」
差し出された手を握ると溢れんばかりの輝かしい笑顔を浮かべた。
「話を聞いていた通り、可愛いらしい女子ですな。これはレオ殿やスノウ殿が気に入るわけでござる」
それを言った途端、周りがざわついた。
「あれが」とか「人間じゃないか!」とか「何であんな子があの方の!」などと言われてますがどう反応すればいいのやら。
困り果てていたところにレオが低い声で黙れ、と言いました。するとどうでしょうあんなに煩かったのにすっかり静まりかえったではありませんか。
「こいつは俺やレオの愛し子だ。もし、危害を加えたら分かってるよなあ」
何かスノウが怖いです。あの優しいお母さんが!怖いぃぃい。
思わずレオの傍に抱きついてしまいました。あ、レオが頭を撫でてれた。
「スノウ、そこまでにしておけ」
「何でだ、こいつらはアヤナを…!」
「お前もアヤナを怯えさせているが?」
「は?…そうなのか?アヤナ」
まるで母親に叱られ、縮こまりながらは母親の様子をちらりとみるような表情のスノウがそこにいた。
いつものお母さんは何処にいったの?
「…だいじょうぶだよ、心配してくれてありがとう」
言った途端、スノウはほっとしたようでへにゃりとした笑顔を浮かべる。
なんか可愛い!!息子にほしい!
「さてと、そろそろ行くか。いつまでもここに居ても仕方がない」
自然な手つきで私の手を握ると歩き出した。しかも、私の歩幅に合わせてるし。流石、お母さん!
いらない設定
主人公は結婚はしていませんが、姪がいましたから子供がほしいと思っていました。