表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートでチートな三国志・そして恋姫†無双。の残骸  作者: 山縣 理明
第2章 劉備たちの動向  安住の地を求めて~神の視点から~
26/76

第22話 恐るべき計略の数々

また荒っぽいので短いです。


ごめんなさい。それと、一部カタカナを使用しています。


あと、先に謝っておきます。桔梗(厳顔)さんが好きな人には辛い内容があります。


※死にませんよ

これまで、この世界で『米』と言えば、『玄米』であった。しかし北郷はそれを精米して『白米』にすることにした。


その理由は、ただたんに白米が美味しいから……ではない。『米ぬか』を手に入れるためにやるのだ。


米ぬかには発酵を促進する働きがあるため、農業においてとても大事なものなのだ。


北郷はかつて『有機無農薬』のジャガイモを食する機会があった。見た目はただのジャガイモだったのだが、スーパーで売っているものとは”似て非なるもの”であると実感するほどに美味しいものだった。


その野菜の作り方を個人的に色々と調べた結果、有機無農薬野菜とはこうやって作られている……ということを知ったのだった。



肝になるのは『堆肥』である。それも植物質の


――木くずや落ち葉などで作った――


堆肥を大量に入れ、追肥は『ボカシ』で動物質のモノを補うというやり方であった。



なぜそうするかというと、堆肥が有用だからといって山のように入れたのでは逆に”栄養過多”となってしまい、植物の育ちが悪くなってしまうのだ。単位面積あたりの堆肥も動物質の堆肥と植物質の堆肥では栄養成分が全く違う。


後者のほうが遥かに少ないのである。つまり、動物質の堆肥よりも多くの量を入れることが出来るということである。




さて、この『有機無農薬栽培』についてであるが、この世界には農薬も化学肥料もないため、そのやり方さえ教えれば実現させるのはそれほど難しくはないのだった。


すなわち、落ち葉・牛糞・鶏糞....といったものをそれぞれ分けて、それぞれに米ぬかを入れ、『フォーク』という農具で毎日まぜる(切り返す)だけである。


この世界に『フォーク』はなかったが、北郷が概要を伝えて農機具の店で売ることにしたのだ。


そして、木は皮を剥いで皮の部分は堆肥にまぜ、残りは全て燃やした。『米ぬか』と双璧を成す重要なものである『草木灰』を作るためである。





野菜にせよ果物にせよ、それぞれが好きな土壌がある。つまり、酸性の土壌を好むもの、中性の土壌を好むもの、アルカリ性の土壌を好むもの という3つである。


北郷の世界では『消石灰』や『苦土石灰』を主に使うのだが、どうやってつくればいいのかがよくわからなったため、草木灰を使うことにした。アルカリ分が多いので、使用には注意が必要な代物ではあるが、極めて有用なものの一つである。


ちなみに、土がどうなっているかを調べる方法は単純に、ただ片手で軽く握ってみるだけで良いのだ。そのときに指で押すと崩れるくらいの土、すなわち『団粒構造』の土になっていれば、良い土になっている……ということである。




この重要な堆肥作りは敗残兵の大仕事であった。悪臭こそ最初しかしないものの、すさまじい熱と湯気が立ち上っているため、辛い仕事であった。



北郷は、人口が増えたときに何が問題になるか……ということを学んでいた。それはすなわち『食糧』と『エネルギー』である。


しかし、この世界においてエネルギー問題は無い。食糧をいかに増やすか……が課題である。



そのため、耕地面積を拡大し、面積あたりの収穫量を増やす策が必要だったのだ。


その”面積あたりの収穫量を増やす策”がこの『堆肥』である。




このことは、後に劉備たちの食糧自給の能力を飛躍的に高めることになる。



「農政……といっても、特に問題は起きていないですね。ご主人様の言っていた『堆肥』を使ったら大麻の収穫量がかなり増えた……ということくらいでしょうか。といっても、米は来年の作付けになりますから、真価はそのときにわかるかと。」



そう諸葛亮が答え、あとは討伐軍の編成に移る……というところであった。



「馬が5千まで増強できたのは大きいですね。白露様、様様です。今回は1000くらい出せますかね。」


龐統がそう言うと、皆が一様に頷いた。大麻から取れる油や繊維との交換で大量の馬を手に入れられたのだ。




「さて、どう攻めるのが的確ですかな?」


「突撃・粉砕・勝利なのだ!!」


趙雲の言葉にそう張飛が答えた。諸葛亮・龐統・田豊・沮授以外は揃って溜息をついた。


「その通りです。まあ、色々と策は練ってありますがね。」


「ちょ、ちょっと玉鬘ちゃん!? そんな無茶苦茶な戦法じゃだめでしょ!?」


「いえ、それが一番手っ取り早いんです。糜竺・糜芳の姉妹と内通していた結果を総合するとそうなるんです。ただ、桔梗さんには辛い役を引き受けて貰わなくてはなりませんけれど……。」


「なんじゃ? 儂にどんな役をさせようと言うんじゃ?」


「一度、敵の捕虜になって頂きます。”苦肉の計”とも言うべきでしょうか。



敵の将で厄介なのは2名。黄忠こうちゅう魏延ぎえんです。黄忠は弓の名手、魏延は接近戦で無類の力を発揮するという猛将です。


黄忠さんはどうも未亡人らしく、娘さんがいるそうなのです。その娘さんがほぼ人質という形で太守の韓玄に囚われています。だから黄忠は韓玄の言うことを聞かなければならないですし、黄忠に付き従ってきた魏延も必然的にその味方をしなければならない……ということです。


作戦はこうです。




魏延さんは親衛隊を率いて小沛からそう遠くないところにある拠点に陣取っています。


そこに鈴々さんが突撃します。敵の全員を、もれなく捕虜にした後に、魏延さんに黄忠さんを、小沛の民を救う気概があるかを訊ねます。なければ死んで頂いて攻城兵器である井闌と投石車を用いて正面突破……です。


救う気概があるのならば、桔梗さんを捕虜として小沛まで戻って頂きます。あとは星さんと鈴々さんの部隊が城の正面にあの旗の下、どっしりと構えて頂ければ良いです。


――動かざること、山の如し――


です。



そうすれば、そのうち全軍が、黄忠さんが出てくるでしょう。弓の名手といえど、鈴々さんなら充分に一騎打ちも可能でしょう。寄せ集めの韓馥軍と我らの軍では格が違いますしね。そうそう、練兵中の兵は張郃さんにお任せ……ですが、頑張って下さいね。



時を見計らって糜竺さんが桔梗さんを解放し、魏延さんと2人で黄忠さんの娘を助け出し、韓馥を殺します。あとは小沛の城門から堂々と韓馥の首を掲げて出てくればいいです。」




そう沮授が説明すると、太史慈と廬植は同じことを思った。


敵でなくて良かった……と。恐るべき計略である。



「もし、魏延が寝返らずに儂を殺して”戦果”としたら、その時はどうするんじゃ……? まだ死にたくはないからのう……。」



「こちらの間者は相当数が小沛に潜入していますし、魏延の行動も逐一監視できる体制を整えています。それに、魏延の”親衛隊”にも既に数名が入っていますし、逃がすときにはこちらから選りすぐりの兵を”監視”として入れます。親衛隊の武装も熟知していますからね。ほんの少しの時間さえあれば解放できるような体制です。


仮に、向こうが”見せしめの処刑”を行うために捕虜である桔梗さんを殺そうとするならば、間者軍団との内乱が勃発するでしょうから心配はあまりありません。」



厳顔がそう聞いた。確かに、かなり危険な策である。それだけに、厳顔の心配も大きいものだったが、田豊の説明で”それなりに”納得した口調でそう言った。



「あまり……。まあ、危険な道を進むのもたまには良かろうな。儂にそういう大事な役が廻ってくるのは初めてじゃしな。」


「冷静に行動してくださいね……。」




そう、厳顔の加入はここに居る将のなかでは張飛に次ぐ古参の将なのだ。が、これまでは単なる一将軍としての役割以上は与えられてこなかったのである。


公孫瓚のところでは関羽・張飛・趙雲の陰に隠れていたし、鄴を落とすときは趙雲と張飛の戦功であった。それに北海周辺の賊討伐で目立つ戦功を挙げたのは趙雲と張郃である。


だから引き受けるはず……と田豊と沮授は踏んでいたのだ。公孫瓚の配下であったころから鄴を陥落させるまでの道のりは簡単な説明を受けていたので、概略は知っていたのである。どうも主たる北郷が文官を優遇する代わりに将の中では趙雲びいきなところがある……とも思っていた。


趙雲が冷静沈着で戦略眼に優れ、武の腕はも超一流....と、文句のつけようがない将だからなのだろうが……。


多分、次回で第二章は終わります。


閉鎖までになんとかそこまで行きたいと思います。



肥料の話ですが、動物質の肥料(鶏糞など)はチッソ分などが植物質のモノに比べてとても多いそうです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ