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祖母と孫の異世界スタート!

いつもの日曜日。私(20歳)の運転でサチばぁ(64歳)とスーパーへ向かう途中、対向車がセンターラインを超えて目の前に迫った。ぶつかる!!と思った瞬間、体が空を飛びそして転がり落ちた。


「痛っ!」

頭を強く打った衝撃で、ハッとした。誰かが私を抱きかかえている。


(そうだ!サチばぁは?!無事?!)


「あたたた。…あれ、ちょっと、あんた大丈夫かい!!」


私を抱きかかえ一緒に倒れていたのは、制服を着た美しい銀髪の女の子だった。見た事がある…「乙女ゲーム・聖女伝説イリス」の聖女イリスだ!凄くクオリティの高いコスプレだ。


「聖女様?!」


「聖女様?あははは!40年以上看護師やってるけど、そんな事言われたのは初めてだわ。ナイチンゲールはあるけどね。」

あれ…この言い回し、何回聞いた事か。


「もしかして……サチばぁ?」


「ん?私の事を知ってんのかい。……あれ?ここ何?結衣は??」

伝説の聖女様の中身はサチばぁだった。


*****


周囲を見ると、聖伝イリスの王立学園の制服を着た人達が集まってきていた。


「サチばぁ、こっちに来て!」

私はサチばぁの腕をつかみ、近くのドアから外に出た。校舎裏と思われる人気の無い場所で足を止めしゃがんだ。頭の中にはこの身体の情報が流れ込んでくる。

(私、聖伝イリスの悪役令嬢オーロラなの?!え、事故で異世界転生、サチばぁと一緒に?!)


「ちょっと、どうなってんの?私、なんかイリスって子の情報が脳内で再生されてるんだけど。」


「サチばぁ、私は結衣だよ。さっきまで二人で車に乗っていて、対向車が突っ込んできたでしよ。その時に異世界転生しちゃったみたい。」


「結衣なのかい!!なんか、違う人だけど……異世界転生ってあれだろ。漫画とか……えぇ?」


「えっと、この人はオーロラって言うんだけど、わざと階段から落ちて、イリスというかサチばぁに押されたって罪をきせるとこだったみたい。」


「なんでまたそんな危ない事!こっちも助けようとして一緒に落ちたみたいだけど。」


「どうしよう。私達、あの交通事故で死んじゃったって事だと思う。」


「えええええ!!!あーー…そういう事…?!でもこの身体の主はどうしたんだろ。」


「多分、階段から落ちて頭を打った時に消えてしまったのかも。よく、死にかけた人への転生もあるから。」


二人共、頭を抱えて情報を整理する。何度考えても今いる此処が現実なのだから仕方がない。するとサチばぁが立ち上がった。


「結衣、私はとりあえずイリスをやるわ。今日は記憶の通りそれぞれの家に帰ろ?で、明日もこの王立学園ってトコに来るからさ、昼休みにでも図書館で待ち合わせよう。」


「え!サチばぁ、行っちゃうの!」


「此処にいたってしゃーないし。お腹も減るしね。じゃ明日、図書館会おう。なんとかなるよ!」

美しい銀髪のイリスが私を立ち上がらせ、背中をパシッと叩いた。そして「ブイブイ!」と美しくピースサインきめて去って行った。


「やっぱりサチばぁだ……。イリスの姿だから脳がバグるけど。」

私も記憶を頼りにオーロラが住むお屋敷に帰る事にした。


読んで下さってありがとうございます!

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