目的を果たすとき
家に帰ってから、ずっと銃の手入れをしていたな。
そういえば覚えているかな? 以前きみが部屋に訪ねてきた時も銃の手入れをしていただろう? あれ、緊張してたんだよ。きみは、もうちょっと自分が他人にどう思われてるかっていうのと、人に豊かな暮らしをさせる責任を直視した方がいいよ。
まあ、それは次にきみに会った時にも言うとして、とにかく銃の手入れをしながら俺はずっと考えてた。
果たして銃でそいつを撃ったら、全部解決するのかなって。目を背けていた問題が追っかけてきたんだよ。俺のことを。それをずっと考えてた。
さっきのページ見てちょっとびっくりしただろ? いきなり教祖殺すなんて言い出しててさ。いや、きみにそう聞いても「私が驚くことなどない」とか言いそうだな。見栄っ張りめ。見栄っ張りはこっちもか。
なんてったって俺が教祖を殺そうとした理由は他人様が幸せに暮らせるとかそういった高尚なもんなんかじゃなかったんだから。
いや、それもあったかもしれないけどさ。
俺は、両親を殺されたやるせなさってのをどっかで発散したかったんだな。それに選ばれたのがたまたま両親ぶち殺した宗教の教祖ってだけだった。
やっぱり、自分に向き合うのは毒だよ。この日記を書いてると、とても苦しくなる。さっき、きみに「向き合うべきだ」とか言ったくせにね。
ふふ、こうして考えてみると似た者同士だな。俺たち。一緒に地獄にでも行くか?
けど、その時はそんな考えなんてできなくてさ、つまり、結論なんて出なかった。いつの間にか、やつが街頭演説する都市がどこにいるか調べてたんだよ。
そしたら、馬車で行かなきゃ間に合わないくらい、離れてた。もしかしたら魔力持ってて魔法使えたら箒とか使って空飛んで行けたかもしれないけどさ。
全く関係ないけど魔力あるくせになんで箒乗ってる人って少ないんだろ? 魔法使うってもしかしたら技術が結構必要だったりする? きみは魔法を結構バカスカ使ってるけどもしかしてそれ異端? 異端は浄化されちまうぞ~。まあ、きみと俺がいる国にはエーテル教の信者少ないからそんなことないとは思うけどさ…。
馬車に乗ったら酷い乗り物酔いになったんだよな。だから外を見たよ。驚くほどのどかだったね。そんで、静かだった。皆、教祖の街頭演説を聞きに行っちゃったのかなって思った。
でも、ちらほら人がいたんだよ。なんだかそれにとても安心したな。俺がこの国の人たち全員を完全に混乱させることはなさそうだなって。
馬車でその都市まで運んでもらったあと、ちょっと時間があったからパンとフルーツを使ってフルーツサンドを作った。クリームがないとあんまり美味しくないね、あれ。しかも、パンがあんまり柔らかくなかった。
フルーツサンドイッチを飲み込んだ後に演説が行われる場所から近い、高めの建物を探した。
ちょうどいい建物を街頭演説が始まる、数分前くらいに見つけたんだ。赤茶けたレンガでできていたと思う。その建物には、水を通すためのパイプが高い屋上まで伸びていて、自分はとんだラッキーボーイだなって笑った覚えがある。
パイプを使って屋上まで登ると、想像してたより、結構いい景色が見れたんだな。曇ってたけれど、たくさんの高さがある町をこうして眺められるのはいいなって思えたよ。
あたりを見回してみると、街頭演説をしている教祖がそこにいたよ。あんまり怒りとかがわかなかったことに対して当時は驚いた。
まあ、そんなかんなで対象を把握して、あとはやつの頭に銃弾をぶち込むだけだった。
フルーツサンドにクリームを入れなくて良かったなって思ったよ。幸福感の中では狙撃なんてできないから。
スコープで狙いを定めている時に、気づいた。全然、辛くないなって。あるのはただただ、スコープの中の獲物を殺せるという喜びのみ。
そこで思ったよ。自分は怪物になっちゃったんだなって。
引き金を引いたら、奴は大量に頭から血を流して死んだんだ! とても嬉しかった。背徳的だとか、なんだとか言ってらんない。それくらいにはね。怪物上等ってやつさ。
そいつを撃ったことは少なくとも俺にとってはいいことだったよ。血がダラダラ流れてるそいつを見ていると、ああ、やっと終われるなって思った。それまでずっと心に残っていたおもしが一気にとれて、鳥みたいに自由になった気分だったからさ。
けど、そいつが人に駆け寄られている頃に気づいたんだ。こいつ撃っても俺が死ぬわけじゃ無かった事。だから、国外に行こうと思ったよ。エーテル教を信仰している人間は母国よりは少ないけどここにも結構いたし。だから、きみがいる国に
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