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再会っていいよね…

「掃除終わったぁ…疲れた…」


「お疲れ様です。はい、お茶用意しましたよ」


「うわ〜ん! ありがと〜!」


 リディアに罰として与えられた掃除を終えたメリッサは、用意してくれたお茶をグビグビと飲み干す


「ぷはーっ!! 生き返る〜!」


「もう二度とワインなんて飲まないでくださいね。先生は酔っぱらったら何をするかわかりませんから」


「き、肝に命じておきます…」


 しょぼんと項垂れる弟子に説教される師匠であった。立場が逆になってしまっている


「わかったならいいんです」


「うん…とりあえず、いつもの特訓始めようか…」


 ――――――

 グレイス家の屋敷にて


「お父様、リディアが居なくなった理由がわかったかもしれません」


 そう告げたのはセリアだ


「なんだと!? 教えてくれ!! なぜリディアがいない!」


「詳細はまだわかりませんが、おそらくメリッサといるかもしれません」


「メリッサ?」


 二人の父であるガルシア・グレイスは目を眉をひそめた


「メリッサとは、あの『史上最強の魔女』のメリッサ・エリヴェーラか?」


「ええ、おそらく」


 父は苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる


「何故よりによって家出の原因があの女なんだ…! 何故リディアがメリッサと…どうやって会った…? アイツは何をしてくるかもわからない女だぞ…!」


「残念ながら、今はそれくらいしか…ですが、彼女はこんな家を抜け出したかったんじゃないですか?」


「なんだって?」


 ガルシアは食い気味に尋ねた


「あの子は散々私と比べられるのが嫌だったんじゃないですか?おそらくそれに疲れてしまったんでしょう」


 そう言うと、彼は肩をすくめながら


「私は、お前のように優秀になって欲しいから言っているんだ。傷付けようという意図など決して無い」


 セリアは少し呆れたように言った


「お父様にそのような意図は無くても、リディアにとっては凄く傷付くことだったのでしょう。少しはあの子の気持ちにもなったらどうですか?」


「…」


 父は言い返す言葉が見つからずに黙りこんだ


 ――――――

 その頃、メリッサとリディアは


「いいかいリディア。魔術っていうのは力も大事だけど、一番大事なのは繊細なコントロールだ。焦らずに集中するんだ」


「わかりました、先生。でも、私にできるんでしょうか…」


 どうやらまだ彼女は、自分に自信が持てていないようだ


「大丈夫だよ! 君は魔術師の中で一番の努力家だ。もっと自信を持った方がいいよ」


「はい! がんばります!」


 リディアは深呼吸をして意識を集中させる。


 (集中させて…)


 炎の玉と水の玉が四つずつ現れる


 (おお! 同時に違う属性を!)


 その後、慎重に手を動かし、炎と水の玉を互いに衝突させないように制御しながら、空中で美しい螺旋を描いていく。


「す、すごいじゃないかリディア! こんなに早くここまでできるなんて…才能あるじゃないか!」


「え、本当ですか…?」リディアは驚いたように目を見開く。


「もちろん! けど、油断は禁物だよ。この次はもっと難しい技術に挑戦してもらうからね」


「もっと難しいんですか…でも、私、やってみます!」


メリッサは満足そうに笑いながら、次の指導を考え始める。


 ――――――

「お父様、リディアはちゃんと理由が会って家出をしたんです。正直に言うと私もとても苦しかったんです。あなたの口から私の名前が出てくる度に悲しい顔をしていた。まるで私が泣かせているようで…私があの子を苦しめているようで…」


 セリアは涙目になりながら告げた。大好きな妹を苦しめているようで悲しかった…そんな罪悪感が彼女の心を蝕んでいた


「では、どうすればいい…? あの子連れ戻したとしてどう償えば…」


 ガルシアは苦悩の表情を浮かべた


「まずはリディアの選んだ道を認めてあげてください。そして自分が押し付けてきた期待を見つめ直すことです」


 その言葉に父は深く息を吐いた


「わかった…お前まで苦しめていたと知らず、申し訳なかった。こんな愚かな私が償え切れるようなものではないだろうが、やるしかない。あの子を幸せにしてやる、それが一番だ」

 

 ――――――

 再び、メリッサとリディアの元へ


「次は、違う属性の魔力を一つに統合する技術の訓練だ。とても繊細な技術と集中力が必要だけど、今の君ならできると思うよ」


「はい! やってみます!」


 再び集中し、炎と水の魔力を合わせてみる。二つの魔力が合わさる度に、落ち着いて制御する。焦らず、ゆっくりと…

 やがて、光と闇を内包したような美しく輝く球体が空中に現れた。


「やった…やったぁ!!」


「すごいよリディア! また成長したね!」


 リディアの目には師匠への感謝と、自分への自信が垣間見えた


「はい! できました! 私、やりました!」


「えらいぞ〜! よーし! 今日はご馳走だ!」


「やったぁー!!」


「あ、肉弾戦の訓練がまだだった」


「あ…そうでしたね…さっきのでお腹空いちゃいましたよ…」


 ――――――

 肉弾戦の訓練の後、少し休憩をして王都へ二人は食材の買い出しに行っていた


「今頃ですけど、先生って意外と背が高いんですね」


 顔と髪型を変えたメリッサに軽い話をする。ちなみに、リディアも変えている。メリッサは隈のないおっとりとした顔で、髪は寝癖のように跳ねたのロングヘアではなく、さらっとしたショートボブである。

 リディアは目がクリクリとした可愛らしいいつもの顔ではなく、垂れ目で少し目に隈のついた顔。髪は三つ編みではなくサイドテールにしてある


「そう? まあ、それなりにあるかも?」


「女性にしては高い方だと思いますよ? 先生のような背の高い女の人は見たことないですよ」


「確かに! 言われてみればそうかもね。私もあまり見たことないよ」


 女性の主な身長は150cm後半。だが、メリッサの身長は170cm程である。

 女性でかなり高い方であるためか、時々目を向けられることもあった。


「でもあまり私自身は自覚は無いね〜」


 商店に並べられているジャガイモを取りながら返事をする


「へぇ〜、そうなんですね。」



「リディア…?」



 すると、背後から女性の声が聞こえた


「…!?」


 何回も聞いたことがある声だった。15年間聞いてきた声――


 恐る恐る振り返った

 


「セ…リア…?」



 声の主はセリア・グレイスだった。ただ顔は世間に知られているため、黒いフードを被っている


「リディアなの…!? リディア!!」


 セリアは彼女に駆け寄り、そのまま抱きしめた


「よかった…! 無事でよかった…私の可愛い妹…!」


「え、なんでわかったの!?」


「わかるよ、そのくらい。可愛い妹の顔は一秒たりとも忘れたことなんてないよ」


「おお、これは感動の再会ってやつかな?」


 横からメリッサが入ってきた。もう買い物を終えたのか、紙袋を持っている


「邪魔しちゃった?そうなら私は別の場所に行くけど」


「いや、大丈夫ですよ先生!」


 抱きしめられたまま首を振る


「あなたがエリィさんですか?」


 セリアはわざと偽名で呼ぶ。霧雨千尋から話は聞いているからだ。普通の人ならしないであろう気遣いを欠かさない彼女は、まさに完璧な女性だった


 (その名前を知ってるってことは、あの破廉恥女から聞いたのかな…そこからバレたくない私の気持ちを読み取るとは、さすが名家のもう一人のお嬢様、だね)


「うん、そうだよ。この子は君のような魔女になりたいから私のところに来たんだ。あ、決して誘拐とかじゃないから勘違いしないでね〜」


「妹を預かっていただいてありがとうございます…!」


「セリア!」


 リディアが口を挟む


「ん? なんだい?」


「私、先生に魔術を教えてもらったんだよ! そしたら、たくさんできるようになったんだ! それでね、素手の戦い方も教えてもらったんだ!」


 必死に伝える様子はまるで子供のようだ。それでも嫌な顔は一つもせずにしっかりと聞いた


「そうか…よかったね…」


 すると彼女は微笑みながら涙を流した


「ええ!? 泣いちゃった!?」


「うん…屋敷にいた頃は凄く泣き虫だったのに…こんなにも明るくなって…エリィさんにはなんとお礼を言ったらいいか…」


「う〜ん…なんだかこの流れ見たことあるような気が〜…」


 ――――――

 泣き止んだ後、移動した3人は噴水に座っていた


「それで? なんでセリアさんがここに?」


 メリッサは興味深そうに尋ねた


「なんとか父を説得し終わった後、もしかしたらいるかもしれないと思って探していました」


 彼女の言葉には妹に対する深い愛情が込められていた


「へ〜、君は妹さんが好きなんだね〜」


「もちろんです。この子は私の大切な家族ですから」


 そう言ってリディアの頭を撫でる。彼女は少し照れていた


「セリア…ありがとう。私、よく思うんだ。あの時、家を出さなかったから今は絶対に無かったなって…」


「うん、私も本当にそう思うよ。それで屋敷に戻る気はあるのかな?」


「心配させてごめんね。でも私はもう戻る気はないよ。あそこに戻ったら、また辛い日々を過ごすかもって思って」


 そう俯きながら伝えた。


「お父様は私が説得しておいたから、辛くなったら戻ってきてね。それとお願いがあるんだ」


「ん?」


「どうか、私たち家族を忘れないで欲しい。ただそれだけだよ」


「もちろん忘れないよ! セリアが大好きだから!」


 姉妹の絆を目の当たりにしながら、メリッサは微笑む


「いや〜、良い姉妹愛だね〜。でもリディア、私の訓練はまだまだ終わらないからね? 泣かないようにね?」


「泣きません! 私、もっともっと強くなりますから!」


 リディアは力強く返事した


「ふふっ、これならあなたに任せられそうですね。じゃあ、私ば行くよ。エリィさん、これからも妹をよろしくお願いしますね」


「もちろんだよ! この子は立派な魔術師に育て上げるよ!」


 胸を張って答えると、セリアは満足したように微笑んだ


「はい、では私はこれで…ラファエル」


 そう呟くと、彼女は天使の羽に包まれて消えた


「去り方も派手だね〜。君の姉さんは」


「そうですね…本当に完璧な姉です」


 ――――――

「さ、リディア。これからもっと厳しい修行が待ってるよ!」


「ええっ!? さっきご馳走って言ってましたよね!?」


「それは訓練が終わってからの話だよ〜。よし、次は体力づくりだ! いくよ!」


「先生〜、休憩させてください〜!」


二人の声が王都の街中に響き渡る。そうして、師弟としての絆を深めながら、彼女たちの新たな日々が始まったのだった

どぅえぃーーー!!!(???)

どうもさししです〜。2日ぶり投稿…おいおいさししよ、最近投稿頻度落ちてねぇか〜?

とりあえず頑張りますのでブックマークといいねよろしくお願いします!

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