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エロ魔女が現れた

「コショウ買わんと…」


 朝食の途中でコショウが足りないことを思い出してメリッサは、王都ガルズへ出かけていた

 そのついでに他の食材も買っておくことにした


(今日も賑やかだね…この王都は)


 小さな店が並び、人々の笑顔がそこかしこに見える光景の王都。彼女の家は王都の外にあるため、そこまで歩いて行くのは面倒

 だが、なんとか転移の魔法で歩く手間は省けたのでこれでよしだ


「見つからないなぁ、この店にあったと思うんだけど…すいませーん!コショウ無いですかー?」


「ああ、コショウか。すまないが売り切れちまったよ」


「え〜…とほほ…ついてないや…」


「いや〜申し訳ねえ!また今度来てくれ!」


「わかりましたぁ…」


 商人の答えは「売り切れた」…ガクンと肩を落としながら後にした


「売り切れかぁ…とほほのほ…一応他の食材とか買っておくか…ん?」


 商店街の奥、広場の中央に立つ一人の女性が目に入った。


紫色のベリーロングの髪が風になびき、ゆったりとした着物姿。


その足元には、魔力の霧がうっすら漂っている。


「霧雨千尋…?」


 霧雨千尋…この世界で七人の偉大な魔女『七大魔女』の一人であり、実力は上位クラス

 はんなりとした口調で話す少しクセの強い魔女である


「あの服装…イズモ出身だな?」


 イズモは一言で言い表すと、『和風な国』

 お茶や扇子、着物、ワビサビ…そのような独特な文化をたくさん生み出してきた国である


「でも、まぁ…ただの偶然だよね?気のせい気のせい」

 

 そう自分に言い聞かせ、食材探しに向かおうとした


 だがその瞬間――


 ギャアアアアアアア!!!


反対側から悲鳴が上がった。


「魔物だ!逃げろ!」


 人々が次々に叫びながら逃げ出す。空気が急激に冷たくなり、暗雲が立ち込めた。


「……はぁ、まさかこうなるなんてね。」


メリッサはため息をつきながら、ゆっくりと眼鏡を押し上げた。


「平和が一番って思ってたのに、こういうのがあると困るよ。」


 広場に足を向けると、そこには黒く巨大な体躯の魔物が人々を追い立てている姿があった。その背後には、千尋が立ち、穏やかな表情でその光景を見つめている。


「まさか…千尋があれを呼んだ?」


メリッサの眉がわずかに動く。


「仕方ないな…こういう時くらい、ちょっとだけ力を使ってもバレないよね?」


 魔物がこちらに向かって突進してくる中、目にも止まらぬ速さで距離を潰した


 ズドン!!


 彼女の蹴り一発で、魔物は塵となって消えた。


広場に静寂が訪れる。だが、その場を動かずメリッサをじっと見つめている


「やっぱり気づいてはったん? 『史上最強の魔女』メリッサ・エリヴェーラはん」


 千尋の声は柔らかく、それでいて深い響きを持っていた。


「え、いや…人違いだよ?」


(嘘…なんでわかったの…?)

 

慌てて否定するのだが、千尋はおっとりとした笑みを浮かべた直後、いつの間に後ろに回り込んで彼女の腰に手を回す


「ほんまぁ? じゃあちょお〜っとだけ…」


 ふーっと耳に吐息を吹きかけ、そのままぺろりと舌で舐め上げる


「ひぃんっ!」


 強引に引き剥がし、何故か千鳥足になってしまいずっこける


「ふふふ…おもろい人やわぁ♡」


「凄いんだよ! 刺激が! 私女でよかったぁ! 痴女かあんた!?」


「どうやろうねぇ…ちょっと下が濡れてまうことはあるかもやけど…♡」


「え、何その匂わせ。ホントに怖いんだけど…てそうだ! 食材買うためにここに来たんだったぁ!!」


「へぇ〜お買いもん? おもちゃでも買うたろうか? 『どっかに挿したり出したりするオモチャ』とか♡」


「よくわかんないけどよろしくないっていうことはよぉ〜く分かった!! それじゃあ私はこの辺でおさらば!!」


 「あ〜か〜ん」


 そう言ってまた後ろから抱きついてきた


「なんなのあんた!?」


「あんたはんがおもろい人なのはよぉ〜くわかったわ…でもボクが聞きたいんは別や」


「まだ私に何か用?悪いけど、私はただの一般人だからね」


「じゃあ言い方変えるわ」



「あんた何もんなん?」

 


 千尋の声が一気に低くなり、凍てつくような目で見つめる

 まるで人格が変わったかのようだった

 メリッサは顔に汗がダラダラと垂れる


「た、ただの一般人って言ったじゃん…」


「ふ〜ん、そう言うてる割にはず〜っと目キョロキョロしとるけど、なんか気になるもんでもあるん?」


「いや…無いよ…」


「ああ、あと別に怒ってるんとちゃうんよ?責めてもないしな。そんなに汗流さんでも軽〜く正直に言うたらええんよ?」


 絶対にメリッサと名乗ってはいけない…そう本能が警鐘を鳴らす


 「わ、私は…エリィ・アウェルだよ…」


 頼むからもうどこか行ってくれ…そう祈りながら解答を待った


 

「ふ〜ん…そうなんや。間違えて一般の方に手出してもうたわ〜、ほんま堪忍え〜」


 千尋の腕から解放されると、慌てて離れる


「ホ、ホントだよ…それにさっきは一般人を巻き込んであんな魔物召喚するなんて、どういう頭してるのかな?親の顔が見てみたいね」


「そんな怒らんといてぇな。せっかく別嬪さんなんやから、シワ増えるで?」


「フン、君みたいな破廉恥女には言われたくないね」


「破廉恥って言われてしもうたわぁ…よよよ…」


 千尋は嘘泣きをする


「もう行っていいかい? 私はさっさと買い物がしたいんだ。破廉恥女に付き合ってやる程暇じゃないんだよ」


「あら、買い物の邪魔してもうた? ほんま堪忍え。ほなボクはこの辺にしとくわ。ほなな〜」


 そう言うと千尋は人混みの中に消えていった


「なんだったんだよ…あの女…もういいや! 気にしない気にしない!! 気分変えて買い物だぁ!」


 先ほどの記憶を頭から消し去ろうと買い物を再開した


――――


 人気のない裏路地


「ふふ…♡やっぱボクの勘には間違いはないみたいやねぇ…でも、あんまボクは戦う気とか無いんやけどね…ふふふ…♡」


 その口は三日月のように口角が上がっていた

ちょっと京都弁のエロいキャラを出してみました

どうですか?霧雨千尋、エロいと思いませんか!?(強引)

こういうキャラ好きなんすよねぇ〜

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