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入学試験 決着

1回目の試験を難なく突破したリディアは、周囲の目を気にせず淡々と控室へ戻った。


 (次は…魔物討伐か)


 彼女の目に浮かぶのは冷静さとわずかな闘志

 控室では他の受験生は動揺していた


「なんだよあの速さ…!」「もう合格確定じゃないか…!」


 そんな声が聞こえるが、彼女は軽く息を吐くのみ


 (こんなので満足してちゃだめだ…セリアなんかもっと上だよ…)


 リディアは十分に強くなったが、自身の姉であるセリアにはまだまだ足元には及ばない。


 (私はもっともっと強くなる…!)


 ただ慢心せず、ひたすら自分は上を目指すと決心した


 一方、メリッサは


 (どうやら私の想像以上だったよ。でも、まだ終わりじゃないよね?『とっておきのモノ』ってやつ、楽しみだね)


 心臓が高鳴る。メリッサは自分の弟子の成長を目の当たりにするのを楽しみにしていた


 ――――――

「次、リディア・グレイス」


 審査員の声が響き、二つ目の試験である魔物の討伐が始まる。リディアは静かに立ち上がり、試験会場へと進む


 (これが最後…やるしかない!)


 体に魔力を集中させ――


「試験開始!!」


 召喚されたのは大きい狼の魔物――フェンリル。鋭い咆哮を上げ、彼女に襲いかかる


「来い――――疾風迅雷」


 ――瞬間、彼女の姿が消えた


「な…!?」


 観客席からどよめきが起こる。目にも止まらぬ速さで懐に潜り込んでいたのだ


「はっ!!」


 バチバチと雷を纏い、フェンリルに拳を叩き込む。


 ――ドガァァッッッ!!!


 そのまま吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた


「ウォォ…」


 うめき声をあげて気絶した


「な…!?」


 観客席が驚きの声が漏れる


「あの巨大な魔物を瞬殺だと!?しかも相当強い力を持つ種類だぞ!!」


「あの子は何者なんだ!?」


 (ふっふ〜ん!さすが私の弟子だね!)


 メリッサは自分の弟子の強さを誇る


 そう驚いている間に2体目の魔物が召喚され、リディアを襲う


「フンッ!!」


 後ろから放たれた拳をノールックで受け止め、そのまま顎を撃ち抜く


「グォゥッッッ!!」


 高く空中に吹き飛ばされた直後、リディアは飛び上がり、頭にオーバーヘッドキックをぶちかます


 勢いよく地面に叩きつけられた直後、そのまま拳で追撃した


 ――ドガァァァァァァン!!!!!!!!


 会場の地面がひび割れ、そのまま魔物はピクリとも動かなくなった


「ただの肉弾戦で2体目を倒しただと!?」


「嘘だろ…!? このまま突破するんじゃないか!?」


 (これが『とっておきのモノ』か…君は本当に私を楽しませてくれる…!)


 メリッサはニヤリと笑った。

 


 (でも、まだだ。まだあるだろう?)



 観客席から見下ろすと、彼女と目が合う


 (ホントに先生は勘がいいですね…いいでしょう。存分に見せてあげますよ)


 リディアも笑った。まるで通じ合っているようだ


「…審査員さん。まだやりますか?」


「……ああ、これでもまだ18体残っている。2体倒せたからと言って図に乗るなよ?」


「上等ですよ」


 審査員にそう宣言した後、リディアは不敵の笑みを見せる。


「……フン。いいだろう。試験再開!」


 再開の合図が響くと、魔法陣が現れる。そこから二体同時に魔物が召喚された。どちらも人間の二、三倍はある大きさだ。


「オォォォ!!!!」

 

 二体の魔物は同時に襲いかかるが――


「――疾風迅雷、怪力無双」



 グシャッッッ!!!



 一瞬だった――


 たった一瞬の出来事だった――



 魔物の上半身が無くなっていた



 そこには一歩も動いていないリディア・グレイスの姿があった


 魔物『だったもの』は崩れ落ちる

 


「今…何か見えた、か…?」


「いや、何も見えなかった…」


 (ふふ…みんなは見えてないね。でも、私は見えたよ?)


 (あれは即死の魔術とか、そんな小細工を使ったんじゃない…あれは、『超高速で瞬発力を強化する魔術を発動させ、直後に筋力を強化させた』ということかな。速度とパワーの絶妙なバランス…全く、すっかり変わったね。リディアは)


 メリッサは観客の反応を眺めながら満足そうに微笑む。


 ――――

 次々と魔物は召喚されていく


 4体目――ケンタウロス


「ハッ!!」


 『疾風迅雷』で高速の手刀で真っ二つにした


 7体目――デュラハン


「穿て!」


 魔術で生み出した光の矢でデュラハンを消滅させた


 その後、8体目、9体目、10体目――とどんどんと薙ぎ倒していき、20体目に差し掛かった


 20体目は――


「ドラゴンだと!?」


 観客は目を疑った。本来なら試験でドラゴンが使われることなど今までなかった。何故なら強力な種族であり、簡単に人間を滅ぼすことができるからである。


「グォォァァァァ!!」


 ドラゴンの咆哮が会場に響いた。まるで天地がひっくり返りそうだ。


 それでもリディアは動じなかった


 (ドラゴンか、上等だよ…!)


 リディアの目が鋭くなる

 漆黒のドラゴンの口から漏れる炎が会場の温度を上げる。


「受験生にあれを…!?」「審査員は正気か!?」


「ここまで実力を見せつけられた以上、手加減は無用と判断したまでだ」


 (問題ない…これは私を強くするための試練…!)


 心を落ち着かせ、魔力を練る。全身から放たれる雷光と脈打つオーラ――『疾風迅雷』と『怪力無双』を同時に展開し、さらなる力を引き出す。


 ドラゴンが巨体を揺らし、ブレスを放った。灼熱の業火がリディアを襲う


「――遅い!!」


 瞬時に横に飛び、炎をかわすと急接近


「ハァッ!!!」


 拳を非常に頑丈な鱗に打ち込む。

 


――――ドガァァァァァァン!!!!!!!


 

 その直後、少しヒビが入る


 爆風と共に衝撃波が会場を包み込み、観客達は悲鳴を上げる


「効いたのか!?」


 砂埃が晴れるとドラゴンは衝撃を受けて後退していたものの、まだ健在だった

 

「やはりタフだね。でも――」


リディアは一歩前に出て、拳を握る。


「これならどう?」


 目が鋭く光らせ――


「『ブレイン』」


 彼女の脳が一瞬で100倍の処理速度へと切り替わる。ドラゴンの行動パターン、弱点、次の攻撃の予測が脳内に浮かび上がった


「…なるほど。これで決まりだね!!」


 瞬時に雷を纏い、距離をつめる


 (もう弱点は分かってる!これで確実に――決める!)


「グォッ!!??」


 首筋に、彼女の渾身の蹴りが叩き込まれる。超高速の移動と強化された筋力のコンボで、ドラゴンの巨体が地面に崩れ落ちた。


 ――ドォォォン!!


 ドラゴンの巨体が地響きを上げて倒れ込むと、会場全体が静まり返った。


「……倒した…だと?」


「人間が、ドラゴンを…!?」


観客席は絶句し、審査員たちも驚愕の表情を浮かべる。


(フフン…やっぱり私の弟子は最高だね!)


メリッサは満足げに頷きながら、誇らしげな笑みを浮かべる。


「…ふぅ。審査員、これで試験は合格ですか?」


 審査員は言葉を失いながらも、深く頷いた


「…文句なしの合格だ。」


 歓声が会場を包み込む中、リディアは静かに拳を握りしめる。


(まだまだ…セリアには遠く及ばない。でも、私はもっと強くなるんだ…)


彼女の決意は、誰よりも強く、揺るぎないものだった。


こうして、リディア・グレイスの入学試験は伝説として語り継がれることとなった

次回はリディアのライバルとなるキャラが登場しま〜す

それと番外編は気まぐれに書きたいと思いま〜す

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