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7. 放課後、空き教室で


授業を何事もなく終えて、放課後になった。

「さて、空き教室に行きますか」

 ラブレターの送り主に接触するのだ。六条の娘として毅然とした態度で行動しよう。蒼衣は覚悟を決める時が来たことを感じ取った。

「六条さん、本当にラブレターの送り主に会いに行くの?」

 香織が心配そうに声をかけてきた。

「桃野さん……あなたの言いたいことはわかっている。六条の娘としてこのラブレターの送り主に向き合うわ」

「……なんか心配になってきたから私も付き添うね」

 香織は蒼衣のことについていくことにした。半分は面白そうだからなのは内緒だ。

 ゆっくりと2人は廊下を歩き空き教室に足を進めた。

「……なんだろうあの2人」

「物凄く覚悟を感じられる」

「まるで江戸城登城みたい」

 道行く生徒は2人が歩く姿を見てヒソヒソと話をしていた。

「たのもー!」

 蒼衣は覚悟を決めて空き教室の扉を開けた。若干、気温が低く感じた。

「あっ! 本当に来てくれたんだ!」

 先に空き教室に待機してくれたラブレターの送り主――雪城うたは蒼衣の姿を見て笑顔を見せた!

「……こんにちは。あなたがラブレターの送り主ね。私が六条蒼衣よ。こっちは転校生の桃野香織」

「桃野香織です!」

 蒼衣はうたに自己紹介をした。

「はじめまして、雪城うたです」

 うたは蒼衣と香織に挨拶を返した。

「雪城さん、どうして私にラブレターを送ったの?」

 蒼衣はうたにラブレターの真意を問いただした。

「……単刀直入に言います! 六条蒼衣ちゃん……お友達になってください!」

「なるほど……お友達にね」

 蒼衣はうたがお友達になりたいという言葉に内心驚いた、

(ラブレターじゃなかった!)

「六条さん……うたちゃんのお友達になってあげなよ」

 香織は蒼衣に友達になってあげることを促した。

「まぁ、友達になるぐらいなら別に友達になってもいいけど」

「よかった!」

 うたは安心したような表情を見せた。


◆◆◆◆◆


小学校の屋上。そこに人影が立っていた。黒いローブのようなものを着ていて素顔がわからない。

「ククククク……ここに千年妖狐葛葉姫の縁者がいるのですか。学校は人の目があるから派手に事を運べませんね」

黒ローブの男は少し考える素振りをした。

「そうだ……こいつを使いましょう」

 黒ローブの男はそう言って懐から瓶を取り出した。

「……影鰐。千年妖狐の縁者を攫ってきなさい」

 そう言って黒ローブは瓶の蓋を開けた。瓶の中から黒い影のようなものが現れた消えていった。

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