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4. 龍脈調査


 何事もなく学校での時間は過ぎていって、放課後の空き教室。

「これが中津宮の地図よ」

 蒼衣は黒板に中津宮の地図を張り出した。しっかりと四隅にマグネットを貼り付けてある。

「地図に描かれてないけどそこに龍脈が東西南北に張り巡らされているというわけね」

「学校から一番近い龍脈は黒猫公園のところよ」

 蒼衣は学校の近くにある公園にマグネットを置いた。

「黒猫公園……確か学校の裏手にあるところだ」

 香織は転校前に一度、学校近くに調べたところを思い出していた。

「黒猫公園の龍脈は細く妖魔が出てくることは少ないわ」

 蒼衣は説明を続けた。

「じゃあ黒猫公園に行ってみよう」

「……今から行くの?」

 香織の言葉に蒼衣はジト目で答えた。

「早く龍脈調査器の性能を試してみたいし」

「……わかったわよ」

 蒼衣は素早く黒板を片付けていった。


◆◆◆◆◆


 小学校の裏にある小さな公園、黒猫公園。学校を終えた小学生が公園で憩っていた。

「ここが黒猫公園か」

 香織は黒猫公園を見渡した。

「本当にただの公園だね」

「……そうよ、早く龍脈調査器の性能を見せてちょうだい」

 蒼衣は香織に龍脈調査器を取り出すように促した。

「わかってるよ六条さん」

 そう言って香織はカバンからトランシーバー状の物体を取り出した。これが龍脈調査器らしい。

「随分と小さいのね」

 蒼衣は率直に龍脈調査器の感想を述べた。

「早速、龍脈の流れを調べるよ!」

 香織は龍脈調査器を操作した。画面から数値が上下していく。

「龍脈の流れが見える! 確かに黒猫公園は龍脈上にある!」

「……それはよかったわね」

 蒼衣は香織を生暖かい目で見ていた。

 そこに蒼衣の眼の前にツバメが飛んできた。飛燕だ。

「飛燕?どうかしたの?」

「蒼衣お嬢様……今日の夕飯は何になされますか?」

「……カレーが食べたいな」

「カレーですね」

 そう言って飛燕は飛んでいった!

「……まったく」

 蒼衣は顔をすくめた。視線を香織に向けると龍脈の流れをメモしていた。蒼衣は勉強熱心だと思った。

「早く小学校に戻るわよ」

「……わかった!」

 蒼衣は帰る準備をしたいと思った。今日の夕飯はカレーだ。早く家に帰ってカレーを食べたかった。

 そんな事を考えていると香織はメモを終えて龍脈調査器を鞄にしまっていた。

「戻りましょうか」

 2人はゆっくりと小学校に戻っていった。

「……」

 その様子を物陰から見つめている影がいた。蒼衣と香織が黒猫公園を去っていくとその影も2人を追いかけるように消えていった。

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