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第3話
二時間ほど歩くと、ようやく山道は終わった。街中に入った辺りには交番もあり、麗子はそこに駆け込んだ。
交通費を借りたり、相談実績を作っておいたりしようと考えたのだ。
「おまわりさん、助けて下さい! 命の危険がある状態で、放置されて……」
「どうしましたか、お嬢さん?」
「はい、最初から順に話しますと……」
わざと大袈裟な言い方で始めてから、麗子は詳しく事情を説明する。途中で交番の警官は「なんだ、ただの痴話喧嘩か」と言いたそうな顔になったけれど、それでも親身になって聞いてくれた。
「なるほど、確かに危険な状況でしたね」
「そうでしょう?」
「彼の方に、あなたを害する意図はなさそうですが……。一歩間違えれば、大きな事件に繋がりかねない。一応こちらから、一言注意しておきましょうか」
親切な警官たちだった。パトカーで麗子を送り届けてくれるだけでなく、途中で陽介のアパートにも立ち寄ることになり……。